卓球のオリンピック歴代日本人メダリスト パリで早田ひなが女子シングルス銅、女子団体は銀メダル
初のメダル獲得はロンドン五輪
卓球が初めてオリンピックの正式種目として採用されたのは1988年のソウルオリンピック。以降、メダルを獲得した歴代の卓球日本選手と、話題になったメダリストについて紹介しよう。
日本人選手が初めてオリンピックでメダルを獲得したのは、2012年のロンドンオリンピック。女子団体に出場した福原愛、石川佳純、平野早矢香が銀メダルに輝いた。男子団体もベスト8、シングルスでも石川佳純がベスト4、岸川聖也、福原愛がベスト8と健闘した。
2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、男子シングルスに出場した水谷隼が見事、銅メダルを獲得。男子団体の水谷隼、丹羽孝希、吉村真晴が銀メダル、女子団体の福原愛、石川佳純、伊藤美誠が銅メダルを獲得し、日本卓球界のレベルアップを印象付けた。
2021年に開催された東京オリンピックでは、混合ダブルスで水谷隼と伊藤美誠が金メダルを獲得。女子団体で伊藤美誠、石川佳純、平野美宇が銀メダル、男子団体も水谷隼、丹羽孝希、張本智和が銅メダルに輝いた。伊藤美誠は女子シングルスでも銅メダルを獲得し、一人で金銀銅の3種類を獲得している。
2024年のパリオリンピックでは早田ひなが女子シングルスで銅メダルを獲得。早田ひな、平野美宇、張本美和で臨んだ女子団体で銀メダルに輝いた。
日本は1950年代から1970年代にも世界選手権で多くの金メダルを獲得するなど、世界でトップの座を走っていた時期があったが、オリンピックの正式種目に採用されてからは、中国が圧倒的な強さを誇っていた。しかし、ロンドンオリンピック以降は日本勢が復活。4大会連続でメダルを獲得している。
日本人初のシングルス五輪メダリスト・水谷隼
北京オリンピック、ロンドンオリンピック、リオデジャネイロオリンピック、東京オリンピックの日本代表に選ばれた水谷隼は1989年、静岡県生まれ。2016年リオデジャネイロで日本人で初めてシングルスのメダルを獲得した。
また男子団体でもドイツとの準決勝では、それまで1勝15敗だったティモ・ボルに3-0で勝利。さらに中国との決勝では、過去0勝12敗の許昕に3-2で勝利するなど破竹の快進撃を見せ、日本勢初の銀メダルを獲得した。
東京オリンピックのシングルスは腰や目の不調のため出場を逃したが、先述の通り混合ダブルスで金、団体で銅メダルに輝き、大会終了後に引退を表明した。
天才卓球少女・福原愛
五輪2大会連続のメダリスト・福原愛は1988年、宮城県生まれ。幼少期から頻繁にテレビで紹介され、「天才卓球少女・愛ちゃん」として日本国民に広く親しまれた。
小4でプロ宣言し、ミキハウスと専属契約。中学の3年間は世界各地のITTF(国際卓球連盟)のプロツアーに参加し、世界ランキングに名を連ねるようになる(最高位は2015年10月の4位)。
2004年のアテネオリンピック・シングルスに史上最年少の15歳で出場。その後、北京、ロンドン、リオデジャネイロと都合4大会連続で出場し、ロンドンでは女子団体銀メダル、リオデジャネイロでは女子団体銅メダル獲得に貢献した。
3大会連続メダル・石川佳純
ロンドン、リオデジャネイロ、東京と3大会連続で日本代表に選出された石川佳純は1993年、山口県生まれ。2015年1月の全日本選手権で女子シングルス、ダブルス、混合ダブルスを制覇し、54年ぶり2人目となる三冠を達成する。
ロンドンオリンピックでの活躍は目覚ましく、シングルスで日本選手初めての準決勝進出。第2シードの李暁霞(中国)に1-4で、3位決定戦は馮天薇(シンガポール)に0-4で敗れてメダル獲得はならなかったが、オリンピック女子卓球での当時最高成績となる4位入賞を果たした。また、団体では決勝で中国に敗れたものの、日本卓球界初の銀メダルを獲得した。
さらにリオデジャネイロオリンピックのシングルスでは初戦敗退したものの、団体戦ではエースとして活躍。福原愛、伊藤美誠とともに銅メダルに輝いた。
日本選手団副主将を務めた2021年の東京オリンピックでは、伊藤美誠、平野美宇とともに臨んだ団体戦で銀メダル。2023年に現役を引退した。
卓球黄金世代・早田ひな
早田ひなは2000年7月7日、福岡県北九州市出身。伊藤美誠や平野美宇とともに「卓球黄金世代」の1人だが、2021年の東京オリンピックはリザーブに回り、出番はなかった。
しかし、同年9月のアジア選手権ではシングルスで優勝。団体、混合ダブルスと合わせて日本人選手47年ぶりの三冠を達成した。さらに同年11月の世界選手権女子ダブルス、混合ダブルスで銀メダルを獲得した。
2023年の全日本選手権では女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスを制し、女子では史上4人目の三冠達成。同年5月の世界選手権でも女子シングルスで銅メダル、混合ダブルスで銀メダルに輝いた。
そして迎えた2024年パリオリンピック。女子シングルスは準決勝で世界ランキング1位の孫穎莎(中国)に敗れたが、3位決定戦で申裕斌(韓国)を下して銅メダル。平野美宇、張本美和とともに出場した女子団体でも銀メダルに輝いた。
身長166センチで長い手足を生かしたパワフルなプレーが武器。私生活では箸やペンを右手で持つ「右利きのサウスポー」で、器用さも併せ持っている。日本の新エースが目指す金メダルへの挑戦はまだまだ続く。
【関連記事】
・卓球ダブルスのサインの意味、台の下で何をしているのか?
・五輪柔道の日本人歴代金メダリスト一覧、競技別最多51個
・五輪レスリングの日本人歴代金メダリスト一覧、計45個の「お家芸」
記事:SPAIA編集部