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【特集】みたけこども園保育教諭、永野結菜さん 「園児の笑顔が元気の源!子どもと保護者に寄り添う保育者に」 新潟青陵大学短期大学部卒業生を追う(動画あり)

にいがた経済新聞

「青陵短大は、いい意味で生徒と先生の距離感が近かったなと思います」と懐かしむ永野さん。卒業後も折に触れて青陵短大の先生のところに友達と遊びに行って、仕事の相談をしたりしているそう

永野結菜さんは新潟市出身。新潟東高等学校、新潟青陵大学短期大学部幼児教育学科卒業。現在は社会福祉法人乙の園 みたけこども園で保育教諭として日々子どもたちの健やかな成長に尽力している

遊戯室で自由にはしゃぐ中、BGMが変わり、先生の声がかかるとあっという間に集合して、元気に踊り出す子どもたち。そんな子どもたちの視線の先でハツラツと踊り、リードしているのが保育教諭の永野結菜さんだ。

新潟青陵大学短期大学部(以下青陵短大)幼児教育学科を卒業して、社会福祉法人乙の園 みたけこども園(新潟市東区・以下みたけこども園)に入職して3年目、“踊りが得意な先生”として活躍している。

「体を動かすのが好きなので、子どもたちと鬼ごっことかすると、私が一番楽しんじゃいます(笑)」(永野さん)

子どもたちの成長に寄り添う保育教諭

みたけこども園(新潟市東区)は昭和42年に開園した約60年もの歴史がある認定こども園で、現在約120名の園児が通園している。「全ては子どもたちの未来のために」という理念のもと、子どもはもとより保護者や保育者も含めたアットホームな雰囲気が特徴だ。

認定こども園は、幼稚園的機能と保育所的機能を併せ持つ子どもの施設

保育教諭の1日の仕事は多岐にわたる。朝の登園対応から始まり、一緒に遊んだり、おやつや給食を食べさせたり、お見送りといった子どもへの保育だけに限らず、お便りや保護者向けの掲示物の作成、イベントの準備など事務的な作業も多い。充実した日々の中、「みたけこども園はベテランの先生も何人も在籍していて、皆さんとても親しみやすく、わからないことを聞きやすい環境です。恵まれているなと思います」と永野さん。

現在永野さんが担当しているのは2歳児クラスだが、2歳児というとイヤイヤ期真っ只中だ。それでも「自分の関わりがきっかけになって子どもたちの成長を感じられると、やりがいを感じますね。発表会とかはもう泣いちゃいます。もちろん大変なこともありますが、子どもの笑顔や『先生おはよう!』という元気な声を聞くと、癒されるし、力をもらいます」と、その表情は充実そのものだ。

写真右がみたけこども園織田園長。「子どもたちの未来ってすごく広がっているじゃないですか。保護者の方と一緒に子育てを共有していける、本当にいい仕事に携わっているなと感謝しています」

そんな永野さんの頑張りを見守る周囲の目も温かい。園長の織田弓子先生は「子どもにも保護者にも丁寧に接していて、いつどの場面を見てもいい保育を提供しているなと思っています」と評価する。中でも永野さんが輝いている瞬間はやはり「踊り」とのことで、「上手だし、表現が豊か。子どもの前で踊ると特に輝いて見える、それは彼女のすごいところ」と太鼓判を押す。

織田園長によると、入職当時の永野さんは自信があまりなさそうな様子も見られたが、一人で悩まず、周りの職員に相談しながらこの3年、一つひとつ課題をクリアしていっており、「少しずつ自信がついてきたよね?」と尋ねると、永野さんも頷いた。

永野さんへのさらなる期待を語る織田園長

「私たちの仕事は毎日、毎年、同じように見えて、実際は子どもたちがどんどん成長してくので、全然違うんですよね。これからも永野先生らしい丁寧な保育を大切にしながらできることを増やし、自信をつけていってくれれば、さらにいい先生になっていくと思います。今が3年目で今後はリーダーにもなっていく活躍を期待しています」(織田園長)

みたけこども園には、現在青陵短大卒業生の保育教諭が4人在籍。「青陵短大の実習も受け入れています。記録の書き方から子どもたちへの接し方まで、きちんと指導を受けて実習に臨んでおり、学習環境に恵まれていると感じます」(織田園長)

保護者に向けて、毎週作成している「ドキュメーション」と呼ばれるレポート。出来事や子どもたちができるようになったことを写真付きで紹介

保育の力と感性を高められた短大の2年間

母親が保育士だったこともあり、物心ついた頃にはすでに保育の道を目指していたという永野さん。高校卒業後の進路を考えた際に「専門学校でも資格は取得できますが、青陵短大のオープンキャンパスに行ったときに感じた先輩方の親しみやすさと、学校全体の明るい雰囲気と学習環境が魅力的で、進学を決めました」(永野さん)。

