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男性育休取得のハードル1位は……?育休を取得しやすくするコツと併せて解説

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2022年4月の改正から段階的に施行されている育児・介護休業法において、男性の育児休暇取得推進が義務化されました。これはすべての従業員への取得促進を義務づけたものですが、これが定められたのは「男性の育休が取りづらい」という背景がありました。厚生労働省の調査(※1)によると、男性の育休取得率は17.3%と、前年の13.97%を上回るものの、全体の2割に満たない状態で、誰もが当たり前に取れるというわけではないようです。

取得率のほか、取得日数が短いという問題もあります。マイナビ転職の調査(※2)では、男性育休の実際の取得日数は、2週間未満が、約3割。半年以上取れた人は1割未満で、育休取得できた人が2割以下、長期の育休を取れたのはさらにその1割未満という結果となりました。

「子育てで父親ができないのは生むことだけ」という言葉があるように、父親として本領発揮できるようになる大事な時期に、長期の育休を使ってしっかり、家族と向き合っていきたい──。そんな仕事も家庭も充実した人生を送るためには、自ら育休を取りやすい環境づくりや職場の選択、仕事を取り巻く環境の整備などを進めていく必要がありそうです。

そこで今回は、男性が育休取得の際にハードルと感じたものや、育休をとりやすくするコツを、データを基にひも解いていきます。

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男性育休のハードルは「人手不足」と「収入減少」が僅差で2位。1位は意外にも?

まずは、男性育休のハードルになったことについて。実際に男性が育休取得にあたってハードルになったことは、意外にも「特にない」が3割超で、最多回答でした。企業には男性の育休取得率の公表が義務化されており、2024年現在は従業員数1000人以上が対象で、2025年4月からは従業員が300人超1000人以下の企業にも公表が義務付けられます。こうした政府の働きかけもあり、以前に比べてだいぶ、育休を取りやすい空気にはなってきているようです。

一方で、「周りへの申し訳なさ」が9.5%、「前例がない/取ってはいけない雰囲気がある」が6.5%と、まだまだ男性が育休を取りづらい環境があることも事実です。

「特にない」以外では、「人手不足」と「収入減少」が僅差で約2割。特に収入減少は、生活に直結する問題で、不安に思う人も多いのもうなずけます。ただし、雇用保険に入っていれば完全に無収入になるわけではありません。最初の半年間は給料の67%の育休手当が出ること、社会保険料が免除されることなどを踏まえると、実際はそれまでの収入の、8割ほどの手取りを確保できると言われています。

育休手当が支給されるまでには数カ月のブランクがあるため、ある程度の貯金は必須です。また、子どもが小さい頃の数年は、夫婦のどちらかが、保育園のお迎え時間に間に合わせるために時短勤務を利用する、家事育児のために残業ができなくなるなど、育休後も、収入減少が続くケースも見据えて動いていく必要があります。

それでも、お金に対する不安は事前に準備しておくことで解消できます。「実際にどのくらい減るのか」を早めに掴んでおくことで、「8割入るなら、まあ大丈夫」「育休を取るために、このくらい貯金しておこう」など、計画的に備えていける部分もあるかもしれません。

育休取得には日頃のコミュニケーションが重要

続いて、これらのハードルを踏まえて、男性が育休を取得しやすくするためには、どのようなアクションが効果的なのでしょうか。上位の回答に入った項目を見ていきましょう。

まずは、「上司や同僚と相談しやすい人間関係を構築しておく」「日頃から成果を出しておく」が27.5%で同率1位でした。これはつまるところ、「休みを取りたいんですが」と言い出す時の「気まずさ」を、いかに緩和しておくか、という話です。

また、「自分が不在でも、周りに仕事を任せられる体制を作っておく」という回答もありました。具体的には、メールのCCに部署の共有アドレスをいれておく、何かあった時に代わりに対応できるピンチヒッターをたてておく、一業務二人担当制にしておく、などが対策にあたります。

これは、育児にかかわらず、事業のリスクヘッジとしてあらゆる仕事で、他者と働くあらゆるビジネスパーソンにとって大事なことです。風邪や病気や事故で急に勤務できなくなってしまったり、ご両親やパートナーに何かあって駆けつけなければならなかったりと、誰でもあり得ることだからです。

