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介護施設で楽しむハロウィンイベント!企画や運営のポイントを紹介します!

ささえるラボ

介護施設で楽しむハロウィンイベント!企画や運営のポイントを紹介します!

執筆者/専門家

後藤 晴紀

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9

今回は、ハロウィンイベントの企画・運営方法についてご紹介します。特に、イベントを通じた地域交流や、ご利用者さんの自立支援の役割を意識しながら、私の施設での事例も交えてお届けできればと思います。

ハロウィンは多くの施設で取り入れられている季節のイベントとなっており、地域の保育園や小学校などと協力して開催する事業所も増えてきました。仮装した子どもたちがダンスや歌を披露してくれることで、ご利用者さんの表情も自然と笑顔になります。

私の施設では、少し視点を変えたハロウィン行事を開催しています。今回は、実際の経験をもとにイベントの企画から運営までを、皆さんの事業所の参考になるようにご紹介します。

高齢者が主役のハロウィン~魔女になって地域の子どもたちをおもてなし~

ハロウィンといえば、子どもたちが仮装して「トリック・オア・トリート!」と元気にお菓子をもらうイベントですが、ここでは「ご利用者さんが子どもたちを迎えて楽しませる側」になる、新しい形の【おもてなし】地域交流イベントとして開催してはいかがでしょうか。

具体的には、ご利用者さんがユニットやフロアで待機し、子どもたちが訪問する形です。「トリック・オア・トリート!」の掛け声とともに扉を開けると、そこには魔女の仮装をしたご利用者さんたちが…。

イベントそのものも楽しいですが、この企画の価値はそれだけではありません。イベント終了後には、子どもたちや先生方がご利用者の皆さんへ「楽しかった」「ありがとう」と直接声をかけてくれることで、子どもたちを楽しませることができたという達成感を得られるのではと期待しています。

ハロウィンイベントを行う意義

イベントを企画するうえで、まずはハロウィンイベントの意義や目的を考える必要があります。もちろん、様々あると思いますが、私は大きく分けると以下の3つであると思います。

1.役割の発揮
ご利用者さんも仮装して子どもたちを喜ばせることで、達成感や自己肯定感を実感していただきたい。また、社会の一員として強みを発揮できることを感じていただきたい。

2.地域との交流
近隣の保育園・幼稚園との連携によって、世代間のつながりが生まれる。

3.非日常の体験
衣装、装飾、子どもたちの笑顔が、ご利用者の感情を豊かに引き出し、日常の生活に彩りを加える。
このように、普段とは異なる空間で周囲と交流を持つことが、ご利用者さんにとって生きがいを感じ、活力が湧く機会へと繋がるのです。

【実例あり】ハロウィンイベントの概要

目的や意義の目線合わせができたら、概要を考えていきましょう。ここで決めておきたいのは、イベント名・参加者・実施会場です。私の施設での例をご紹介します。

・イベント名:ようこそ!本物の魔女が住むハロウィンハウスへ
・参加者:ご利用者さん(仮装同意者)、保育園児・幼稚園児と先生、職員
・会場:個室またはユニットスペース(安全かつ感染対策に配慮)

【実例あり】当日のタイムテーブル

イベントの概要が決まったら、タイムテーブルを決めていきましょう。幼稚園児や保育園児を呼ぶのであれば、午前中に実施するのがおすすめです。参加者に応じて時間帯を決めていくようにしましょう。

出典:https://mynavi-iryofukushi.jp/media

集合写真は、後日施設に飾っておくと、日頃のコミュニケーションにも繋がります。

企画を盛り上げる工夫4つ

次にイベントを盛り上げるための工夫を紹介します。

1.魔女の演技を楽しむ
2.子どもたちとの優しい交流
3.アレルギー対応
4.ご利用者さんの意思を尊重

1.魔女の演技を楽しむ

魔女になるという非現実的な世界を楽しんでもらうために、魔女のセリフなどを考えて、ご利用さんに演じてもらいましょう。

その際に「ふふふ…よく来たね」「お菓子がほしいの?どうしようかしら〜」など、簡単なセリフを用意することがポイントです。

2.子どもたちとの優しい交流

仮装に力を入れることも大切ですが、子どもを呼ぶ場合は、仮装や演出が怖すぎないように配慮し、優しく笑顔で対応するようにしましょう。

3.アレルギー対応

保育園の子どもたちは思いがけないアレルギーを持っていることがあります。事前に園側と情報共有し、アレルギーの子どもたちも食べられるお菓子等を用意し、代替案も準備しましょう。

