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「日本の人事部HRアワード2024」人事が選んだ最優秀賞・優秀賞の14事例とは?

月刊総務オンライン

「日本の人事部HRアワード2024」人事が選んだ最優秀賞・優秀賞の14事例とは?

人と組織の成長を促す取り組みを表彰する「HRアワード」は10月23日、2024年度の最優秀賞・優秀賞14件を発表した。

企業人事部門の最優秀賞には、当メディアでも紹介した旭化成(東京都千代田区)の新入社員を対象としたラーニングコミュニティ「新卒学部」が、優秀賞には、パナソニック インダストリー(東京都港区)の風土活性化プロジェクト、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)の復職サポートプログラムが選ばれた。

社員の要望を言語化する、社内活性化プロジェクトを展開

パナソニック インダストリーは2018年、パナソニック創業100周年を機に、社員の提案で風土活性化の取り組みとして「MAKE HAPPYプロジェクト」を始動した。

この取り組みは、公募制の社内複業で事務局メンバーを再編成し、従業員の要望を基にミッション、ビジョン、バリューを言語化するというもの。実践に向けては、「はぴ学」「はぴ会」「はぴ色」「はぴ楽」の4つの活動を軸に、オンラインセミナーやワークショップを開催している。セミナーやワークショップは、研修として就業時間扱いとなる。

たとえば、「はぴ学」では、社内外の有識者を講師として招き、学びの場を提供。社員一人ひとりの視野を広げ視座を高めることで、個々人のスキルアップや個人や組織のパーパスの探求に生かしている。

「はぴ学」のようす

2023年度には、国内50%以上の社員が活動に参加。エンゲージメント(指標eNPS)36ポイント増や定着率の改善、4事業部門に同じ思いの組織ができるなどの成果につながった。参加者からは「この活動があるからこの会社にいたい」などポジティブな意見も聞かれた。

三菱UFJ銀行では、産休前・休職中・復帰後まで丁寧にサポート

三菱UFJ銀行の「復職サポートプログラム」は、産休前から休職中、復帰後まで、12のコンテンツを通じてサポートする取り組み。

休職前の心構えや準備が確認できるeラーニングに加え、2023年10月からは、復職前後に感じるスキルとマインド面のギャップ解消を目的とした、休職中に会社の変化などを自分のペースで学べるツール「復職プリペアコンテンツ・研修」や、会社の仲間とつながる社内SNS、上司と復職者が一緒に参加する「復職セレモニー」など、自律的に転換期を乗り切るコンテンツを提供している。

プログラム開始以降、2000人以上が新コンテンツを利用。社員からは「プリペア研修で会社や職場の今を知ることができ、キャッチアップがスムーズだった」「セレモニーのワークで、上司と互いの価値観を知ることができ対話がより円滑になった」などの感想が寄せられた。

書籍部門・プロフェッショナル部門受賞者も併せて発表

同アワードでは、企業人事部門のほか、業務改善やスキル向上につながる人事関連の書籍を表彰「書籍部門」、採用・人材開発・労務管理などHR領域のサービスを表彰する「プロフェッショナル部門」がある。

書籍部門では、最優秀賞に、『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学』(古屋星斗/日経BP 日本経済新聞出版)が選出された。

優秀賞は以下の通り。

 ・『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』(今井むつみ/日経BP)

 ・『人材開発・組織開発コンサルティング:人と組織の「課題解決」入門』(中原淳/ダイヤモンド社)

 ・『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』(小林祐児/集英社インターナショナル)

プロフェッショナル部門の「組織変革・開発部門」最優秀賞には、オープンワーク(東京都渋谷区)の、生の声から組織を分析、採用課題・組織課題を炙(あぶ)り出す「従業員クチコミレポート」が選ばれた。

アワード結果の詳細は、特設サイトで確認できる。

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