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独創的組合せの惣菜パンはレストラン経験があるからこそ!もちもち高加水パンにリピーター続出【Len(レン)】(神奈川県・川崎市)

パンめぐ

具材たっぷりでこぼれ落ちそうな、二子新地店限定のタルティーヌ。

8月中旬にLen×クリおじコラボの生クリームパンを記事にしましたが、皆さん召し上がっていただけましたでしょうか?
9月中旬には新宿伊勢丹の「トレンドベーカリー」に出店され、今までLenさんのパンを食べたことがなかった方々も美味しさを知っていただけたことと思います。

今回は二子新地店で鈴木孝貴シェフに美味しさの秘密などお聞きしてきました。
お店の場所ですが、東急田園都市線・大井町線「二子新地」駅東口を出て右手の道をまっすぐ進みます。
徒歩1分と近く、ビルの3階にあるため最初はわからず通り過ぎてしまいました(汗)
らせん階段のあるビルになります。エレベーターもあるのでご安心を。

店内の様子

中央のテーブルとサイドに美味しそうなパンが並びます。
冷蔵ケースも2カ所あり、コラボ商品のもっちりほっぺの生クリームパンやドーナツ、ケーキやゼリーなどスイーツが並びます。
スイーツも生地の美味しさなど素材の良さが感じられる味でおススメです。

Len-Local Speciality Factory-ってどんなお店?

店名のLenはLocal(地元)+Eat(食べる)+Neighborhood(近隣)の頭文字を取ったもの。
「Made in Local(地元産)」をコンセプトに2020年12月15日にオープン。

オーナーは「ten株式会社」。
地域振興や街づくりに関わる企画及びコンサルティング、店舗・飲食店のプロデュースや運営管理、各種イベント催事の企画やプロデュースをする会社で、高津区にあるシェアキッチンやカフェなどの複合施設「Nokuchi-Lab(ノクチラボ)」も人気です。

川崎市産の野菜や果物、卵、蜂蜜、海苔、しょうゆなどを使用して地産地消、地元応援をしています。

鈴木孝貴シェフに聞く、Lenのパンの美味しさの秘密

鈴木シェフは日比谷にある「ペニンシュラホテル」内のベーカリーで、当時スーシェフだった千葉大介さん(シニフィアンシニフィエの志賀勝栄シェフがユーハイムにいらした頃に独特な高加水パンを学んだ方)から教わったことがベースになっているそう。
そうか、Lenさんのむっちりもちもちの生地は志賀シェフの流れを汲んでいたのですね。

その後、Len二子新地店のある場所に以前あったレストランで働くようになり、イタリアンや創作料理を作るという料理の世界へ。
そこでもディナータイムで提供するパンを自家製で焼いていらしたそう。
そのレストランが閉店してからはベーカリーレストランやパン屋の立ち上げ、パン屋併設のフレンチレストランなどを経験。
Lenの創業者の一人から「ノクチラボで料理をしてみないか」「Lenを立ち上げるから一緒にやらないか」と誘われ、ラボで料理を作りながら朝はLenでパンを焼く日々を過ごした後、現在はLenですべてのパンの考案や監修をされています。

また、鈴木シェフは『RED U-35』という35歳以下の若き才能(新しい世代の新しい価値観をもつクリエイター)を発掘する日本最大級の料理人コンペティションにおいて、2022年にカンパーニュでBRONZE EGGを受賞されています。
私はこの大会が始まった当初にテレビで観て大会の存在を知っていたので、鈴木シェフがこのコンテスト出場者だったことを知り、そのクリエイティブな才能からますます目が離せなくなりました。

自家製酵母液について

Lenのパンは地元で採れる果物や摘果された果物を使って自家製酵母液を作り、パンドミ、Lenブレッド、カンパーニュ、バゲット、チャバタなどシンプルなものに使われていて、これからの季節はぶどう、柿、甘夏なども使って酵母を作るのだそう。
ほんのりフルーティーさが出るそうで酵母が変わるごとに食べてみたくなります。

国産小麦100%のパン作り

国産小麦を9種類使い、ほぼ北海道産の小麦。全粒粉のみ秦野のほうにある「横浜小麦」を使用。
産地や生産者を応援したい想いから国産小麦にこだわられているのだそう。
アグリシステムのモンスティルとスムレラをバゲットに使われているそうでお店のスタッフの方も「うちのバゲット香りがよくて好きなんです」とおっしゃっていました。私もそれを聞いて購入しましたが確かに旨味が濃くて歯切れも良く美味しかったです。

隠れた人気のあるパン、シェフがおススメしたいパンは?

◆カンパーニュ サステナビリティ
前述の『RED U-35』でBRONZE EGGを受賞したカンパーニュ。
商品名にある“サステナビリティ”は、固くなってしまったパンや切れ端を乾燥、粉砕し新たな生地に加えているところから。そうすることでより香ばしく旨みの強いパンに仕上がるのだそう。
私は古くなったパンの再利用の仕方でこのような使い方をするのを初めて知りました。

江別製粉のライ麦を20%使用。大地を感じさせるどっしりとしたライ麦の香り。
粉の苦みを感じる部分もあるけれど、酸味はなくクラストも薄く軽やかで食べやすいですね。
クラムはしっとりむちっ。食べると甘みが勝つ!甘いぞ!
全粒粉の粒感も全体に深みを与えています。

トーストするとクラストのカリカリという音が小気味よく響き、クラムは甘みもあるけれど香ばしさが増して、バターを塗るとミルキーさが全体を包み込んでさらに美味しい!

