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【玉名市】「人柱」という哀しい歴史も残る、石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん)

肥後ジャーナル

【玉名市】「人柱」という哀しい歴史も残る、石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん)

玉名市横島町に「石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん)」という公園があるのをご存じですか? 海の香りがほんのりと漂う玉名市横島町に、加藤清正が作った石塘があります。(「石塘」とは加藤清正が分流のため築いた、潮受け堤防の事) 史跡公園となっているとの事で行って参りました。

場所は玉名市横島町

熊本市中心部からだと車でおよそ40分。

お手洗い、

東屋などもあり、休憩所としても良い場所です。

石塘とは

往時菊池川の主流は横島山と久島山間を流れていた。 加藤清正は菊池川の水路変更と石塘築堤によって、数百町歩の耕地が出来ることに着眼し、天正十七年(1589年)工を起こし17年間の歳月を費やし、慶長10年(1605年)これを完成した。その間、横島久島間約400mの築堤は最も難工事で人柱と読経の加護によって築かれたと言い伝えられている。 (碑文より)

この唐人川は、元は菊池川であったそう。 そしてこの横島町は大規模な干拓事業によって出来た町です。

今から400年以上前に、17年もの長い年月を経て完成した石塘。気が遠くなるほどの昔の事。気が遠くなるほどの建設期間。 この公園を歩いていると、目に見えているものは川なのに、鼻に感じるのは海の匂い、そして肌には少しベタリとした海風に近いものを感じ、何となく時空の歪みに入ってしまったような、そんな不思議な感覚になるのでした。

六枚井樋(ろくまいいび)。

越堰(いせき)。

近くでじっくりと見る事が出来ます。

間近で見る六枚井樋。

水があちらこちらからあふれ出しており、常に水と隣り合わせの建設。

ざざざざざざと真ん中で渦を巻いているような川の上で、17年という年月の中、凍えるように寒い時もあった事でしょう。

今から400年も前に、川の流れを変えたり、広大な干拓化がどれだけ大変な事だっただろうと思うと感心するとともに、ぞっとしてしまいます。

川の流れや、潮の満ち引きは人間が何をしていても待ってはくれませんので、命がけ。

新内井樋。 広大な干拓事業は過酷なもので、様々な材料が流れてしまい、殉職者も沢山出たとの事。 そんな中「これからは人力だけではだめだ、人柱をたててはどうか」と言った者があり、今では到底考えられませんが、選ばれた人物は水中に沈んでいったという悲しい歴史があります。想像すると何ともむごい。 今は立派な町ですが、犠牲になった方はそれを知らないまま亡くなったわけで…止まる事のない川の流れを見ながら、何とも言えない気持ちになりました。

人柱の碑

加藤清正公の小田牟田新地干陸で最も困難であったのは石塘の潮止工事であった。築いては幾度となく壊れるので人力では如何ともしがたく、古例にならって人柱を入れ、横島山頂より読経して潮止に成功したと言う。その場所がここであると伝えられている。(碑文より)

「人柱之碑」と彫ってあります。 人柱になった方がどんな気持ちでここで沈んで行かれたのだろうと思うと胸が苦しくなります。昔は人柱になると死後、神様になると言われていたそうです。 今の住みやすい環境に感謝して、これからも工事に関わる方がどんな場所であれ、犠牲者の出る事のないよう、と心から願うのでした。

加藤神社

公園内に加藤神社があります。 祭神は加藤清正公。大きな銀杏の木が印象的で、11月には美しい風景が見られると思います。

真っ白な拝殿。明治3年に、清正公の遺像を石祠を収めここに安置し、明治25年に社殿を建築した、との事です。

横島熊野坐神社

公園出て、道路を車で通っていると、こんな鳥居の入口を見つけました。 横島熊野坐神社という神社です。

津波避難登り口。

その入口は、どーんと気の遠くなるような階段。 寛政4年4月1日(西暦1792年5月21日)雲仙普賢岳の火山活動に伴う大津波がありました。県内での死者は玉名郡が一番多く、2221人とされています。横島も含め6m近い津波が押し寄せたとの事。 こちらの神社は雨が降っていた事もあり行けませんでしたが、車でも登れる立派な拝殿もあるようなので、また次回。 今回「石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん)」では、自然を眺めながら歴史を知れるいい散歩が出来ました。 皆様も天気の良い日に是非行かれてみてはいかがでしょうか? ※ゴミ箱などはありませんので、お持ち帰りをお願い致します。

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