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浜浦彩乃『HGL』インタビュー――"Happy-Go-Lucky"で何事にも前向きに乗り越えていこう!

encore

──シングル『HGL』で、待望のソロメジャーデビューを果たすことになりました。

「こぶしファクトリーの結成から10年、解散から丸5年になるのですが、まさか自分がソロデビューするとは思っていなかったです。でも、このタイミングでこうしてソロデビューさせていただくことはすごく嬉しいですし、ファンの方からも“歌っている浜浦が見たい”とよく言っていただいていたので、その声に応えられたことも嬉しいです」

──ソロデビューするとは思っていなかったんですね?

「そうですね。グループ解散後は女優業をメインに活動していたので、ソロでデビューして1人で歌うイメージがなかったです。でも、本当に縁あってこのタイミングでソロデビューが実現することになりました」

──こぶしファクトリー解散後、歌への向き合い方には変化がありましたか?

「グループで活動していた10代の頃は、ハロー!プロジェクトの楽曲にしか触れてこなかったので、“そもそもハロプロ以外の曲が自分には歌えるのかな?“という不安が、常に根本にはありました。グループ解散後、ミュージカルに出演させていただくようになって、以前よりいろんなタイプの楽曲に触れる機会が生まれて、”自分はこんな歌い方ができるんだ“という発見がありました。ミュージカルではいろんな発声方法も教えてもらったりして、新たな自分を見つけられたと思います」

──同じ歌でも、ミュージカルでの発声はやはり独特ですよね。

「違いますね。ミュージカルは自分が演じている人物の感情を乗せて、セリフのように歌うというか…。あと、最近は2.5次元の舞台にも出演させていただくんですけど、そこで原作がある役をやらせていただくときには原作のキャラクターに近い声質にするとか、どんな人物が歌う歌かによって声の色を変える技術は、グループ解散後の経験を通してすごく身に付いたと思います。そういう新しい経験から得たものが、今回のシングルにも活かされています」

──そうした経験も糧にして制作されたのがソロメジャーデビューシングル『HGL』だと思いますが、表題曲の「HGL」は“Happy-Go-Lucky”の略語なんですね。

「そうなんです。以前はパワーを効かせて歌うことがほとんどだったんですけど、「HGL」はK-POP寄りのサウンドとメロディなので、むしろ力を抜いてニュアンスで歌うとか…そういう部分が新しい挑戦でした。あと、グループ時代はメンバーがみんなで歌って、基本的にはソロで1曲をまるまる歌うことがなかったので、1曲の中で歌の表現の色を変えることも新しい挑戦でした」

──楽曲自体は非常に今の時代を感じさせるダンサブルなポップナンバーですが、ご自身ではどう受け止めていますか?

「“Happy-Go-Lucky”=「HGL」というタイトルのすごく前向きな曲なので、私自身の“ソロデビューをする”ってことの背中を押してもらったような楽曲だと感じています。歌詞にある<息が切れたら 休んでもいいから あきらめないで>というフレーズが本当にお気に入りです。そんなフレーズがある「HGL」を聴くと私自身も前向きになれますし、聴いた方にも前向きになってもらえるような楽曲でありたいです」

──<息が切れたら 休んでもいいから>って、今の時代らしいフレーズですよね。ひと昔前の日本ならあまりなかったというか、あったとしてもどこかウェルカムじゃない空気がありました。でも、今はこう歌われてもスッと入ってくる感覚があります。

「力いっぱいにずっと進んでるだけじゃダメだって、それは私自身も経験してきたことですし、いったん冷静になって、肩の力を抜いてゆっくり進んでいくのも大事だなって私も思うので。今の10代の子にもわかっていただける、共感してもらえる曲だと思います」

──現役アイドルの子たちにも刺さりそうです。

「確かに。今はまたいろんなアイドルが増えていますし、なかなか休めないみたいですもんね…。なので、後輩たちにも聴いてほしいです!」

──タイトルの「HGL」=“Happy-Go-Lucky”には、“運任せ”や“行き当たりばったり”という意味がありますが、浜浦さん自身にもそういう一面はありますか?

