妙高市初の町内会長2人体制 妙高市中央町
みなさんの町内ではどんな人が町内会長を務めていますか? 妙高市中央町では高齢化や世帯数の減少で担い手が不足するなか、今年の春に2人の女性が手を挙げ、お互いに助け合いながら取り組むことになりました。妙高市で2人体制は初めてで、お茶のみなどの行事を新しく企画して住民が集うきっかけを作っています。
(左)太田直子さん (右)神田啓子さん
今年4月、妙高市中央町の町内会長になった神田啓子さん69歳と太田直子さん66歳です。中央町には57世帯147人が暮らしていて、7つの組に分かれています。町内会長は、この組の中から2年ごとに順番で選んでいます。しかし、高齢化や世帯数の減少などで、なり手を探すのは毎回苦労しているといいます。そうしたなか手を挙げたのが、同じ組に住む神田さんと太田さんの2人でした。
太田直子さん
「町内会長は誰かがやらなければいけない状況で、各世帯にできない事情があった。ギリギリの判断で、2人ならなんとかできるかなと」
神田啓子さん
「町内会長会議など仕事がたくさんあることが、なってから分かった。忘れていることがあっても互いに補い合え、精神的な支えにもなる」
妙高市によりますと、2人体制で町内会長を務めるのは市内で初めてだということです。また、女性が務めるのは平成8年以来、28年ぶりです。
2人はさっそく、町内の人たちの声を生かした行事を新しく企画しました。お茶会や体操教室などです。
参加した1人、中央町の民生委員 青柳しよ子さんは「お茶会は私が提案したもの。高齢者が集まれる場所があればいいなと以前から思っていた。(実現して)うれしい」と話していました。
ときには人生の終わりについて考える「終活」の講座も開き、好評だったということです。
こうした行事には毎回10人ほどが参加しています。中には初めて町内行事に参加する人もいて、新しいつながりが生まれるきっかけになっています。
町内の人
「去年は会館に年2~3回来るくらいだったが、今は毎月来ている」
「高齢化が進んでいるなか、健康づくりや楽しい話ができる場所ができて生活に張りが出た。女性ならではの心配りに感謝」
「町内会長はなかなか大変。1人では大変なことが多いが、2人で分け合ってスムーズにできているのではないか」
太田直子さん
「大変なこともあるが、こうやって町は動いていると分かり、とてもプラスになっている。なり手不足はどの町内でも課題だと思うが、女性もたくさん出てきてほしい。神田さんの方が活動的なのでいろいろな案を出してもらいながら、一緒に頑張りたい」
神田啓子さん
「町内会長でなくても、役員などに少しでも女性が入れば話しやすさも変わる。みんなで協力して助け合える町内会になりたい」
中央町の町内会長の任期は2年間です。「2人で補い合いながら、意見を出し合える明るい町内を作っていきたい」と話す、神田さんと太田さん。公民館には住民の笑顔があふれていました。