育休に限らず、普段から「自分がいなければまわらない」というようにしてはいけない、と徹底されている職場や、休暇を取りやすくするために意識しているという人も少なくありません。

ほかに、男性育休を取りやすくするコツとして「男性育休の必要性を、普段から匂わせておく」という回答もありました。男性育休が広まってきたとはいえ、「なぜ男性に育休が必要なのか」が知られていない一面もあるからでしょう。

子どもが生まれた直後、産後の女性の身体は全治2カ月の重傷と例えられるほどダメージを負っており、動くのもしんどく、自身の生活さえ危ぶまれる人もいるとのこと。そんななかで、新生児のおむつを変えたり、ミルクをあげたり、一瞬も目が離せない状態でのケアを行っていくというのは極めて困難です。夫が育休を取った女性の声のなかには「夫が育休を取ってくれてようやく、まともな睡眠時間が確保できた」なんてものも。父親として助けたいと思うのも当然でしょう。

しかし、職場でこのような家庭の話題は挙がりにくく、子どもがいない、育児経験者も周りにいない、あるいは、まだ夫婦で子育てという空気ではない時代に子育てをしてきた世代の方が多い環境に身を置いていたりすると、触れる機会があまりないかもしれません。

つまり「男性育休の必要性を、普段から匂わせておく」とは、普段から、男性も育休が必要だとそれとなく伝えておき、いざ取得する時に、理解を得られやすくしておく、という対策です。自分から周囲を少しずつ変えていく工夫も、時には必要だということでしょう。

▼【体験談】1年間のパパ育休取得をどう実現したのか
https://meetscareer.tenshoku.mynavi.jp/entry/2022/07/19/202816( https://meetscareer.tenshoku.mynavi.jp/entry/2022/07/19/202816 )

育休制度の有無はもちろん、実績を確認すること!

ほかにも男性育休を取得しやすくするコツとして、「育休の前例がある部署、育休を取りやすい職種に、在籍しておく」「会社選びの段階で、育児にかかわる制度を見ておく」という回答がありました。

近年、企業は人手不足ということもあり、働き手に選ばれるために「働きやすい環境」や「福利厚生」などの整備を、積極的に行っています。また、ライフステージの変化を見据えて、就活の頃からワーク・ライフバランスがとれそうな会社や、制度が整っている会社を選ぶという意識は、女性、男性ともに増えてきています。

ただし、実際に確認すべきは制度の有無だけではなく、男性育休の実際の取得率、先輩社員の育休の取得日数や、仕事と家庭の両立の仕方などの実績です。制度があるけれど使える空気ではない、というケースはよくあるので、実態を確認することが重要なのです。

また、育休に関する制度だけでなく「在宅勤務」「時差出勤や、フレックス制度」「有給の取りやすさ」などにも注目しましょう。これらは、保育園のお迎え、子どもの発熱で保育園に預けられなくなった時の対応、小学校にあがってからの遅い登校時間、早い下校時間、夏休み一人きり問題など、数年間、子どもにあわせて生活していくことを考えると、対応しやすさが、ぐんと変わる制度でもあります。

これらの会社選びや仕事選びは、いざ、制度を使いたいと思ってから動き出すのだと希望に合う仕事が見つからなかったり、入社後一年経たないと制度が使えない、などの条件があったりするケースもありますので、もし、「いつか」を考えているなら、早めに環境を整えておくと安心かもしれません。

まとめ

自身にとっての、子どもにとっての、パートナーの方にとっての「いい父親像」というのは、本当に人それぞれだと思います。

その状況になってみないと分からないからこそ、さまざまな選択肢を取りやすいようにしておく、というのも1つの方法です。パートナーと話をしたり、先輩パパがどういうことを感じて、どういうアプローチをしているのかを情報収集したりなど、理想の人生を叶えるために、仕事や職場選びを考えてみてはいかがでしょうか。

【出典】
※1令和4年度雇用均等基本調査(厚生労働省)( https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r04/03.pdf )
※2育休に対する男女の意識差と実態調査 2024年版(マイナビ転職調べ)( https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/18/ )

文:マイナビ転職編集部

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