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おやつ持参、17時帰宅、留守宅に上がらない。「放置子」も気がかりな親たちが、小学生に守らせたい放課後の約束

OTEMOTO

放課後に遊ぶ約束を友達同士でしてきたり、公園で遊んでいるはずが友達の家に上がりこんでいたり。保護者が知らないところでこどもの交友関係が広がるのはうれしい半面、心配も尽きません。友達と遊ぶときの「常識」が地域や家庭によって違うことで、トラブルになるケースもあります。帰宅時間や連絡方法など、家庭で決めている放課後のルールを聞きました。

「自宅に上がりこんで夜遅くなっても帰らない」「おやつや食事を要求する」「自分の子がいじめられる」。

2024年1月、小学生のこどもの友達による「迷惑行為」に悩まされているというSNSの投稿が波紋を広げ、「放置子」というネットスラングが広まりました。

共働きや核家族が増え、こどもが遊ぶ環境は親がこどもだった時代とは異なっています。防犯面に加え、家庭の事情や親の価値観の違いも懸念材料となりえます。

小学生前後のこどもがいる保護者に「友達と遊ばせるときのルール」についてOTEMOTOがアンケートをしたところ、帰宅時間や遊ぶ場所を決めておくだけでなく、友達の家にお邪魔する際に気をつけることを、各家庭で決めている様子がうかがえました。

写真はイメージです
Adobe Stock / apoix

マンションのラウンジのみ

特に低学年では、なじみのある場所で遊ぶようにと伝えている家庭が多いようです。

「庭先で近所の子と遊ぶ。夏の夕方でも遅くても18時まで」(40代母親 / 1年生女子 / 静岡県)

「冬場は17時、夏は18時までなど時間を決めて、すぐ近くの公園なら友達と遊ぶのをOKにしている」(50代母親 / 2年生男子 / 東京都)

「自宅に元気な友達を呼んだ際に、足音がうるさかったようで下の階の方からクレームが来たので、基本的に外で遊ぶように言っています」(40代母親 / 3年生男子 / 東京都)

「児童館や学校などの決まった場所で遊ぶ」(40代母親 / 4年生女子 / 東京都)

マンション内のラウンジだけで、外に出ない」(40代母親 / 4年生女子/茨城県)

大人の見守りのもと

低学年では、保護者の見守りのもとで遊んでいるケースがほとんどで、平日は学童保育で過ごしているという子も大半です。高学年になるにつれ、こどもたちだけで遊ぶことが増えるようです。

「普段と違う場所で遊ぶ約束をしたら、ついていきます」(40代母親 / 3年生女子 / 東京都)

「友達の家に行く場合は、事前に親同士で連絡を取り合って、日時を決めてから出かけるようにしています」(40代母親 / 2年生男子 / 埼玉県)

「まだ友達同士で遊ぶことはなく、学童で遊ぶようにしています。今後、こども同士で遊ぶ予定があれば、しばらくは親同士で連絡を取ったうえで、見守りのなかで遊ぶようにしてもらうと思います」(30代母親 / 2年生女子 / 東京都)

「まだ親を通して約束することが多いので、見守りながら遊ぶことになる。近所の子と遊ぶ時は、祖父か祖母がついていきます」(40代母親 / 2年生女子 / 埼玉県)

「低学年のときは、平日は学童なので、友達同士で遊ぶことはほぼなかった。こども同士で約束できる4年生ぐらいからは、親同士の了承のもと、遊び方のルール(場所、帰宅時刻)を決めています」(50代母親 / 6年生女子 / 神奈川県)

「相手の親から遊びの提案があったり、こちらから提案したりして遊ぶ約束をする。当日は両方の親が見守るが、たまに片方の親だけで見守る」(40代母親 / 4年生女子 / 奈良県)

貸し借りをしない

こどもが1人で遊びに行く際は、帰宅時間や遊ぶ場所を伝えておくだけでなく、「GPSをオンにする」「おやつは持参」など親子でルールを決めているという声もありました。

「18時には帰ってくる。おごるなどお金のやり取りはしない。物の貸し借りはしない。おやつなどをいただいたら誰からもらったか言う。外でトラブルがあったら必ず話す、などが約束です。遊ぶ友達の名前は書いておくようにします」(40代母親 / 4年生男子 / 神奈川県)

「どこに行くかをLINEで連絡する。街のチャイムが鳴ったら帰る」(40代母親 / 5年生男子 / 東京都)

「自宅に呼んでいただいた際は、帰る時間を必ず守らせています。友達の家の晩ご飯に影響が出ることなどは絶対に避けたいので。自分がこどもの頃は、友達の親に『もう帰れ』と言われるまでいましたが、今は時代が違いますね」(40代父親 / 3年生男子 / 東京都)

