マーベル最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』で感じた3つの苦悩
2025年2月14日、マーベル最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が公開される。映画としては昨年7月の「デッドプール & ウルヴァリン」以来、およそ7カ月ぶりの作品となる。
記者は公開に先駆けて開催されたマスコミ向け試写会に出席。結論から言うと本作は「3つの苦悩」が垣間見える作品であった。
・キャップだけどキャップじゃない
まずお伝えしておくと、本作は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』と言いつつも、主人公は多くの人がイメージするキャプテン・アメリカではない。
キャプテン・アメリカこと「スティーブ・ロジャース」は「アベンジャーズ / エンドゲーム」を最後にフェイドアウトしており、彼の意思を引き継ぐサム・ウィルソンが “新キャプテン・アメリカ” として本作の主人公に据えられている。
なぜそんなややこしいことを……と思う方もいらっしゃるハズだが、これは原作の流れなので致し方なし。「キャプテン・アメリカ」はあくまで称号として捉えておくとわかりやすいだろう。
・主役はサム
さて、偉大なるキャプテン・アメリカの名を引き継いだサム・ウィルソンは、これまで「ファルコン」の名で知られてきたアベンジャーズの一員である。
アイアンマンやハルクなど、性格に難があるキャラクターが多い中、サムはスティーブ・ロジャース並みに正義感が強いキャラクター。エンドゲームではキャップから盾を託されていた。
・あらすじ
「アメリカ大統領ロスが開く国際会議でテロ事件が発生。それをきっかけに生まれた各国の対立が、世界大戦の危機にまで発展してしまう。
この混乱を食い止めようとする新キャプテン・アメリカことサム・ウィルソンに、赤いハルクと化した大統領ロスが襲いかかる……! だが、全ては “ある人物” によって仕組まれた陰謀だった……?」
・止まり木にあの……
本作の重要キャラ「ロス大統領」を演じるのは、我らがハリソン・フォード師匠である! なんと御年82歳!! まさに生ける伝説ハリソン・フォードが満を持してマーベル作品に登場だ。
また主要キャラとしては2代目ファルコンこと「ホアキン・トレス」が登場。さらにナターシャと同じ元ウィドウの「ルース・バット=セラフ」まであたりを中心に物語が展開していく。
・悩ましい
で、冒頭でもお伝えした通り『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は様々な苦悩が見て取れる作品であった。1つめは「サムの苦悩」だ。
偉大なるスティーブ・ロジャースの後を引き継ぎ “新キャプテン・アメリカ” となったサムは苦悩が絶えない。スーパーパワーを持たないサムの苦悩が随所で描かれていた。
2つめは「ロス大統領の苦悩」で、かつてアベンジャーズと敵対していた彼が取り戻したいものは何なのか? それも物語の中心になっている。
そして最後は「マーベルの苦悩」だ。本作はサスペンス的な仕上がりになっているが、ハッキリ言って本格的なサスペンス映画と比較すると深みはない。サスペンス映画の傑作「ユージュアル・サスペクツ」級を期待してはダメだ。
ただそれでもサスペンス仕立てにせざるを得なかったのは、アイアンマン級の看板キャラが不在であることをストーリーでカバーしようとしたからではないだろうか?
作品名こそ『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』であるが、要するにファルコン……というかサムの物語なので、キャラの力だけで引っ張るのはなかなか厳しいのかもしれない。
・飛翔に期待
ただし、この後にアベンジャーズ等が控えていることを思えば、本作はホップ・ステップの“ステップ”の段階である。そう考えればマーベルファンなら押さえておくべき作品であることは間違いない。
というわけで、2025年2月14日に『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が公開される。今年は「サンダーボルツ」や「ファンタスティック4」が控えるマーベルに注目だ。
参照元:キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド
執筆:P.K.サンジュン
Photo:(C) 2025 MARVEL.