「寝つきが悪い」は思い込み!眠れない時の本人の体感と実際の長さのズレとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話】
寝つきが悪い人は眠れない時間を長いと思いこみがち
眠りにつくまでの時間を、入眠潜時と呼びます。人はどのくらい眠れないと、寝つきが悪いと感じるのでしょうか。
若ければ1〜2分でストンと眠りに落ちる人もいますが、年齢が上がるにつれて、もう少し時間がかかるようになります。5〜15分程度が、自然な入眠潜時といわれています。
平日の睡眠不足を、「休日に寝だめして解消する」という人がいますが、これは、たまりたまった負債のほんの一部を返済しているにすぎません。つまり、自覚はなくても睡眠負債を抱えて生活していたと考えられるのです。
明かりを消して10分以上眠れないと「寝つきが悪い」と感じはじめ、30分もつづくと「眠れない」といら立ちはじめます。眠れないときに「眠れない」と意識しすぎると、それがかえってストレスになり、ますます眠れなくなってしまいます。いちばんの対処法は、無理に眠ろうとしないことかもしれません。
また、眠れないと感じている時間は、本人の体感と実際の長さにずれがあるといわれます。とくに、寝つきが悪いと悩んでいる人は、入眠までの時間を実際より長くとらえがちです。
スタンフォード大学が行なった調査で、若くて健康な10人と、寝つきが悪いと自覚している55歳以上の20人を集めて、それぞれの入眠潜時を測ったところ、前者は平均7〜9分、後者は平均7分程度と、むしろ中高年の人たちのほうが短い結果でした。眠れないと感じている人も、実際には、思いのほか早くに眠っているケースは多いのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』 監修:西野精治