「外に遊びに行くときは必ず携帯を持ち、GPSはオンにする。電話に出る。事前申告で決めた場所を変えない。冬は16時30分、夏は17時に帰宅厳守。リモートワークなので、自宅には友達を招待しない。友達の家に行くときには相手がいいと言っていても必ず報告する。宿題を終わらせてから行く」(40代母親 / 4年生男子/東京都)

おうちの中で遊ぶのは双方の親の承諾がある時のみ。おやつは持参する」(40代母親 / 4年生女子 / 大阪府)

「友達の家の人が不在の場合、前もって許可を得ていない際は、勝手に入ったらダメ。うちも、親がいない時に勝手に友達を入れたらダメと話していますが、これまで数回、勝手に入れています……。『お邪魔します』など、きちんと挨拶をする、片付けは絶対する。17時までに帰るようにと言っていますが、しょっちゅう帰ってきません」(40代母親 / 4年生女子 / 大阪府)

連絡先のメモを持たせる

遊ぶ相手の親と連絡先を交換することが、1つの安心材料にもなっているようです。

「友達のお家で遊ぶのは、親同士が連絡できる友達だけにしており、こどもたちだけで遊ぶ約束をしていないかを低〜中学年のうちは事前に親同士で確認していました。高学年になってから友達の家で遊ぶ約束をしてきたら、相手の親がちゃんと許可してくれているか、友達に確認してから行かせています」(30代母親 /中学1年生女子 / 東京都)

「遊びに行く相手が決まっており、その親御さんの連絡先を入手しています」(30代母親 / 2年生男子 / 東京都)

「入学して友達が増えたら状況も変わってくると思いますが(※アンケート回答時は年長)、相手の親と連絡がとれる関係は絶対。そのほか、親が不在時に家に入れない。友達の家にも入らない。友達の家に行くときはおやつを持参する」(30代母親 / 1年生男子 / 千葉県)

「友達の家に行くときは、なるべくお菓子を持たせます。連絡先を知らない友達の家で遊ぶことが何回か続いたときは挨拶に行くか、難しければこどもにお菓子と一緒に私の連絡先のメモを持たせて、つながれるようにします」(40代母親 / 6年生女子 / 東京都)

もっと遊びたい!!

特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」が2023年8月、小学生の保護者302人を通してこどもに放課後の過ごし方を聞いたところ、「もっと友達と遊びたい」と思っている小学生は76.2%でした。

出典:放課後NPOアフタースクール「小学生の放課後の過ごし方に関する独自調査」

放課後に友達と遊ぶことが「ほとんどない」という子は低学年で50.3%、高学年で35.6%。「週1日」は低学年で26.9%、高学年で27.4%。放課後に友達と遊ぶ回数が週1日以下のこどもは低学年では4人に3人で、高学年より多い傾向が見られました。

放課後に思うように友達と遊べない理由としては、「友達と予定が合わないから」(48.7%)が一番の理由としてあげられています。「自分が習い事・塾・宿題で忙しいから」(35.2%)、「友達が習い事・塾・宿題で忙しいから」(25.2%)、「友達と遊べる場所がないから」(25.2%)と続きました。

出典:放課後NPOアフタースクール「小学生の放課後の過ごし方に関する独自調査」

どうしたらもっと友達と遊べるようになるかについては、「友達の遊べる日が増える」(39.1%)がトップ。続いて、「遊び場が近所にできる」(35.7%)、「やらなきゃいけないことを減らして遊べる日を増やす」(33.9%)となりました。

「おうちの人に友達と遊べる場所まで連れて行ってもらう」(21.7%)、「おうちの人に友達と約束するのを手伝ってもらう」(14.8%)という回答もありました。

出典:放課後NPOアフタースクール「小学生の放課後の過ごし方に関する独自調査」

安全に楽しく遊べるためのルールづくりはもちろん必要ですが、そもそも、友達と遊べる機会が少ないと感じている小学生たち。友達と遊べる場所や時間、つながりの確保にも、こどもから保護者に期待が向けられているようです。

※ ネウボラ = フィンランド語で「アドバイスの場」という意味。妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポートを提供する自治体が日本でも増えています
アンケートは引き続き募集中です
OTEMOTO

親子サポートプロジェクト「6歳からのneuvola」では、家庭学習のほか、保護者の働き方、PTA、おこづかい、ゲーム、勉強場所などのテーマを順次、取り上げています。アンケートは引き続き募集していますので、ご意見やご経験をお寄せください。

また、課題解決をともに考え、親子をサポートする企業や団体を募集しています。詳しくはこちら(contact@o-temoto.com)からお問い合わせください。

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