「どうなんでしょうね?…私自身、ラッキーなことも多いとは思うんですけど、だからってそこまで運がすごく強いわけでもないので。むしろラッキーだけじゃ生きてけない、地道な努力も大事だって思っているタイプです」

──決して楽天的ではなく、堅実で計画的というか?

「そういう人かもしれないです。この世界に入る前から、例えば夏休みの宿題は夏休みの初日から始めるタイプでした。最後の日にまとめてやる人がいますけど、逆にそういうやり方は絶対に無理です(笑)」

──そういう浜浦さんが「HGL」を歌っているのも、隠れた味かもしれませんね。

「そうですね(笑)。でも、「HGL」はすごくポップなので気持ちが明るくなりますし、“なんだか普段の肩の荷が降りる感じの曲だな“って思います」

──メジャーデビューシングルには、「HGL」のほかに「Cinderella/24」、「Promised Place」、「#bff」が収録されています。

「「Cinderella/24」は、今までの私とこれからの私の気持ちが詰まっている楽曲です。私と同世代のMizukaさんという方に書いていただいたんですけど、“こういう感じの曲をお願いします”というお伝えの仕方をしたぐらいで、あまり細かい話はしてないんです。でも、私が思っているようなことばかりがこの歌詞に書かれていて、すごく素敵な楽曲をいただけました」

──「Promised Place」は、直訳すると“約束の地”という意味になります。

「この曲は、私自身が入れたい言葉を歌詞に活かしていただいている、ファンの方と私の約束という意味が込められている楽曲です。約束というのは、解散するときにファンの方とした“必ずまた会いましょう”という約束。その約束への思いが綴られた歌です」

──じゃあ、歌詞には浜浦さんが提案した部分が多い?

「<必ず 逢えると あの日にキミと誓い合った>とか、<期待と 不安が 重なる感情を抱きしめ>、<自分らしく生きてゆくんだ>、<一緒に彩ってゆこうよ>のあたりは、いろいろ提案させていただきました」

──「#bff」は、瑞々しく弾けるモータウンリズムが印象的な、とてもかわいらしい楽曲になっています。

「タイトルは“best friend forever”の略で、私たちの年代ですごく流行った言葉なんです。リズムがむずかしくて苦戦したな…レコーディングが大変だったな…って思い出が残っています(笑)」

──“#bff”は、浜浦さんが何歳ぐらいのときの流行だったんですか?

「高校生ぐらいですかね? 17歳とか18歳で、インスタもすごく流行り始めた頃の言葉です。だから世代がわかるというか、今の私と同じくらいの年齢の子たちはタイトルも含めて共感してもらえると思います」

──表題曲の「HGL」はMVが制作されていますが、どんな内容に仕上がっていますか?

「大きなゲームセンターで撮影したんですが、その施設内にあるゴーカートで楽しんでいる様子を撮影したり、ダンサブルな楽曲なのでダンスシーンも多かったり、いろんな見どころがある面白いミュージックビデオになっています」

──実際にゲームをしたりもしますか?

「ゲームするの、好きですよ。プレイステーションで『Apex』って戦闘ゲームをやっている時間がすごく楽しくて。そのゲームつながりで、元Juice=Juiceの宮本佳林ちゃんと一緒にプレイするようになったりして(笑)。こぶしファクトリーが解散したあと、私はハロー!プロジェクトからも卒業したので、佳林ちゃんと関わる機会がなかったんです…連絡先も知らなかったですし。そしたら、佳林ちゃんがインスタのDMにメッセージをくれて、フレンドになって、一緒にゲームをしているっていう(笑)。こんな機会が生まれるとは思っていなかったので、すごく嬉しかったです」

──ファン待望のソロデビューを果たした今、これからの活動で目標にしているのは?

