市男女共同参画貢献表彰 旭・瀬谷から2者受賞 防災や居住支援の分野で
2024年度の横浜市男女共同参画貢献表彰に、東希望が丘小学校地域防災拠点運営委員会の委員長を務める和泉禮子(れいこ)さん=旭区今宿町=と、女性の居住を支援する認定NPO法人さくらんぼ=本部・瀬谷区三ツ境=が選ばれた。3月25日に表彰式が行われた。
同表彰は、男女共同参画社会の実現に向けて積極的に取り組んでいる個人・団体を称えるもの。24年度は功労賞として和泉さん、さくらんぼ、国立大学法人東京科学大学が、これからの活躍が期待されるユース賞にNPO法人第3の家族が選出された。
和泉禮子さん
和泉さんは、災害避難所における女性や子どもへの暴力や暴言を防ぐため、巡回する組織を同委員会に設置。加えて、炊き出しに従事しているのが主に女性だったといい、役割分担意識の解消にも取り組んできた。
また、東日本大震災などの避難所を訪問するなかで、女性の生理用品が他の物資と並び目に入るような方法で、男性が配布しているケースがあったことを問題視。自身が登壇する防災講演で、女性スタッフが配布するなどの工夫を促してきた。
避難所における女性などへの暴力防止対策や、性別役割分担意識の解消などの先駆的な取り組みによって表彰された和泉さん。「女性の視点を取り入れて運営してきた。気づきが大事だと思っている」と語る。
和泉さんは04年、地域で防災訓練が行われていないことへの危機感から同委員会に参加した。長年にわたり運営に携わり、自治会の防災訓練を取材して「防災拠点ニュース」を作成。情報発信を強化してきた。
また、全国各地での防災講演会で講師を務めるほか、東日本大震災などの被災地で、避難所の取材にも足を向け、実情の把握にも努めてきた。「その経験が今に生きていると思う」と話した。
さくらんぼ
1997年発足のさくらんぼは、保育室や地域子育て支援拠点の運営などを通じて、子どもや親を支援してきた。一連の事業を続けるなかで、住まいに不安を抱える女性が多くいることから、2種類のシェアハウスを相鉄線沿線で始めた。
2018年開所の「下宿やWith」は、ケアリーバーの女子学生を対象にしている。ケアリーバーとは児童養護施設や里親といった社会的養護から離れた子どもや若者のこと。頼れる大人が少ないなか、勉強やアルバイトの両立などで生活に困難を抱え、卒業できないケースもあるという。「近年はアフターケアも充実しているが、私たちもフォローできれば」と担当の坂本左織さんは話す。
23年に始まった「Nagomo」は親からの虐待やDVなどさまざまな事情で、一時的に住まいを確保することが困難な女性のための施設。横浜みなみ生活クラブ、生活クラブユニオンとの協同で運営されている。
いずれのシェアハウスも、自立に向けてサポートすることが目的。見守りや相談対応、同行支援を担う生活コーディネーターが週3〜4日、数時間ほど滞在するが、「自分でできることは自分で行う」が原則だという。
理事長の高橋洋子さんは受賞を受けて、「まずは今の事業を丁寧に続けること。他団体とも協力し、助けが必要な人たちを支えたい」と意気込む。法人ではシェアハウスを退去した希望者を対象に食料品や日用品を送付する「ヘルプ便」などにも取り組んでおり、坂本さんは「ゆるくつながりを持ち、様子を見守っていければ」と話す。