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思い返すと……職場のあの一言、あれはセクハラだった? 男女の認識に大きなズレ 民間調査

月刊総務オンライン

思い返すと……職場のあの一言、あれはセクハラだった? 男女の認識に大きなズレ 民間調査

ダイヤモンド・コンサルティングオフィス(神奈川県横浜市)は12月27日、職場で「自分の言動行為は、セクハラだったかもしれない」と思い当たった経験のある男女1000人(男性:500人、女性:500人)を対象に、セクハラ認識のズレに関する調査結果を公表した。

自分の言動は「セクハラだったかもしれない」 性別や年代で大きなズレ

まず、自身の職場での言動が「あとになって『セクハラだったかもしれない』と思った理由」を聞いた。

一番多かった答えは、「時間が経って冷静に考えられるようになった」(全体:33.8%、男女別:女性が6.8ポイント高い)だった。次に多かったのは「若い人の意識と自分の感覚にズレがあると感じた」(全体:27.7%、男女別:男性のほうが10.6ポイント高い)で、この回答は特に大きな男女差が見られた。3位は「ハラスメント研修を受けて気づいた」(全体:25.2%、男女別:男性が5.6ポイント高い)だった。

以下の理由は男女差に大差はなく、「SNSやニュースで似たような事例を見た」(24.9%)、「職場の人から指摘された」(16.4%)、「相手が誰かに相談していたことを知った」(12.1%)、「相手の態度が変化した」(10.2%)と続く。

あとから「セクハラだったかも」と気付いた具体例(自由回答)には、以下のような事例が挙げられた。

 ・後輩女性にお尻を触られ、同じことを返したらセクハラだといわれた

 ・単純に自分が受けてきた指導を今の後輩に行うと事案になると気付いた

 ・研修でハラスメントの例として紹介された

 ・退職する子に「頑張ってね」と肩を軽くたたいたが、ボディタッチになるとあとで気付いた

 ・社内で、あとで陰口をたたかれていると知ったこと

職場でセクハラ 誰に対して、どんなとき

セクハラだったかもしれない言動をしてしまった相手は「同僚」が最多で、全体で37.2%(男性:39.2%、女性:35.2%)。2位は「部下」で、全体では27.9%だったが、男性は女性よりも18.2ポイント高かった。次いで「後輩」も全体で24.6%で、男性のほうが11.6ポイント高い。

なぜそのような言動をしてしまったのかを聞いたところ、最も多かった答えは「相手が不快に思っている様子が見受けられなかった」で全体では28.7%だったが、男女別では男性が36.4%、女性が21.0%で男性のほうが15.4ポイント高く、男女で認識の差が特に大きかった。

上位を占めた理由は、「過去の経験から『これくらいなら問題ない』と思った」(20.3%)、「その場の雰囲気から誤った判断をした」(17.8%)で、いずれも男性のほうが7ポイント程度高いことがわかった。

相手が嫌がっていると感じたサインは、「視線を合わせないようになった、またはにらまれた」(22.4%)、「その場から離れようとしたり、物理的な距離を取るようになった」(20.6%)、「『忙しい』『予定がある』など、その場をやり過ごす返答をされた」(20.3%)で、男女差は大きくなかった。

逆に、「相手が自分に対して好意を持っている」と捉えてしまった理由は、「笑顔で挨拶をしてくれたから」(男性:46.7%、女性:29.4%)が17.3ポイント男性が高いことが明らかとなった。ほかにも、「自分の冗談に笑ってくれたから」(男性:43.3%、女性:35.3%)など。3位の「仕事中によく目が合ったから」(男性:41.7%、女性:26.5%)は、男性の方が15.2ポイント高く、好意として捉えていた。

今後、同様の事態を防ぐための対策については、「プライベートな接点を持たない」(30.4%)、「性別に関係なく、適切な距離感を保つ」(30.4%)、「業務上の関係性を超えない」(29.8%)などが上位を占めた。その他は以下のような答えが挙げられた。

 ・表情や態度の変化に注意を払う

 ・私生活に関する質問を控える

 ・曖昧な返事は断りとして受け止める

 ・2人きりの状況を作らない

 ・SNSでの接触を控える

同社では、業務上の関係性や個人の認識のズレが原因でセクハラに該当する言動が引き起こされているとし、特に男女間で「セクハラ」に対する認識のギャップがあることについて指摘する。「笑顔で挨拶をする」など「業務上の良好な関係」を築くための言動を、「自分に好意を持っているのかも」と誤認するケースなど、特に男性にその傾向が強い。「セクハラ」への正しい認識を持ちつつ、本来のコミュニケーションが損なわれないよう、認識のギャップを埋めていく教育が必要だとした。

女性活躍に向け、政府もセクハラ対策を強化

厚生労働省は、2024年2月から8月までに11回の検討会を行い、女性特有の健康課題やセクハラ対策の強化に向け議論を進めた。2024年8月8日に「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」の報告書を取りまとめ、課題の一つである職場におけるハラスメント対策についても整理した。

同省が実施した2023年度実態調査のデータによると、2020年度から2022年度に大学、大学院、短大や専門学校を卒業した学生のうち、インターンシップ中や就職活動中にセクハラを経験した人がそれぞれ3割を超えた。これを受け、報告書では、就職活動中の学生などは労働者ではないものの、インターンシップや就職活動中のセクハラ行為は、企業にとっては社会的信用を失い、損失を被る行為であるとし、就活などのセクハラは、職場における雇用管理の延長と捉え、雇用管理上で措置が講じられるべきとした。

この調査(「セクハラ認識のズレに関する実態調査」)はインターネット調査により、2024年12月4日から12日に実施された。同社は職場におけるハラスメント対策に関するコンサルティング・研修などを行っている。

調査結果の詳細は、ダイヤモンド・コンサルティングオフィスの公式発表で確認できる。

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