「青陵短大は、いい意味で生徒と先生の距離感が近かったなと思います」と懐かしむ永野さん。卒業後も折に触れて青陵短大の先生のところに友達と遊びに行って、仕事の相談をしたりしているそう

保育士・幼稚園教諭の資格取得を目指せる青陵短大の幼児教育学科は、高い専門性を習得する独自のカリキュラムが特徴で、「大人の私も感性を高められる授業も多かった」と永野さんは振り返る。海に向かって思いっきり声を出したり、「音を探しに行く」というテーマで、近くの森で五感を使って鳥のさえずりに耳を澄ますなど、敷地の隣に森、その先に海というロケーションならではの授業もあったそう。

また敷地内には青陵幼稚園もあり、入学して早い段階で実習に行くなど子どもを身近に感じることができる学習環境も大きな特徴の一つだ。校舎は新潟青陵大学と共用で、県内有数の蔵書を誇る図書館をはじめ学生が自由に学びに利用できるスペースが充実しており、学習意欲を刺激する環境も整っている。

絵本や遊具など、実際の保育施設に近い環境が整っている「教職実践演習室」

「教職実践演習室」には過去の実習資料が保存されている

幼稚園から小学校6年生までチアリーディングを習っていて、青陵短大でも体操ダンス部でダンスをしていた永野さん。「短大の授業で“音楽って楽しいもの”ということを強く感じることができました。私は踊ることが好きなので、同じように踊ることの楽しさを子どもたちにも伝えられたらと思っています」

特技も生かした活躍で、自分自身も成長を実感

そんな体を動かすことが得意な永野さんに、青陵短大で体を動かすことの保育的役割やその表現方法を伝えていたのが、ゼミや部活で指導していた青野光子教授だ。

「子どもたちをサポートするには園内での連携も大切です。きっと授業に加えて短大でのボランティア活動や部活動が、コミュニケーション力の向上に役立っているのではないでしょうか。保育者にもいろいろなタイプの人がいますが、子どもたちを見守りながら一人ひとりの素晴らしい能力を引き出してあげられる永野さんは、最も理想とする保育者のタイプだと思います」とかつての教え子を振り返ります。

青野教授の専門科目は幼児体育、健康指導法、表現指導法(身体表現)。外遊びや道具を使った遊びを通して子どもたちの健やかな成長を支援する

保育者に求められるスキルは、技術的な指導だけにとどまらず、言葉や仕草、身なりなども子どものお手本になる必要がある。また、画一的な教育を施すのではなく子どもたちの多様性に応じられる勉強も必要だ。卒業して学びは終わりではなく、保育の専門を極めるために常に学ぶ姿勢を忘れずに励んでいってほしいと、青野教授は永野さんに期待を込めてエールを送る。

「うちのゼミのホープですね。みたけこども園には実習で在学生がお世話になるので、ぜひ先輩として保育者の仕事の素晴らしさを伝えてもらって、後輩を育てていってほしいです」(青野教授)

保育の魅力も大変さも味わいながら、少しずつ自信を持ち、ステップアップしていっている永野さん。それは保育者としての成長だけに限らず自身の成長にも繋がっていっているそうだ。「この仕事に就いて、たくさんの子たちと関わる中で、いろいろな角度から物事を捉えられるようになったなと思います。これからも子どもの目線に立って、子どもを尊重し、子どもと保護者に寄り添う保育教諭でありたいです」

青陵短大で得た確かな知識と技術、さらに踊りという個性も磨いた永野さんの財産が全て、たくさんの子どもたちの笑顔や成長へと繋がっていっている。

子どもたちと遊ぶ永野さん。半日だけでも、お遊戯、カードゲーム、おもちゃ、お遊戯、絵本の読み聞かせなど、多彩な遊びで子どもたちを楽しませていた

(インタビュー・文・撮影 丸山智子)

【学校情報】

学校法人 新潟青陵学園 新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部

住所:新潟市中央区水道町1丁目5939番地

新潟青陵学園は、新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部・新潟青陵大学大学院・新潟青陵高等学校・新潟青陵幼稚園を運営する学校法人。短大の歩みは、1961(昭和36)年に設立された新潟女子工芸高等学校の専攻科を前身とし、1965(昭和45)年に青陵女子短期大学が開学。2004年より共学となり現在の名称となり、現在は人間総合学科と幼児教育学科の2分野を有し、新潟県の企業、保育業界への人材供給を担い続けている伝統校。

【関連サイト】
みたけこども園

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