野菜のプロがすすめる旬の絶品レシピ「赤ピーマンときくらげの卵炒め」
ゲストは、フルーツと野菜のスペシャリスト・元東京青果の加藤宏一さん!
今回のテーマは、いま注目してほしい野菜ときのこ!
唐辛子の仲間だから、赤いのが本当!カラーピーマン!
通常の緑のピーマンは未熟な果実であり、本来的には完熟すると真っ赤になります。
元々は唐辛子の一族ですから、赤くなるのが普通なんです。パプリカもピーマンではありますが、
肉厚で一個が100gを超えるものを『ジャンボピーマン』とも呼ぶことがあります。
実は緑のピーマンは未熟なものを収穫したもの。同じピーマンでも、長く木につけておくと赤く変化するのです。
加藤さんによると「長く木につけておきますので、栄養価が非常に高まる」とのこと。赤ピーマンは緑のピーマンよりも甘みが増し、栄養価も高くなります。カラーピーマンは通常のピーマンを20日以上、場合によっては70日ほど木に長くつけて育てるため、木に負担がかかり生産量は少なくなります。その分、栄養価と味わいは格別です。
首都圏のお店ではこの赤ピーマンは、お店で売っていることは確かですが、ピーマンに比べますと目立ちません。
パプリカは定番で確実に売られているのですが。
パプリカは、オランダから種も生産設備も輸入して、大メーカーの子会社が野菜工場で栽培するといったケースも見られます。そうでなければ、韓国からの輸入した物も多く出回っています。(韓国ではオランダから生産設備を輸入した物です)カラーピーマンは、農家が通常どおりに栽培して、通常のものより20日位長く木に成らせておけば赤くなるんですけど、仮に冬の時期に完全に赤くなるには70日とかそれ以上ですから、一つの株に成らせるにも木に負担をかけます。市場では高く買いあげることが条件です。本当はカラーピーマンは栽培が難しいです
Q:向いている調理方法は?
ピーマンやパプリカに含まれるビタミンは、熱によって壊されにくい特徴があります。
ビタミンCが豊富で、炒めるなど加熱調理をしてもビタミンが損なわれることが少ない野菜です。火を通す炒め物などにも最適です。
4つで400円程度(一般的なピーマンの約2倍)
赤ピーマンの色素は加熱しても飛ばないので、中華料理などの加熱調理に最適です。
いまが旬!ビタミンDたっぷりのきくらげ!
きくらげは、きのこで、ナラ、ブナ、カエデなどの木に生えます。コリコリとした食感がクラゲに似ているため、木に生えるクラゲと名付けられました。漢字だと「木耳」。形が「耳」に似ていたため、木に生える耳で「木耳」と書くようになりました。
9月はきのこシーズンの始まりで、様々なきのこが野菜コーナーに登場します。
きくらげの旬は6~9月頃で、栽培のものは通年出回っています。
なかでも、最近入荷が伸びているのがきくらげです。
木くらげは最近ビタミンDの含有量がきのこ類の中でもダントツに高く、注目を集めるようになっています。
きくらげは、最近ようやく近くの店で見られるようになっています。
直販の宅配システムでは、美味しい野菜として早くから提案されていました。市場で入荷が伸びてきたのは最近のことです。
Q:キクラゲは栽培は難しいんですか?
市場に出荷してくるきのこはほぼ建物の中で栽培される装置産業であって、空調をガンガン効かせないと、栽培できないタイプもあります。
・きのこの種の会社が植菌した培地ごと販売して、様々な会社が栽培を担当し、販売については市場出荷や、近くの道の駅でといった展開があると思います。
・その点ではシステマティックで、現代的であると思います。
・このきのこの種苗会社によると、本来亜熱帯に適するきのこであるということで、温暖化に適した野菜であると思います。
価格の目安:50gで130円程度
調理のポイント:
独特の歯ごたえが魅力。乾燥したものを戻して使うより、生のきくらげの方が食感が良いそうです。
この2つの食材を使った絶品レシピは・・・
赤ピーマンときくらげの卵炒め
卵との相性が良いということで、スクランブルエッグにしたものに、とさきほどのカラーピーマン加えて軽く炒めてみました。このゼラチン質の食感が癖になって、様々な炒め物に入れたくなります。
2人分の材料です。
・赤ピーマン 大ぶりものを1個半。小さめなら3個。
・きくらげ 3枚
・卵 3個
・ウェイパー 大さじ2分の1
・塩 こしょう 適量
作り方です。
・卵を溶いて、油をしいたフライパンに流し入れ、スクランブルエッグを作り、一度取り出します。
・赤ピーマンを1センチ幅、きくらげをざく切りして、同じフライパンで炒めます。
・火が通ったら、玉子を戻します。
・水にウェイパーを溶かし、かけ入れ、塩こしょうを入れ、さらに混ぜ合わて完成。
スー・小笠原「ビールがほしくなる」「きくらげオンリーでも食べたいぐらい」「キクラゲの何とも言えないぷにぷに感の食感」
赤ピーマンもきくらげも、実はスーパーに行けば手に入る身近な食材。特に今の時期はキノココーナーが充実している時期です。赤ピーマンの甘みときくらげの独特の食感が楽しめるこの一品を、ぜひ今晩の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。きくらげはビタミンDがキノコの中では「断トツ」と加藤さんが太鼓判を押す栄養価の高さ。季節の今だからこそ、生のきくらげを使った料理を楽しんでみましょう!
【加藤宏一】
■青森県青森市出身。
■長年、国内最大の青果卸売会社「東京青果株式会社」の営業管理部で活躍。
■退職された現在も、大田市場荏原えばら支所のアドバイザーや千葉県立農業大学校の講師を務めるなど、さまざまなメディアで野菜や果物のお役立ち情報を発信されています。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)