自分だけの防災手帳贈呈 辻堂青少年会館が市へ
辻堂青少年会館で防災を学ぶ子どもたちが12日、独自に考案した「こども防災手帳」500部を藤沢市に贈呈した。身近な地域を調べて自分だけのオリジナル防災手帳を作ることができるもので、市役所で鈴木恒夫市長に「ぜひ使ってください」と直接手渡した。
同館では2018年から、辻堂地区防災協議会の指導を受けて小中学生を対象に「助かる命を助けるために!チームレスキュー」と題して防災を学ぶ活動を行っている。普段見慣れている地域を防災の視点で歩き、地震や洪水などを想定しながら危険な場所を確認。消火栓や安全な場所などもチェックし、これらの情報から自分だけの防災ノートを作成している。レスキュー隊員として参加した石崎可夢偉さん(13)は「洪水を意識して、水の動きを重視して調べた」と話す。
身近な危険や災害などを調べてまとめる活動により多くの人に取り組んでもらえるように、22年から湘南工科大学の協力を得て自分で作れる防災手帳の作成を開始した。手帳では、道を描きやすい升目を付け、「自分の家」「避難場所」「病院」などのシールを添付するなど作りやすさに配慮した。また、災害用ダイヤルの使い方や、防災備品の記入欄もある。広げるとA4サイズで、折りたたむとポケットに入る大きさになる。
この手帳を広く活用してもらおうと同館では500部を市に寄贈。式典ではレスキュー隊員から鈴木市長に手帳が手渡され、鈴木市長は「子ども目線の防災を学ばせていただく」とし、隊員の描いた地図を見て「ここは線路沿いのところだね」とこたえる様子も見られた。活動に協力した同協議会の小川雄二郎会長は「ぜひ市のホームページからもダウンロードできるようにしていただけたら」と呼び掛ける。