カシオ、「G-SHOCK」誕生の地を建て替えへ ABW適応のオフィス・風土改革を同時に推進
カシオ計算機(東京都渋谷区)は、開発拠点であり、ヒット商品「G-SHOCK」誕生の地である羽村技術センター(東京都羽村市)の建て替えと本社ビルのリノベーションを実施すると発表した。
新技術センターは2025年3月に、本社ビルは2025年6月に着工し、それぞれ2027年9月、2026年11月に竣工(しゅんこう)を予定し、カシオではオフィス改革と同時に社内の風土改革も実施する。
ABW適応の多様なスペースを導入へ
建て替えられる羽村技術センター(東京都羽村市)は隣接地に移転する。敷地面積は4万4492平方メートルで延床面積は3万3386平方メートル。鉄筋コンクリート造で一部鉄骨造の構造となる。
新たな羽村技術センターと本社ビルでは、社員の能動的な働き方を推進するため、ABW(Activity Based Working)に適応した多様なスペースを導入する。また、取引先や顧客にもてなしの気持ちとカシオらしさを伝えるため、エントランスやビジターエリアを拡大し、快適で個性的な空間に刷新する。
ABWは働く時間や場所を制約せず自由に選ぶワークスタイル。月刊総務オンラインでは、大日本塗料(大阪府大阪市)や野原グループ(東京都新宿区)のABWに適応したオフィス作りについての事例も紹介している。
このほか、新技術センターでは、効率的な研究開発を行うため、実験設備を集約したラボ棟を新設し、横断的な開発環境を整える。本社ビルでは、新技術センターとの連携を強化するため、サテライト機能を兼ねたマグネットフロアを新設する。
羽村技術センターは1979年竣工。同センターの老朽化を契機に、新技術センターの建設と本社ビルのリノベーションが決定した。両施設に人が自然に集まる空間を作ることで社内外の共創とコラボレーションを促し、イノベーションを生みながら成長し続けるために、働く環境を一新したい考えだ。
風土改革とオフィス改革で「新たなモノ・コト」を生み出す組織に
同社では、今回の新技術センターの建設と本社ビルのリノベーションに加え、社員一丸となった風土改革も同時に展開する。
同社のパーパスである「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」の策定にあたっては、約1年間に渡りワークショップやアンケートを実施し、国内外の2000人以上の社員の声をボトムアップ形式で集約し、カシオの存在理由や、企業として「何を為し」「どんな世界を目指すのか」を提示しつつ、明文化した。
パーパスを体現するため、社内ポータルサイトには社内の連絡事項や、各種申請業務、社長のメッセージのほか、さまざまな職種の社員が自由に参加して「明日のカシオ」について意見を交わすコミュニケーションプレースも設けている。
カシオでは「今回の改革を土台に、電卓の一般家庭への普及を促したカシオミニや、タフネス性能で時計の使用シーンを広げたG-SHOCKのような新たなモノ・コトを生み出し、同社のパーパスの実践を通じて、社会に貢献していく」とコメントしている。
カシオ計算機の発表の詳細は同社の公式プレスリリースで確認できる。