日本球界屈指の「ローボールヒッター」は誰だ?12球団低め打率ランキング
投手の基本は「外角低め」
野球界で投手の基本は「外角低め」に投げ込むことと言われる。打者から距離が遠いほど打つのが難しいからだ。しかし、中にはその低めを得意とする「ローボールヒッター」と呼ばれる打者もいる。
そこで12球団の低め打率の高い選手を調べてみた。TOP10は下の通りとなっている。
田宮裕涼、近藤健介、秋山翔吾がTOP3
6月11日現在の規定打席到達者で1位に輝いたのは「変化球打ち名人」ランキングでも1位だった田宮裕涼(日本ハム)。パ・リーグ2位の打率.340をマークしている強打と「ゆあビーム」と呼ばれる強肩で今季ブレイク中の24歳だ。
低め打率はなんと.360。高めの.273と比べても低めに強いことがよく分かる。オールスターファン投票のパ・リーグ捕手部門では、森友哉(オリックス)や甲斐拓也(ソフトバンク)らの実力者を大きく上回る65万票以上を集めており、人気、実力とも急上昇している。
2位はパ・リーグ首位打者を快走する近藤健介(ソフトバンク)。昨季は本塁打王、打点王、最高出塁率に輝き、打率もパ・リーグ2位の.303をマークした強打者だ。低め打率.340と高いが、高め打率は.364とさらに高い。ローボールヒッターというより、苦手コースのないハイレベルな万能型という方が正確だろう。
3位はシーズン216安打のNPB最多記録を持つ秋山翔吾(広島)。低め打率.322とハイアベレージをマークしているのに対し、高め打率は.170と極端な数字が出ている。
紅林弘太郎、松本剛ら右打者もランクイン
4位は今季、1番打者として活躍している丸佳浩(巨人)。低め打率.304、高め打率.310と高い数字を残している。昨季まで11年連続2桁本塁打を放つなどポイントゲッターとして活躍してきたが、プロ17年目はここまで打率.296、4本塁打と、チャンスメーカーとして躍動している。
5位は立命館大から入団して6年目の辰己涼介(楽天)。低め打率.304、高め打率.318と高打率だが、真ん中ベルトライン付近の打率が低く、シーズン通算では打率.279にとどまっている。交流戦好調の楽天をさらに引き上げる活躍が期待される。
ここまで全員が左打ちだが、6位には右打ちの紅林弘太郎(オリックス)が入った。低め打率.300に対し、高め打率は.208とローボールヒッターの傾向が出ている。裏を返せば、高めに対応できれば初の3割も見えてきそうだ。
7位は「流し打ち名人」ランキング1位だった松本剛(日本ハム)。低め打率.298、高め打率.269と比較的万遍なく打っており、2022年に首位打者を獲得した打撃技術が立証されている。
森下翔太は低めゾーンを3本塁打
8位は今季、4番としても起用されている小園海斗(広島)。低め打率.293、高め打率.321とともに高い数値を残しており、得点圏打率.382の勝負強さを支えている。
小園と並んで森下翔太(阪神)が8位タイに入った。中央大から入団2年目の右打ちのスラッガー。低め打率.293に対し、高め打率は.131と低めに強い。今季の6本塁打中3本は低めを放り込んでおり、さらにパワーを活かすには高めへの対応がカギと言えそうだ。
10位は鈴木大地(楽天)。低め打率.290、高め打率.250となっている。6月4日の阪神戦で通算1500安打を達成するなど、持ち前のバットコントロールは健在だ。
低めを得意とする打者はそう多くない。ちなみに規定打席到達者で低め打率ワーストは大山悠輔(阪神)の.052。ほかにもオスナ(ヤクルト)や山川穂高(ソフトバンク)、村上宗隆(ヤクルト)ら長距離砲ほど低め打率は低い傾向がある。ローボールヒッターはそれだけで「巧打者の証」と言っても過言ではないだろう。
※成績は6月11日終了時点
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記事:SPAIA編集部