「地元応援ということで川崎産の食材を多く使いますが、日本ならではの食材も応援したいです。フーガスにいぶりがっこを使ったり、枝豆と塩昆布を使ったパンはおにぎりから発想を得ています」

◆海苔まる
レストランでの料理経験から着想を得ることが多いという鈴木シェフの惣菜系おつまみ系パン。
こちらは川崎産の海苔を生地に練り込み、中にクリームチーズと塩昆布を包んで揚げたもの。
イタリアンで前菜として出される「ゼッポリーニ」からヒントを得たそう。

断面からは磯の香り~。ここは湘南かアドリア海か。
リベイクで外カリッ中もちっ。クリームチーズを合わせることで塩昆布の塩味がまろやかに。
濃い目の味つけなのでお酒にも合いますね。
グルタミン酸とイノシン酸の旨みの相乗効果は料理の経験があったからこそ、と鈴木シェフ。

シェフは昔、バゲットにクリームチーズを塗って塩昆布をのせて食べていたのだそう。そのアイデア、自宅でやってみます!

◆クイニーアマン
断面から溢れ出るバターの芳醇な香りだけで悶絶。
川崎産の蜂蜜を使ったガリガリのキャラメルの中にしっとりクロワッサン生地が閉じ込められていたから、このバターの香りが堰を切ったように匂い立つのでしょう。
しっかりした甘みなのに後味は甘ったるくないのがまた食べたくなる好ポイントです。

鈴木シェフのこれからやってみたいことは

「料理をやってきたのでサンドイッチをやりたいですね。サンドイッチ用に新たに歯切れのよいパンを作って」
それを聞いて私は「自宅でもサンドイッチは作りますが料理人でもあるシェフが考える素材の組合せやお店で使う食材などは一般の人とは違いますから、お店ならではのサンドイッチを食べたいです!」と間髪入れずシェフにお願いしました!!
お店ではたまにコロッケサンドを並べたり、カフェのほうでは卵黄をしょうゆ漬けにし卵サラダに混ぜたものをサンドにした“うみたまサンド”なるものがあるそうですよ。

「生地の改良もしたいです。ブリオッシュは酸味を効かせてもう少し風味を良くしたいですし、Lenブレッドの加水率を上げたいです」
現在でも118%と高加水ですが、Lenブレッドはべたつきがないのです。そこは技術が必要でガスが抜けるとべたつくけれどうまくガスを閉じ込めることで口どけが良くなるのだそう。

「料理業界も経験しているので、パンに合う料理の提案などをイベントでやってみたいですね」
スタッフの方が「当店はシンプルなパンも美味しいのでそのパン達をさらに美味しく食べてもらえる提案ができればいいですよね」と。
ぜひぜひ!お願いいたします!!

気になったパンを実食

◆福来醤油漬け 長いも、オクラのベシャメル、スモークチーズとベーコンのタルティーヌ(二子新地店限定)
具材たっぷりでこぼれ落ちそうなほど。ベーコンの食欲そそる香りに長いものシャキシャキ感、クリーミーなベシャメルソース。オクラはあさりスープに漬けているそうで、ねばねばでクリーミーでするすると口の中に滑り込んでいきます。
しょうゆベースだからか暑い日でもさっぱりとして、かすかなピリ辛風味も。
自分ではこんな組合せを考えることもできないし、下味をつけて深みを出すなどの手間もかけられないし、これは美味しい!

◆あんバタ塩パン(二子新地店限定)
もっちりとした食感、バターの香りと塩味が効いた塩パンだけでも美味しい!
そこによつ葉発酵無塩バターのヨーグルトっぽい風味と粒あんの甘み、ちょこちょこ顔を覗かせる塩味に甘じょっぱさのエンドレスループ!

写真左上から時計回りにLenブレッド、カンパーニュ サステナビリティ、自然酵母のバゲット

◆Lenブレッド
スライスして現れた断面のキラキラと光る気泡の穴はそっと指で触れたくなるほど魅惑的で、ぴとっと吸い付く水分の多さ。香ばしいクラストは軽い引きがあり噛むごとに甘みが溢れ、クラムはお米のような甘みが一口目から感じられジューシーで口の中が甘い水で満たされます。
何もつけなくても美味しい~。

◆自然酵母のバゲット
吸水率85%の高加水バゲット。噛むごとに口の中に甘みと濃い旨味が充満。
クラムはむちむちでものすごく甘い!糖分をプラスしているのかと思いシェフにお聞きすると、小麦の甘さを引き出す作り方をしているからここまで甘みを感じられるのだそう。
バターとの相性も良く、リピート決定です!

シンプルなパンも、レストラン経験から生みだされる素材の組合せの妙を楽しめるパンもどれも美味しくて、何度でも買いに行きたくなるお店でした。

Len×クリおじコラボのもっちりほっぺのクリームパン、9月は“はちみつレモン”味。
こちらもとても美味しかったので是非お試しを♪
※お店訪問が8月末のため、商品に入れ替えがある可能性があります。ご了承ください。

店舗情報

Lenさんは9月現在、高津区内に3つの店舗とcafeが1店舗あります。
それぞれのお店限定の商品などもありますので足を運んでみてくださいね。

【溝の口本店】
住所:神奈川県川崎市高津区溝口3-13-5 LUNA PIENA 1F
電話番号:044-281-4456
営業時間:11:00〜16:00
定休日:不定休

【Len cafe】
住所:溝の口本店に併設
電話番号:溝の口本店と共通
営業時間:11:00〜16:00
定休日:不定休

【二子新地店】
住所:神奈川県川崎市高津区諏訪1-8-1 リアル二子新地ビルディング 3F
電話番号:044-455-7610
営業時間:08:00〜19:00
定休日:不定休

【マルイ店】
住所:神奈川県川崎市高津区溝口1-4-1 マルイファミリー溝口 1F
電話番号:044-712-7535
営業時間:10:30〜20:00
定休日:不定休(マルイファミリー溝口に準ずる)

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