介護職に未経験で入職!「仕事が覚えられない」原因や対応方法を徹底解説!
本日のお悩み:未経験で介護職に入職したものの、仕事が覚えられない!
介護職未経験で入職をし、2週間が経ちましたが、仕事がなかなか覚えられません。
できないところばかりを指摘されて怒られる日々で、正直心が病みそうです。仕事を覚えるための工夫策などがあれば教えてください。
また、指導をしてくださっている先輩職員が、私ができないことを周りの職員にも言いふらして話のネタにしているようです。普通に指摘してくださるだけならまだしも、周囲に広められるとだんだん向いていないのではないかと悲観的になってしまいます。
このような環境が続くのであれば、退職も検討しようかと思っています。
人材不足であると言いながら、こういった環境が他にも多発しているのであれば介護業界全体の課題であるとも考えています。専門家の方の考えや対処法を聞かせてください。
そもそも介護の仕事が覚えられない原因とは?
執筆者
ささえるラボ編集部
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/3
新しい職場への転職や未経験で入職したばかりのころ、介護の仕事がなかなか覚えられず苦戦する方は多いのではないでしょうか。
この記事では、仕事の覚え方のポイントだけでなく、そもそも覚えづらい・覚えられないと感じている理由についても解説していきます。
介護の仕事を覚えられない理由3選
まず、介護の仕事を覚えられない理由について考えてみましょう。主な理由は以下の3点です。
1.覚える業務量が多い
2.臨機応変に対応する場面が多い
3.施設や事業所の教育・サポート体制が整っていない
●1.覚える業務量が多い
介護の仕事は、覚えることが非常に多くあります。入職したばかりであれば、施設や事業所のこと、介護技術、利用者さんのこと…のように多岐にわたる業務を覚える必要があります。
そのため、「一度にすべての業務を覚えなきゃ」と思うのではなく、「少しずつ覚えていこう」と割り切っていくことも大切です。特に大きな施設や事業所の場合は、利用者さんも多く、それに伴ってやるべきことも増えるため、より仕事を覚えることが困難に感じる場合が多いでしょう。
●2.臨機応変に対応する場面が多い
また、介護の業務は仕事を覚えても、利用者さんの状況や様子に応じて臨機応変に対応することも求められます。そのため、最初のうちは優先順位のつけ方なども掴めず、タスクが増えていく感覚に不安やストレスを感じる場合があります。
しかし、すべてが経験となり、2回目以降同じ状況に出くわした際に、迅速な対応ができるようになります。1つ1つに丁寧に向き合い学び続けていきましょう。
●3.施設や事業所の教育・サポート体制が整っていない
介護現場は忙しく、教育体制やサポート体制が不十分である事業所も多々あります。具体的には、研修がないまま現場に出ている、マニュアルがないので研修が属人化している、わからないことがあるときに相談できる人がいないなどです。
このような状況だと、忙しい日々のなかで、目の前のタスクをなんとなくこなす状況が続き、仕事が定着している、スキルが身についているという感覚がないままになってしまいます。
入職前に、研修や教育の体制、メンターの有無などを確認しておけるとよいでしょう。
これだけは必須!入職後に覚えておくべき仕事とは?
