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港北区綱島東の池田乳業 地域に氷届け150年超 夏の暑さ「涼」で支える

タウンニュース

氷を切って冷凍車に運ぶ長男の隆幸さん(提供)

厳しい暑さが続くこの時季。156年の歴史を持つ「池田乳業」(港北区綱島東1の16の20)は地域の盆踊りなどに氷を届けて、街の賑わいの一翼を担っている。

同店は、空気などの不純物をほぼ除去した水を凍らせた「純氷」にこだわる氷問屋。製造業者から、48時間以上かけて凍らせた約135kgの氷柱の「半コロ(半分)」などを入荷して、加工し、卸す。夏は、盆踊りや納涼祭など、氷が活躍するイベントが盛りだくさんで"書き入れ時"だ。

同店の始まりは1719(享保4)年に遡る。当時は、前身の「池田屋」として浅草で両替商「銭両替」を営んでいた。その後、1869(明治2)年に菊名で氷の製造を始め、江戸時代に北綱島村の名主を務めてきた飯田家からの招聘で昭和初期に綱島へ。温泉街だった綱島には旅館が軒を連ねており、旅館へ頻繁に卸していた。

アイスキャンディーやアイスクリーム、アイスケーキの販売、喫茶店やバーを営業していたことも。現在は、氷の卸の他、かき氷器のレンタルなども行っている。

時代とともに同業減少

大正から昭和初期にかけて、現在の港北区役所周辺などでも天然氷が作られていたという。農家が田んぼに水を引き、消毒効果がある石灰をまいて凍らせていた。

代表の牧元波嵯子(ひさこ)さん(77)によると、氷問屋は、「夏の3カ月働けば1年間暮らせる」と言われていた。しかし、家庭や店舗に冷蔵設備や製氷機の普及、コロナ禍でのイベント中止、規模縮小等、時代の変化とともに同業者は減少。港北区と神奈川区の同業者組合「神港睦会」には約20件が加入していたが、両区とも1件ずつのみに。組合は5年程前に解散した。

業界が縮小する中、「お得意さまや仕入れ先、人様の優しさで生かされている」と話す牧元さん。家業を辞めることも考えた。しかし、イベント主催者の「おかげで無事に開催できた。ありがとう」など、関わっている人からの感謝の声で、「やって良かった」と思う日々だという。今夏も「謙虚に真心こめて」を大切に、地域に「涼」を届けている。

昭和初期に氷などを運んでいた「オート三輪」(左)や軽トラ

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