約70万人の観客を魅了する「第39回南越谷阿波踊り」が8月23・24日に開催!
埼玉県越谷市の夏の風物詩「第39回南越谷阿波踊り」が、2025年8月23日(土)・24日(日)に南越谷駅、新越谷駅周辺で開催。本場・徳島、高円寺と並ぶ“日本三大阿波踊り”のひとつといわれ、例年約70万人の観客が躍動感ある踊りに魅了される。一体、どのようにしてこの地に阿波踊りが根付いていったのだろうか。
地元企業のある思いから始まった
“日本三大阿波踊り”のひとつといわれる「南越谷阿波踊り」。駅の発車メロディがにぎやかなお囃子(はやし)だったり(JR線の南越谷駅は通年、東武線の新越谷駅は例年8月1日からイベント開催日まで)、駅前では阿波踊りの銅像が出迎えてくれるなど、阿波踊りの街として知られている。
南越谷で阿波踊りが誕生するきっかけとなったのは、市内に本社を構える住宅メーカー、ポラスグループの創業者である故・中内俊三氏だ。「弊社は建売住宅の販売も行っていますが、工事の音がうるさかったり、トラックの出入りなどがあったりして、どうしても周辺にお住まいの方々にご迷惑をお掛けします。中内はこれらご迷惑へのお詫びと事業のお礼としてなにか地元に恩返しができないかと考えました」と教えてくれたのはポラスグループの青柳孝二さん。
「そもそも越谷は高度経済成長期に都心のベッドタウンとして移り住んできた方が多く、地元に対する愛着が薄い傾向にありました。ふるさと意識をもってもらいたいという思いから、地域に根差したイベントを開こうと考えました」。中内氏が徳島県出身だったという縁もあり、阿波踊りをやったら盛り上がるのではないかと提案したことで、1985年に第1回が開催される運びとなった。
多彩な踊りを楽しめるのが醍醐味!
開催当初は3万人だった人出も、今では約70万人が訪れる一大イベントへと成長。2025年の参加連は71にものぼり、地元・南越谷だけでなく、本場の徳島から4連、近郊の街からも16連が参加する。東武スカイツリーラインを挟んで4本の目抜き通りを練り歩く「流し踊り」、越谷コミュニティセンターの2つのホールで観覧できる「舞台踊り」、駅前特設会場や広場で行われる「組踊り」、ストリートでゲリラ的に踊りが始まる「輪踊り」など、ひとえに阿波踊りといってもそれぞれ魅力の異なる踊り方を楽しめる。
道路を踊り歩く「流し踊り」は夕方からのスタートだが、越谷コミュニティセンターの大ホールで行われる舞台踊りは14時から始まり、しかも観覧無料! 照明や音響を駆使しながら演出やフォーメーションにこだわった、舞台ならではの阿波踊りが快適な環境で見られるのがうれしい。「見るだけでなく、阿波踊り教室にも気軽に参加してください! にわか連として実際に流し踊りも体験できますよ」と青柳さん。
「越谷の阿波踊りは踊り手と観客の距離が近いので、踊り手はウキウキするし、観客は臨場感を味わえ、一体となって楽しめるのが魅力」と青柳さんは意気揚々。街のあちこちでさまざまな踊りが見られ、スケジュールや体力に合わせて楽しめるのも越谷ならではの特徴だ。会場内には約200の露店も並ぶので、お祭り気分を味わいながら越谷の夏の風物詩を満喫しよう。
開催概要
「第39回南越谷阿波踊り」
開催期間:2025年8月23日(土)・24日(日)※22日(金)は前夜祭
開催時間:14:00~21:00(23・24日の流し踊りは17:10~)
会場:南越谷駅、新越谷駅周辺(埼玉県越谷市)
アクセス:JR武蔵野線南越谷駅、東武鉄道東武スカイツリーライン新越谷駅からすぐ
【問い合わせ先】
南越谷阿波踊り振興会☎048-986-2266
URL:https://www.minamikoshigaya-awaodori.jp/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。