「今までは年に3、4回しかライブをしていなかったんですけど、メジャーデビューを機にまずはライブの回数を増やしたいです。ソロでメジャーデビューすることになって、改めて出来た夢もあるんです。それは、ソロでTOKYO DOME CITY HALLライブをすること。こぶしファクトリーの解散ライブをした場所なんですけど、コロナ禍の影響で無観客ライブになってしまって、同じ景色を一緒に見ることができませんでした。なので、今こうしてソロデビューさせていただいたので、いつかあの場所に立てたらいいなという思いがありますし、モチベーションにもなります。TOKYO DOME CITY HALLで、ファンの方たちと同じ景色を見たいです」

──こぶしファクトリー時代、解散後に出演したミュージカル、そして今回のソロデビューと、浜浦さんは常に歌とともに歩んできた印象です。その上で、これからはどんな歌い手になっていきたいと考えていますか?

「私は舞台を観ると元気になったり、前向きな気持ちになったり、いろんな感情をもらいます。歌も同じなんですけど、歌は舞台よりももっと身近に感じていただける、自分の生活の一部になりやすい表現だと思っていて。なので、通勤時間に私の歌を聴いてもらって少し元気になったり、人生を彩っていただくことでみなさんの力になれたらいいなと思っています。前向きな歌が好きなので、そういう歌ももちろん歌っていきたいですし、今回のシングルに収録している「#bff」も恋愛ソングなんですけど、そういう女の子が共感しあえる曲も、今後もっと歌っていきたいです」

──浜浦さん自身にとっては、“音楽”ってどんな意味合いを持つものですか?

「“この曲を聴いていたときはこんなことあったな”って思い出せるのって、私の中では音楽の力がすごく大きいです。だから、私にとっての音楽は“人生を記録できる場所”なんです。“この曲を聴いていたときはこんなことあったな”って、思い出として一緒にしまっておけるような…。私、何もないと昔のことを忘れていっちゃう人間で、どんどん記憶が消えて更新されていく人なんです(笑)。でも、音楽があることでそのときの感情を思い出したりします。タイムマシーンというかタイムカプセルというか、そのときの記憶と感情をしまっておける場所が音楽です。音楽を聴いてそのときの光景や感情がパッとよみがえると、より“頑張ろう!”と思いますし、懐かしい気持ちになれたりするのがすごく素敵だと思います」

──浜浦さんの楽曲が、誰かにとっての“人生を記録できる場所”になったら、それもまた嬉しい限りですよね。

「“結婚式でこぶしファクトリーの曲を流した”っていうファンの方もいて、その曲を聴いて結婚式を思い出してもらえたら、すごく嬉しいですね。そうやって、みなさんの人生の一部になれたら本当に嬉しいです」

──ソロデビューを機に、も開設しました。

「もともとYouTuberさんの動画は中学生くらいの頃からずっと見ていて、“やっと自分の番が来た”と思っています(笑)。私はこだわりが強いので、ちゃんと自分で編集しています」

──今後、YouTubeチャンネルではどんなことを?

「YouTuberさんの動画を見ているとロケをしている方が多いので、そういう企画はしてみたいと思っています。ただ、人前で話すのがあんまり得意じゃないので、そもそもロケができるのかわからないんですけど(笑)、それでも挑戦してみたいです!」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/中村功

RELEASE INFROMATION

2025年3月19日(水)発売
CD+DVD/VIZL-2423/2,300円(税込)

浜浦彩乃『HGL』

2025年3月19日(水)発売
CD/VICL-37764/1,700円(税込)

浜浦彩乃『HGL』

2025年3月19日(水)発売
CD/VICL-37765/1,700円(税込)

浜浦彩乃『HGL』

2025年3月19日(水)発売
CD/VICL-37766/1,700円(税込)

浜浦彩乃『HGL』

STAGE INFORMATION

小南桐絵役にて出演
【公演日程】
4/12(土)~4/20(日) 日本青年館ホール
4/24(木)~4/27(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
5.2(金)~5.11(日) シアターH

『ワールドトリガー the Stage』 B級ランク戦最終決戦編

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