充実したキャリア教育に文部科学大臣表彰、四日市の三重平中学校
三重県四日市市の市立三重平中学校が、充実したキャリア教育を続けているとして文部科学大臣表彰を受け、3月7日、同校の関係者が森智広市長に報告した。校区を越えた地域の学習「四日市学」や、コミュニケーションの力を培う「平っ子タイム」など、特色ある取り組みを通じ、生徒たちは自ら考える力を伸ばしているとう。
市役所を訪問したのは、三重平中学校の前田匠校長、同校四日市版コミュニティスクール運営協議会委員長の根来進さん、同校PTA会長の若菜由依さん、同校生徒会長の石原寿道さん(2年)の4人。森市長のほか、廣瀬琢也教育長、草川誠教育委員会指導課参事兼課長が同席して迎えた。
キャリア教育は、子どもたちが社会や職業で自立できる能力などを育てる教育で、この表彰は、その充実ぶりなどで教育委員会、学校、PTA団体などの功績を称える。東京での表彰は2月6日にあったという。
市によると、同校では市内唯一の取り組みとして、2023年度から校区や地元を出発点に四日市市へと段階的に範囲を広げて地域の課題を考える「四日市学」を実施している。1年生は地域の人と防災を学び、2年生では職場体験の事前学習として仕事を調べ、自分を見つめ直す、3年生では地元や四日市市のよりよい未来のために政策を提案するなど、学年を追って考える対象を広げていくという。修学旅行の機会を利用して、旅行先で四日市市の魅力を紹介するプレゼンテーション(2024年度は千葉県のイオン海浜幕張店で実施)もしているという。
活動について紹介する三重平中学校のみなさん
生徒会長の石原さんは、こうした活動が、生徒の主体性を大切にして運営されているため、「僕自身も自分で考える力がついたと思います」と話した。また、仲間たちとの人間関係をつくり、コミュニケーションの力を伸ばす「平っ子タイム」が開かれており、ここでは、ディベートに似た形で自らの意見を表現する訓練もしており、石原さんは「おかげで、よく知らない人とでも話ができるようになった」と話していた。
学校では、eスポーツやイラストなどのサークルもあり、部活動に所属していない人でも自由に参加でき、自分の適性や関心などを知るきかっけになっているという。
森市長は、校区を越えての「四日市学」の取り組みや市外での発表などに感心した様子で、「これからもがんばってほしいです」と話していた。