4.ご利用者さんの意思を尊重

判断力が低下しているご利用者さんに対して、むやみに仮装を施すのは不適切です。

開催の実施については、ご家族にも協力していただきながら、ご本人の意思によって行われる必要があります。ここは十分に配慮と判断が必要です。

振り返りとイベントをケアに活かす

出典:https://mynavi-iryofukushi.jp/media

イベント終了後は、子どもたちの笑顔や「ありがとう」といった声かけが、ご利用者さんにとって達成感や自己肯定感につながったかを振り返る時間を設けましょう。記念写真や「ありがとうカード」は施設内に掲示したり、アルバムとしてまとめてご家族にも共有することで、イベントの余韻を長く楽しんでいただけます。

また、職員は参加されたご利用者さんの声や当日の様子を記録し、次年度以降の企画に活かすことで、より質の高い行事運営につなげることができます。

食品を扱う行事での安全対策

ハロウィンイベントでは、お菓子やかぼちゃを使った料理など、食べ物の提供を行う場合が多いと思います。その際に気をつけたいのが食中毒・感染症予防です。

10月に入り過ごしやすくなる時期ですが、気の緩みが感染拡大のリスクにつながることもあります。調理レクや料理の提供を含むイベントでは、毎回安全対策を講じる必要があります。

食中毒予防の基本5原則

食中毒予防の5原則を確認していきましょう。

1.清潔
2.分離
3.加熱
4.冷却・保存
5.再加熱
参照:政府広報オンライン食中毒予防の原則と6つのポイント

■1.清潔

手洗い・環境の衛生管理。調理者・職員の爪の長さ、マスク、帽子の着用を確認し、器具や作業台は事前に消毒済の状態で準備しましょう。

■2.分離

生ものと加熱済み食品はわけて管理するようにしましょう。器具やまな板を使い分けること、子ども用と職員・ご利用者さん用の食品も明確に管理しましょう。

■3.加熱

中心温度75℃・1分以上を徹底しましょう。温度計を使用し、完成後はすぐに冷却または配膳します。

■4.冷却・保存

冷蔵庫は常時10℃以下を保つようにしましょう。食品ごとにラップ&日付を記載し、密閉容器で保存します。

■5.再加熱

冷えたまま提供するのはNGです。提供直前に再加熱をし、基本的には取り置きせず、残ったものは破棄しましょう。

冷蔵庫内管理のポイント

冷蔵庫内の衛生管理においては、まずすべての食材や製品に消費期限や開封日を明記したラベルを貼付することが基本です。これにより、職員間での情報共有がスムーズになり、誤使用のリスクを防ぐことができます。期限が切れたものは必ず廃棄し、使用しないよう徹底しましょう。

また、食材の種類ごとに保存場所を明確に分けることも重要です。野菜・卵・調理済み食品・菓子などの区分をはっきりさせ、冷蔵庫内では上下段を使い分けて保存することで、交差汚染の防止につながります。

感染症対策と標準予防策

お菓子を配布する際には、職員・ご利用者さんともに必ず手指の消毒を行い、衛生管理を徹底しましょう。また、咳や発熱などの症状が見られるご利用者については、無理に参加させず、体調を最優先に配慮することが大切です。

来訪する子どもたちや保育士の方々にも、施設入口での検温と手指消毒をお願いし、感染症予防の意識を共有します。さらに、お菓子は個包装のものを使用するか、トングを使って配布するなど、直接手で触れない工夫を取り入れることで、より安心・安全なイベント運営が可能になります。

最後に:子どもたちを笑顔にすることで、ご利用者さんも活力が湧く

ハロウィン行事は、ご利用者さんの皆様が「子どもたちを楽しませる」体験を通して、社会の中での役割を発揮する貴重な場となります。「何のために、誰のために」を職員間でしっかり共有し、意味のあるイベントにしていただければと思います。

また、ご利用者さんの隣で尊厳と笑顔のある暮らしを支える、かっこよく優しい介護職員の姿を子どもたちにも知ってもらえる機会にもなります。同時に、食中毒や感染症のリスクにも最大限注意を払い、安心・安全のもとで心から楽しめる行事運営を心がけましょう。

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