文芸誌『en-taxi』の創刊メンバーで文芸評論家の福田和也氏が死去
文芸評論家で慶應義塾大学の名誉教授の福田和也氏が9月20日に急性呼吸不全で死去した。63歳だった。葬儀は関係者のみで行うとしている。福田和也氏は、大学院在学中から文筆活動を開始し、文藝春秋が発行していた『諸君!』での連載「遥かなる日本ルネサンス」が大きな反響を呼び、注目を集める。
その後、第6回三島由紀夫賞や第24回平林たい子文学賞(評論部門)などを受賞し、文芸誌から週刊誌、カルチャー誌と幅広い分野で執筆活動を続けてきた。2003年には、リリー・フランキー、柳美里、坪内祐三と共同編集で文芸誌『en-taxi』を創刊。リリー・フランキーのベストセラー作で、映画化もされた『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』は『en-taxi』での連載をまとめたもの。
10年ほど前から体調を崩し、健康回復に努めるためにも本格的な著述活動を控えていたという。実家は田端の麺製作機械工場経営で、本人はとんかつを好み、X(旧ツイッター)のアイコンもとんかつだった。