新たに発掘されたモーツァルトの未公開作品「ガンツ・クライネ・ナハトムジーク」(とても小さな夜の歌)の世界初録音がリリース
「フィガロの結婚」や「トルコ行進曲」など数多くの名曲を生んだ、古典派音楽を代表する偉大な作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。2024年9月に発表された、モーツァルトが作曲したとみられる未公開の楽曲「レナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》」(訳:とても小さな夜の歌)の世界初録音がドイツ・グラモフォンより3つのデジタル・アルバムとしてリリースされた。すでに配信中の室内楽版2種類に加え、本日10月18日(金)よりヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による、オーケストラ版のデジタル配信がスタートした。
2024年9月19日に発表された作品「セレナード ハ長調 K 648《ガンツ・クライネ・ナハトムジーク》」は、モーツァルトに関する資料を収集している研究機関「国際モーツァルテウム財団」のウルリッヒ・ライジンガー博士により発見された未公開作品。モーツァルトが10代前半の頃に作曲したと思われる7つの小楽章からなる作品で、ドイツ=ライプツィヒ市立音楽図書館のカール・フェルディナント・ベッカー・コレクションから発見された。
ドイツ・グラモフォンからは、この新作の3種類の世界初録音がリリースされた。本日リリースとなったオーケストラ版は、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と同楽団の元音楽監督で名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットによるもの。ゲヴァントハウス管弦楽団はこの作品が一般に発表され話題を集めた直後に、すでに予定されていた録音セッションの一部を急遽この作品の録音に充てたのだという。
この録音についてブロムシュテットは次のようにコメントしている。
「97歳にして、モーツァルトの初期作品の世界初録音を手掛けられたのは思いがけない贈り物のようでした。この作品を録音するうえでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が最もふさわしい共演者であったのは、私はこのオーケストラと長い歴史と親密なパートナーシップを築いてきたことと、モーツァルトの楽譜がライプツィヒで発見されたからであります。ヴァイオリンと通奏低音による室内楽的な編成ではなく、弦楽合奏とシンフォニックに演奏することは、少し考えなければなりませんでしたが、最終的には非常に説得力のある演奏になったかと思います。結局のところ、私たちは、同じく交響曲としての地位を確立した“姉妹”セレナード《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》の伝統を踏襲することになります。これから数多くの解釈が生まれるであろう作品の、最初のきっかけとなる録音を提供できたことを嬉しく思っています」
さらに、発見された楽譜に最も忠実とされている2つの室内楽版の録音もデジタル配信中。1つ目はヴァイオリン2本、チェロとチェンバロによる初のライヴ録音で、ヴァイオリンにはオーストリアを拠点に活躍する若手日本人ヴァイオリニスト、篠山春菜が担当。2つ目はヴァイオリン2本、コントラバスとチェンバロによる、「国際モーツァルテウム財団」のウィーン・ホールで録音されたもの。この演奏映像はドイツ・グラモフォンの音楽・映像配信サービス「ステージプラス」にて配信されている 。