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MindaRynインタビュー、セカンドアルバム『Across Miles』に込めたMindaRynらしさとは?

SPICE

MindaRyn

タイからやって来たアニソンシンガーMindaRynが二枚目となるアルバム『Across Miles』を8月21日にリリースする。タイアップ楽曲8曲が収められたこのアルバムは、今現在のMindaRynのすべてが詰まっていると言っても過言ではない一枚になっている。リリース直前にMindaRyn本人に話を聞き、彼女がアルバムに込めた思いを聞いた。

――セカンドアルバム『Across Miles』が8月21日に発売されます。ファーストアルバムの『My Journey』から1年半くらい経ちましたが、この期間、プライベート含めてシンガーとしての変化ってありましたか?

シンガーとして沢山海外に行かせてもらってます。いろんなカルチャーを勉強させてもらって楽しいというか、人間として成長できたなと思います。

――MindaRynさんはタイ人ですが、日本でデビューして、今シンガーとして活躍して、そこからまた別の国に行くというのは面白いですね。印象的だった国はありますか?

一番印象的だったのはサウジアラビアですね。自分の国と日本のカルチャーを比べてみてもすっごい違うんですけど、サウジアラビアも驚きがありました。どっちがいいとか悪いとかじゃないんですけど、それぞれの理由があるから文化も違うっていうことが海外に行くことで理解できるようになった気がします。

――タイのシンガーが日本で歌うカルチャーの違いみたいなところってMindaRynの面白さだと思うんですが、それが別の国に行くと、新しい印象を受ける、って面白いですね。

そうですね。自分でも特別な経験をさせてもらってると感じています。

――では改めて『Across Miles』の話を聞かせて下さい。タイアップの数も多いですね。

はい、沢山やらせてもらってます! タイアップが8曲! 新曲は3曲になります。

――それぞれのタイアップ作品への思いがあると思いますが、改めて作品のタイアップソングを歌うって、MindaRynさんの中でどういうものですか?

前は「(タイアップの曲って)夢です」って答えていましたが、アニソンってアニメの楽曲なわけで、ひとつの作品には声優さんもそうだし、アニメーション制作には沢山の人が居て、色々な人たちが全力で頑張って作品を作ってると分かってきて。私は担当する“主題歌”というパートを一番いい形にできるようにするには、どうすればいいんだろう? って考えるようになりましたね。

――感覚が変わってきた?

もちろん歌えてハッピー! すごい嬉しい! という気持ちは今もいつもあるんですけど、それよりも…日本語忘れちゃった(笑)。えっと、嬉しいの気持ちよりレスポンシビリティを感じる。

――レスポンシビリティ、「責任」ですね。なるほど!

そう!責任を感じるようになりました、楽しいだけじゃないけど、それが正しいと思っています。

――新しい作品に出会うたびに発見もある?

発見? ディスカバリー! それはあります! いつもアニメタイアップ(の曲)を歌うときに、自分の中のピースも探して、歌詞とリンクしていることを考えて歌うから、毎回毎回新しいディスカバリーがあるし、歌うほど自分のことも分かるようになってると思います。

――タイアップ楽曲全部に思い入れはあると思うんですが、今回のアルバム収録のタイアップ8曲の中で一番思い出があるのはどの曲でしょう?

一番は「Miracle soup」ですね、これは仲間がテーマの曲なんですけど、もちろん『転スラ』のリムルと仲間たちからイメージした曲ですが、でも私にとってもMindaRynチームのスタッフさん、ファンの皆さんとの大変な思い出や、ハッピーな記憶、それが全部ミックスされていて。全部混ぜ合わさってMindaRynの「Miracle soup」になったと思っています。

――なるほど。では、せっかくなので初収録の曲3つに関してお話をしっかり聞いてみようかと思っています。まずは6曲目に収録された「searchlight」から。ご自身も思い入れがある曲とのことですが。

はい、最初にデモを聴かせてもらってイメージしたのは女の子。その女の子は暗いところに向かって、何かから逃げてるという感じだったんです。私の曲って、一緒に頑張ろう! っていう夢を追いかける曲が多かったんですけど、夢を追いかけるって全部ハッピーなわけじゃないと思うんです。

