無念の欠場・前田穂南の分まで…日本女子20年ぶりメダル目指しパリ五輪女子マラソン今日号砲
男子マラソンは赤崎暁が6位入賞
パリオリンピック陸上の男子マラソンが10日行われ、日本の赤崎暁が2時間7分32秒で6位に入賞した。日本選手の入賞は前回東京大会6位の大迫傑に続いて2大会連続。大迫は2時間9分25秒で13位、小山直城は2時間10分33秒で23位だった。
赤崎は25キロ地点をトップで通過するなど見せ場を作り、アップダウンの激しいコースで自己ベストを1分29秒も更新。会心の笑顔でガッツポーズを作りながらゴールした。
優勝はエチオピアのタミラト・トラで2時間6分26秒のオリンピック新記録。3連覇を目指したケニアのエリウド・キプチョゲは途中棄権した。
前田穂南は疲労骨折で欠場
そしてパリオリンピック最終日の11日に行われるのが女子マラソンだ。
日本からはMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)1位の鈴木優花、同2位の一山麻緒が出場するが、今年1月の大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒の日本新記録をマークした前田穂南は右大腿骨を疲労骨折したため、前日10日に欠場が発表された。
MGC3位だった細田あいが補欠登録されていたが、選手交代の期限が過ぎて解除されていたため入れ替えはなし。パリオリンピックは鈴木優花と一山麻緒の2人で臨むことになった。
待ちに待った本番を前に、誰よりも本人が一番悔しいだろう。出場する2人には前田の無念を晴らす力走が期待される。
過酷なコースでアフリカ勢に対抗できるか
とはいえ、日本選手がメダルを獲得したのは2004年アテネ大会で優勝した野口みずきが最後。1992年バルセロナ、1996年アトランタで2大会連続メダルを獲得した有森裕子や2000年シドニー大会で優勝した高橋尚子、アテネ大会の野口みずきが活躍した頃に比べると、近年は世界との差が開いている。
しかも、今回は最大高低差156メートルという起伏の激しい過酷なコース。ベルサイユ宮殿やルーヴル美術館、コンコルド広場などパリの名所を巡るが、ランナーにとっては景色を楽しむ余裕もないだろう。
優勝候補は2時間11分53秒の世界記録保持者ティギスト・アセファ(27=エチオピア)、前回東京大会の覇者で今年4月のロンドンマラソンで女子単独レースとしては世界新記録となる2時間16分16秒で優勝したペレス・ジェプチルチル(30=ケニア)らアフリカ勢。男子も女子も世界のマラソンを引っ張っているのはアフリカ勢だ。
しかし、一山麻緒は前回の東京大会で日本選手17年ぶりとなる8位入賞。2大会連続出場となる今回、オリンピックの大舞台を一度経験しているのは大きな強みだ。
2021年12月に結婚した男子マラソン日本記録保持者の鈴木健吾はパリには出場していない。出場を逃した夫のためにも、前田のためにも、という高いモチベーションは時として爆発的な力を発揮する可能性を秘める。
日本のメダルラッシュに沸いたパリオリンピック。そのフィナーレを飾るにふさわしい激走はあるか。注目のスタートは日本時間15時だ。
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記事:SPAIA編集部