では、次に介護職が覚えるべき仕事について確認していきましょう。
1.利用者さんの名前や特記事項
2.仕事の流れと優先順位
3.介護の知識やスキル
1.利用者さんの名前や特記事項
介護のスキルや知識がなくても、利用者さんの名前を覚えるだけでコミュニケーションの幅を広げることができます。名前を呼んで挨拶や声かけをするかしないかで、印象も大幅に変わります。
また、相手の特記事項だけでも把握できるとケアによる事故なども防ぐことができるでしょう。
2.仕事の流れと優先順位
1日の仕事の流れを把握しておくことも大切でしょう。次に何をすべきかわかっているだけで、心に余裕をもって働くことができます。
また、上司や先輩に業務内での優先順位も聞いてみましょう。優先順位を把握できていると、周囲との連携してスムーズに対応ができるようになります。
3.介護の知識やスキル
介護の知識や技術がないまま対応してしまうと、事故に繋がるリスクがあります。さらに、事故にはならなくても、利用者さんが痛みを感じたり、違和感を感じたりする場合もあります。
日々の業務で覚えるだけでなく、研修や勉強会、資格取得に向けた学習からも介護の知識や技術を学ぶことが大切です。
未経験で介護の仕事が覚えられないときの対処法5選
未経験で介護の仕事が覚えられないときにできる工夫策を5つ紹介します。
1.メモをとって見直しができるようにする
2.わからないことは先輩に確認をする
3.苦手意識のある業務にも積極的に取り組む
4.業務の目的を考えてみる
5.介護関連資格の取得を目指す
1.メモをとって見直しができるようにする
仕事を覚える際、1度聞いて全て覚えられるという方は、ほとんどいないと思います。そのため、教えてもらったことや覚えておきたいことは、必ずメモをとる習慣をつけましょう。
また、メモをとる際は、長文ではなく自分が読み返してわかる範囲で簡潔に書く、カテゴリー分けや付箋を活用して見返しやすいようにするなどといった工夫ができます。さらに、メモをとって終わりではなく、とったうえでもわからないことは周囲の人に確認し、内容を追記することも大切です。
2.わからないことは先輩に確認をする
仕事でわからないことがある場合、素直に質問することも大切です。質問をする際、まずは自身のメモを見返してみたり、社内の資料などで調べてみたりしたうえで、それでもわからない場合は、質問をするようにしましょう。
ただし、緊急性のある対応では調べていると対応遅れに繋がる可能性があるので、すぐに確認をするようにしましょう。状況に応じた使い分けが大切です。
3.苦手意識のある業務にも積極的に取り組む
また、業務に携わっていくと、業務に対する得意・不得意や好き・嫌いなどが見えてくると思います。そして、これらがわかってくると、その業務はもちろん、似たような業務に対してもやる前から苦手意識を持ってしまい、挑戦することを諦めてしまうことがあるでしょう。
しかし、介護業界に携わるうえで、特定の業務を避けてしまうと成長することができません。苦手意識のある業務でも、その意識を上司や同僚に相談したうえで、サポートを受けながら挑戦するようにしていきましょう。
4.業務の目的を考えてみる
業務をなかなか覚えられないときは、そもそもこの業務を「なぜ」行う必要があるのかを考えてみるようにしましょう。業務の目的が明確になると、何を優先的に覚えればよいのか、どこが重要なのかなどが見えてくるようになります。
そのため、仕事を覚えられず悩んだ際は、それぞれの原点に戻って向き合うようにしましょう。
5.介護関連資格の取得を目指す
また、介護職未経験の方は、資格取得を目指すのも1つの方法です。介護関連の資格をとることで、介護に関する基本的な知識や技術を基礎から学ぶことができます。
初めて介護職に就き、基礎から学びたい方には「介護職員初任者研修」がおすすめです。介護職員初任者研修を修了するためには、一部通信教育で対応可能ですが、スクーリングもあります。スクーリングと聞くと、働きながらは難しそうという印象があるかと思いますが、働きながら取得する方にも向けて、振替制度などを設けているスクールも多くあります。
まとめ:スモールステップで目標を設定し、少しずつ覚えていきましょう!
ここまで、質問の冒頭にあった「仕事を覚えるための工夫策」について解説をしてきました。もちろん、仕事を覚えようという意識を持つことは大切です。
しかし、覚えなきゃという気持ちばかりが先走ると、あれもこれもという状況になってしまいます。 仕事を覚える際、「今日は○○を覚える!」や「○○をできるようにする」、「利用者さんの名前を○人覚える!」などこれだけは絶対に覚えるというものを、日々決めて少しずつ覚えていくことが大切です。
次に、「仕事が覚えられず周囲の声が気になる」というもう1つのお悩みについて、専門家の先生が回答します!
