ジェイソン・ステイサムと『ビーキーパー』監督再タッグ『A Working Man』爆速レビュー ─ やっぱりステイサムは期待を裏切らない
(カナダ・トロントから現地レポート)ジェイソン・ステイサムが、『ビーキーパー』のデイヴィッド・エアー監督と再タッグを組んだ注目の新作アクション映画『A Working Man(原題)』が、現地時間3月28日に北米で劇場公開を迎えた。本作は、チャック・ディクソンによる小説「Levon’s Trade」(全12作)が原作で、シルヴェスター・スタローンが脚本に加わったことが大きな話題となっている。本作でステイサムは、元特殊部隊の兵士であり、現在はシカゴの建設現場で働く労働者レヴォン・ケイドを演じている。
主人公のレヴォンは、ジョー・ガルシア(マイケル・ペーニャ)が経営する会社の建設現場で監督を務めている。ジョーの妻と娘ジェニーも会社を手伝っており、レヴォンはジョーの家族と良好な関係を築いていた。そんな中、ジェニーがロシアのマフィアに誘拐されてしまう。悲嘆に暮れるジョーたちを前に、レヴォンは「必ず取り戻す」と誓い、シカゴの裏社会へと潜入する。
本作では、妻を亡くしたレヴォンが、愛娘の親権をめぐり義父と争いながら、良き父親になろうとする姿も描かれる。そんな彼がジェニーを救おうとするのは、父親としての自身の立場が大きく影響しているからだ。レヴォンはジェニー捜索中に悪党たちを拷問し、次々と手にかけていく。
『ビーキーパー』と同様、ステイサムはファンの期待を全く裏切らない。レヴォンがナイフで次々と敵を倒していく“華麗なるナイフ捌き”のほか、特に印象的だったのは熱々のコーヒーを武器にして敵にダメージを与えつつ、悠々とベーグルを焼いて食べながら尋問するシーン。シリアスながらも独特のユーモアが散りばめられている点が本作の最大の見どころだ。悪党たちが警官でも捜査官でもない“建設作業員”レヴォンに戸惑いながら圧倒されていく様子も痛快。
また、レヴォンの戦友で盲目のガニーにも注目してほしい。彼を演じるのは、『サンダーボルツ*』などのデヴィッド・ハーバー。普段とはまったく異なる風貌で登場し、私が鑑賞したトロントの劇場では驚いた観客も多かった印象だ。登場時間は短いながらも重要な役どころで、レヴォンを陰で支えていく。
本作のオープニング興行収入は1,520万ドルを記録。ディズニーの実写版『白雪姫』(1,420万ドル)を抑え、となった。オープニング興行収入が1,650万ドルだった『ビーキーパー』には及ばなかったものの、ジェイソン・ステイサム主演の新たなフランチャイズ作品として期待の声も上がっている。
ちなみに、シルヴェスター・スタローンが脚本を手がけた2013年のアクション『バトルフロント』でも、ステイサムは主演を務めた。『バトルフロント』で彼が演じたのは、妻を亡くした元麻薬潜入捜査官フィル。本作と極めて近い設定だが、今回のレヴォン・ケイドはよりハードボイルドで、アクションもかなりパワーアップしている。
Rotten Tomatoesにて、『バトルフロント』は批評家スコア42%、観客スコア61%に対し、『A Working Man』は批評家スコア49%、観客スコア89%を記録(現地時間3月31日時点)。久々のスタローン脚本×ステイサム主演作品として、前回を上回る評価を獲得し、ファンの期待に応える結果となった。激しいアクションと独特のユーモアが融合した『A Working Man』。劇場の大スクリーンでその迫力をぜひ体感してほしい。
『A Working Man(原題)』は米Deadlineによると2026年1月2日に日本公開予定。正式な情報を待とう。
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