田舎に移住すると身近な存在になった「糠(ぬか)」。自然に優しい洗い物に大活躍【鳥取田舎くらし】
こんにちは。
6年前に大山に一目惚れして大阪から鳥取に移住したMAIです。
田舎暮らしのあれこれや、季節の手仕事、趣味のコトモノなど幅広く綴っています。
今回は「糠(ぬか)」を使った暮らしの知恵袋。
我が家で実践している糠を使った洗い物術を紹介します。
意外な糠の使い方。油もの洗いの強い味方
糠の魅力を知ったのは、北海道旅行に行った時にトマト農家さんのお家に滞在したときのこと。
宿と食事を提供して頂く代わりに、ちょっとした農業のお手伝いと家事をするという物々交換のような宿泊をしたんですね。
食後に洗い物をしようと台所に行くと「コレでまずは油を拭き取って」と渡されたのが、糠でした。
そのお家では環境に配慮して洗い物は基本的に洗剤を使わないので、水洗いでは落ちない油分を拭き取るのには糠を使うとのこと。
言われた通りにやってみると、確かに糠が油分を吸い取ってその後の洗い物がとても楽でした。
鳥取に戻ってきた後、その快適さと自然への配慮に感銘を受けて、できる範囲で続けている糠のひとてま。
とはいえ、やはり油残りのヌルヌル感が気になることも多いので、我が家では糠の後に食器用せっけんをつけて洗うことが多いのですが、少量のせっけんでスッキリ落ちるのは思った以上に快適です。
田舎では簡単に手に入る糠
精米機のあるところで手に入りやすい糠。
精米機はホームセンターの片隅や、JAの敷地内、町のふとしたころによく設置してあります。
田舎では田んぼを持っているお家が多いので、お米は買わずに自分の家の田んぼの米という方が多数。
取れたお米は「籾(もみ)」という殻付きの状態で保存されているので、必要な分を精米機で精米して食べるのが一般的です。
精米機は都市部ではあまり見かけませんが、田舎には暮らしのすぐそばにあるものなんですね。
そしてお米を精米すると出るのが籾殻(もみがら)と糠。
籾殻も糠も、精米機の裏や横に貯蔵庫のような場所があってそこから自分で取って持って帰って良いのです。
もちろん精米には料金がかかりますが、籾殻や糠に料金がかかる場所には今の所出会ったことはありません。(場所によって持ち帰り可能かご確認ください)
私の実家は大阪市内にあり、近くに精米機なんてない環境なのですが、母はお米屋さんで糠を安く買ったと言っていました。
都会暮らしの方でも、糠を手に入れるのはそんなに難しくはないかもしれませんね。
糠を使った洗い物術
【糠のひとてま 洗い物術】
❶ 油分のついたお皿やフライパンに糠をまぶす
❷ 手もしくはヘラなどで糠を全体に行き渡らせてから拭き取る
❸ コンポスト、もしくは燃えるゴミに捨てる
❹ 流水で洗う(油分が気になる場合は洗剤をつけて洗う)
※油を吸収した糠をコンポストに入れる場合は、塩分が多いとあまり良くないかもしれないので、ご自身のコンポストのやり方に合わせて判断してくださいね。
糠は手荒れの心配もなく、キッチンペーパーなど消耗品を買う必要もないのでエコで経済的。
食器を手洗いしている方には是非試していただきたい糠のひとてま。
糠の使いみち
我が家では主人が時々畑に撒いて肥料にしている糠。
他にも様々な用途がありますよね。
身近な食べるもので言うと、糠漬け。
化粧品なんかにも糠を使っているものがあったりして健康や美容にも良いイメージ。
洗い物以外のお掃除にも活躍するそうですよ。
ガーゼやティーバックなど編み目の細かいもので糠を包み、フローリング掃除や木製の家具、畳を拭くのにも使えるのだとか。
自然物なので、小さな赤ちゃんやペットのいるご家庭では特に安心して使えますね!
糠でお掃除もまた試してみようと思います。
循環する暮らし
日本人の主食であるお米から出る「糠」
一見“要らないもの”に見えるものだけど、暮らしの色んなところで力を発揮してくれる優れもの。
昔の人にはこうした知恵がたくさんあったのでしょうね。
土から生まれ出たものが、めぐりめぐってまた土に還っていく。
とっても小さなひとてまだけど、何も無駄にならないという素晴らしい自然のサイクルが暮らしの中にはあるんですね。
実は今年、初めて不耕起栽培でお米を手植えに挑戦した我が家。
自分たちで育てたお米を食べて、その糠で洗い物をし、畑に還す。
そんなサイクルができると嬉しいです。
手軽に綺麗に汚れが落ちる「洗剤」が当たり前の今の時代に、「消費」ではなく「循環」していく生活を無理のない範囲で少しずつ広げていけたらいいなと思っています。