【専門家コラム】仕事が覚えられず周囲の声が気になる…
コラム執筆者/専門家
古畑 佑奈
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/19
介護職未経験で入職から2週間、まだまだ仕事に慣れることで精いっぱいの時期だと思います。
最初から仕事を完璧にできる人などいなくて、質問者さんが覚えられないところがあるのは当然のことです。
(私自身、覚えが悪くて先輩や同僚に多々迷惑をかけてきました…)
できないことばかりを指摘されてお辛いと思いますが、まずはとにかくご自身を責めないでほしいということをお伝えしたいです。
職員個人の問題なのか、職場全体の問題なのかで対応方法は異なります!
さて、今回周囲の職員さんにできない点ばかり指摘され、広められているとのことでしたが、その状況を作っているのは特定の職員さんでしょうか。
それとも、職場全体がそのような雰囲気になっているのでしょうか。
どちらの場合かによって、対応方法は異なります。しかし、繰り返しになりますが、未経験で介護職に入職をしているので、できなくて当然です。ご自身を責めないようにしてください。
では、2つの場合に分けて対応方法を考えていきましょう。
●1.特定の職員さんの場合
特定の職員さんからの行為である場合は、上長にすぐ相談をするようにしましょう。おそらく周囲でも困っている(困っていた)職員さんはいらっしゃると思いますし、今後も同じ気持ちを味わう職員さんが出てきてしまいます。
上長に相談をし、上長からアプローチしてもらうのがよいでしょう。
●2.職場全体の場合
職場の職員全体がそのような空気の場合、上長(管理職)の人たちはその実態を把握しているのか確認をしてみましょう。
上長が課題意識を感じていないのであれば、相談をしてみてもよいと思います。
しかし、相談をしても変化がない、上長も一緒になってそのような空気感をつくっているなどといった場合は職場を変えることも検討してみましょう。「未経験・無資格可」で募集している施設では、同じように未経験の方が多く集まっていたり、教育体制が整っていたりする場合が多くあります。
求人を確認し、面接時や施設見学時にも確認をしてみましょう。
注意すべきは、組織においてその課題が認識されているか?ということ
非常にシンプルにお伝えしましたが、質問者さんがおっしゃる通り「職場の人間関係」は、介護職の離職理由の上位です。
特に介護の仕事は、自分1人ではなくチームで行うからこそ、お互いが気をつけなければ摩擦が生まれやすくなってしまうのかもしれません。
質問者さんに加えてお伝えしたいのは、職場環境を整えようと意識して取り組んでいる介護現場が多々あること、そして人間関係の課題の原因はコミュニケーション不足によるところが大きいこと、自分自身も職場環境を構成している一員であることです。
介護現場のみならず、職場での人間関係は働くうえで重要な要素です。
これまでに経験されているかと思いますが、課題のない職場は存在しません。
大切なのは、組織においてその課題が認識されているか。そして課題に対して取り組む姿勢があるか?ではないかと考えています。
そう捉えると、課題の認識は課題を共有することから始まります。
最後に:自身のことは責めず、職場環境の見直しをおこないましょう!
今回、質問者さんが介護職に未経験でも挑戦しようと思ったのには何かしらのきっかけがあると思います。
はじまったばかりの仕事。そして未経験。そのような状態で辛い思いをされているのは、すぐに駆けつけたいほどです…。
繰り返しにはなりますが、ご自身のことは責めないでください。介護職は、業務内容が多岐にわたりますし、基礎基本を習得しても、利用者さんによっては通用しなかったりとなかなか難しい仕事であると思います。
そうであるからこそ、今いる職場のまま環境の改善を目指すのか、職場を変えて異なる環境で働いていくのかなど質問者さんが働く環境の見直しが大切であると思います。
働きやすい環境で介護の仕事を続けられるよう、今後も応援し続けています。
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