『サンダーボルツ*』タスクマスター、なぜ予告編で影が薄いのか ─ 別行動説、早期退場説、予告編加工説
(MCU)の“悪党集結”映画として期待が高まっている『サンダーボルツ*』。バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー率いるチームのメンバーには、エレーナやレッド・ガーディアン、USエージェント、ゴースト、そして新キャラクターのボブといった面々が集まった。
しかし、先日公開された予告編でなぜか影の薄いキャラクターがいる。コミックでも高い人気を誇る暗殺者タスクマスターだ。MCUへの初登場を飾った『ブラック・ウィドウ』(2021)では、高い戦闘スキルとスーパーヒーローの能力をコピーする能力をもって、ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフらの前に立ちはだかった。
予告編での登場はわずか数カットのみで、ポスタービジュアルには存在しているものの、象徴的なエレベーターのショットにも映っていない。直後のアベンジャーズ・タワーの集合ショットには登場しているが、直前のショットにはその姿が見えない(レッド・ガーディアンもだが……)という不可思議な立ち位置だ。
(L-R): Alexei Shostakov/Red Guardian (David Harbour), Ghost (Hannah John-Kamen), Bucky Barnes (Sebastian Stan), Yelena Belova (Florence Pugh), and John Walker (Wyatt Russell) in Marvel Studios' THUNDERBOLTS*. Photo courtesy of Marvel Studios. © 2024 MARVEL.
いくつかの仮説を立てることができる。アベンジャーズ・タワーでの集合ショットにMCU作品の予告編でしばしば行われる加工が施されている、すなわちこの場面にタスクマスターが登場していないという説。サンダーボルツ*のまとめ役となるヴァレンティーナとタスクマスターに別のつながりがあり、異なる形でチームに合流する、あるいはチームとは別行動を取るという説。
あるいはプロットの核心部に登場するがゆえ、現時点でその出番をあまり紹介できないという説。もしくは、物語の序盤で早々に退場してしまうという説だ(類似のコンセプトを持つDCコミックスのヴィラン映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を思い出してほしい)。
しかし、『ブラック・ウィドウ』でヴィランのドレイコフと深いつながりのある存在として描かれ、充実したバックストーリーのあるタスクマスターを、MCUがこんなタイミングで使い捨てるようなことがあるだろうか? 演じているのも、『007 慰めの報酬』(2008)をはじめ数々の映画で知られるウクライナ・フランスの女優オルガ・キュリレンコ。また、スカーレット・ヨハンソンがエグゼクティブ・プロデューサーとしてことから、『ブラック・ウィドウ』チームが劇中で重要なポジションを担うのではないかとも推測されている。
できればタスクマスターにこれ以上悲しい展開が待っていることは考えたくないが、それでも何が起こるのかわからないのがMCUである。今後公開される予告編やプロモーション映像で、さらなる活躍が見られることを祈りたい。
映画『サンダーボルツ*』は2025年GW劇場公開。