――確かに。そうだと思います。

悩みとか、迷っちゃう時も絶対あると思うので、そういう人も共感できる曲も作りたいなと思って、そのイメージを伝えて、最終的にこの形になりました。

――そういう迷いなどの気持ちの入った曲になってるんですね。

今までは「MindaRynはアニソンシンガーになれてとっても嬉しい!」っていう話を沢山してきたと思っているんです。でもここまでに悩みもあったし、自分がここに居る意味とかを忘れちゃう日もたまにあるんです。でも、それじゃいけない。そういう複雑な気持ちを込めて歌わせてもらいました。

――MindaRynは基本的にポジティブシンキングな人だと思ってますが、やっぱり楽しいだけじゃなく、悲しかったり辛かったりってこともあった。

もちろんあります。人間だから、悲しい時も迷っちゃう時もありますよ! アニソンシンガーになれた時に思ってた事と違うことだってもちろんあるし。でも夢を追いかけるのはそういうものだと思うから。私だけじゃなくて、みんな夢を持っていて、同じような悩みと向き合っていると思うので、乗り越えるしかないよねって。そういうMindaRynのハートみたいなものがこの曲には詰まっていると思っています。

――続いて「Remaining Story」。個人的にはMindaRynの曲の中で一番好きですね。「searchlight」と共に英語詩ですが、もしアニソンだとしたら「Remaining Story」の方がオープニング的ですよね。

そうかも。「searchlight」はエンディングって感じ(笑)。私もデモを聴いた時にすごく好きだなって思って。なんか自分の生きる道、やり方を信じて戦っている主人公の姿が浮かんだんです。死んでも自分の物語を残したい……みたいな気持ちを曲から感じられて。自分の中でリンクしている部分を探して歌いました。

――MindaRyn自身もタイから日本に来て、異文化の中である意味戦ってきてるわけじゃないですか。

戦ってるというか、サバイブしてる感じかな。

――その感覚はやはり今も強くある?

あります。でもタイにいたときも自分の好きなものは周りの人と結構違ったから……「ここは自分の場所じゃない」って感じる瞬間とかもありましたから。日本に引っ越したあとも、この国が大好きだけど、別の国で生まれて育ったから、考え方とかも結構違うって思うことは多くて。日本も100%自分の場所になった! とは言えないですね。だからこそ、自分の場所を探したいという気持ちはあります。そういう思いは曲に込めていますね。

MindaRyn 2ndAlbum『Across Miles』初回限定盤

――そして最後に入ってる「Void(Japanese Version)」。これはカバーなんですね。

はい、タイの人気楽曲「Sing Kaung」の日本語カバーになります。

――原曲はタイの女性ボーカル率いるバンドKLEARの楽曲で、2015年くらいの曲なんですね。YouTubeも3億回以上再生されていますが、タイではメジャーな楽曲なんですか?

そうですね。ボーカルのPatさんはハッピーな曲を歌っても切なく聴こえるって言われるくらい、声に特徴があって。この曲も比較的内容はハッピーなんですけど、でも聴いたらなんか切なく感じるんですよね。

――たしかに切ない感じですね。なんでこの曲をカバーしようと思ったんでしょう?

まずは私がこの曲が大好きなんです。タイでもとても人気だし、このアルバムにタイの楽曲を入れたかったというのもあって。

――そうだったんですね。

私はもともとYouTubeで、人気アニソンをカバーしてたじゃないですか。そこからチャンスを貰ってアニソンシンガーになれて。そして何曲かの人気アニソンを英語カバーしてきました。でも、今回のアルバムではちょっと違うことをやりたいなと思って。その中でタイの曲を日本人の皆さんに聴いてもらうのはどうかなって言うアイデアが出たんです。この曲の内容もちょっとMindaRynのストーリーとリンクしているし。

――色々繋がった。

はい、曲の内容は、捨てられた女の子が、誰かにまた愛されて、自分を取り戻すっていう話なんです。私は捨てられたわけじゃないですけど、誰かに助けられた事は沢山ありますし。それはMindaRynチームもそうだし、ファンのみんなもそう。この曲で感謝の気持ちを皆さんに伝えたいと思います。

――カバーしてみた感想はどうでしたか?

やっぱりこの曲は強いな!って思いました、日本語に翻訳したんだけど、でもたまに歌いながらタイ語になっちゃって(笑)。

――それは仕方ないですよね(笑)。

タイの楽曲の作り方と日本の楽曲の作り方が違う部分もあるので、難しい所もありましたけど、プロデューサーさんやアレンジャーさんともいろいろ相談して、この歌詞とメロディになりました。

――日本のファンにタイの曲の良さみたいなところは伝えられそうですか?

伝わったら嬉しいですね! 私はこの曲につまった思いは全部分かっているけど、日本語になったら同じことを伝えられているか、それは気になりますね。

MindaRyn 2ndAlbum『Across Miles』通常盤

――そんな盛りだくさんのアルバムですが、この一枚ってここまでのMindaRynのひとつの集大成だと思うんです。今のMindaRynが全部詰まってる。そんな今、MindaRynが感じる“MindaRynらしさ”って何だと思いますか?

この質問は難しいですね(笑)。MindaRynはすごい分かりやすくて、そんなに考えずに生きている人間というか……違いますね、自分のことは全部を歌で言っちゃってる感じかな。歌で全部思いを言えちゃう。マネージャーさんにはアーティストなんだから、もっと秘密とか、シークレットな部分があってもいいって言われるんですけど、私は隠せないタイプだから(笑)。

――逆に言うと、アルバムを聴いてファンが今回の感じたものが、そのままMindaRynなんだよっていう感じってことですよね。

うん、そうかもしれないですね。ハッピーも悲しいも悩みもある。迷っちゃう時もあるよ。私はそういう人間なんです。MindaRynがどんな人か知りたかったらこのアルバムを聴けば分かると思う、だから聴いてほしい!

――それは凄くシンプルでわかりやすいですね(笑)。そしていよいよ『Animelo Summer Live(以下アニサマ)』も迫ってきました。

わー!!!! そうです! 来ます!(笑)

――決まった瞬間どうでした?

いや、本当ですか? みたいな感じでした。「今日はお知らせがあるよ」とかでもなく、「あ、アニサマ出るよ」みたいな感じでサラッと言われたから! 目玉が出た(笑)。

――あははは(笑)。

「ん? すいません。何って言いました? アニサマってあの“アニサマ”ですか?」って(笑)。正直その時から今もずっと、すごい緊張しています。

――どういうステージにしましょうか?

アニサマってアニソン文化にとっても、オタクにとっても大切な場所だから、MindaRynっていう人間がこういうものだって、分かるようなステージにしたいと思います。

――ある意味タイという国を背負って出るという……。

言わないでよー! また、緊張しちゃう!(笑)

――でもMindaRynという爪痕なり何かを残してもらいたいとは思いますね。

なんか考えすぎちゃったらストレスになりそうで。ハッピーじゃない気持ちでステージに出ちゃうと、絶対みんなに伝わると思うんです。だからそういうことを考えずに、一番ハッピーでベストな自分を出せばいいと思っています。

――じゃあ最後に、アニサマ次の夢は?

次ですか…もう一回出たい!(笑)何度だって出続けたいですね。そのためには頑張らないといけないし、知ってもらわないといけない。そのためにはアルバムをみんなに沢山聴いてもらわなきゃいけないと思ってます。

――そうですよね! では最後に読者の皆さんにメッセージをもらえたらと思います。

まず、いつもSPICEさんありがとうございます。記事を通して読者の人とも会えると思っているし、逆にこのインタビューで初めてMindaRynを知った人もいるかも知れません。でもその全員と、私はもっともっと仲良くしたいし、みんなと友達になりたいです!MindaRynはすごい分かりやすい人間なので、これから友達になりましょう! 私の言いたいことは全部曲に詰まっているので、2ndアルバム『Across Miles』も、1stアルバムの『My Journey』も、ぜひ聴いてみてください! みんなと繋がれたら嬉しいです。お願いします!

取材・文:加東岳史

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