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【高梁市】【6/8(日)まで】芸術の系譜 児島家三代展―児島虎次郎・児島塊太郎・児島慎太郎― 〜 児島家のルーツを求めて

倉敷とことこ

【6/8(日)まで】芸術の系譜 児島家三代展―児島虎次郎・児島塊太郎・児島慎太郎― 〜 児島家のルーツを求めて

4月3日は大原美術館の礎を築いた、児島虎次郎(こじま とらじろう)の誕生日です。
そして、2025年4月3日には、倉敷美観地区に「児島虎次郎記念館」がグランドオープンしました

児島虎次郎が収集した、古代エジプトや西アジアの彫刻やガラス作品といったオリエント美術、児島虎次郎の作品を鑑賞すると、不思議と「原点」が気になってきました。

児島虎次郎は現在の高梁市成羽町出身で、虎次郎の功績を伝える「高梁市成羽美術館」があります。
その高梁市成羽美術館で、現在「芸術の系譜 児島家三代展―児島虎次郎・児島塊太郎・児島慎太郎―」が開催中です。

気になったので、足を運んでみました。

「高梁市成羽美術館」とは

高梁市成羽美術館は、高梁市成羽町出身の洋画家・児島虎次郎を顕彰(けんしょう)するため、1953年(昭和28年)8月に開館した美術館です。

1994年には現在の位置に移転、安藤忠雄(あんどう ただお)氏の設計によって新築開館し現在に至ります。

児島虎次郎の作品・コレクションと、成羽で採集された化石などを収蔵・展示するとともに、企画展にも力を入れています。

芸術の系譜 児島家三代展―児島虎次郎・児島塊太郎・児島慎太郎―

「芸術の系譜 児島家三代展―児島虎次郎・児島塊太郎・児島慎太郎―」は、高梁市成羽美術館で2025年4月5日(土)から6月8日(日)まで開催中の企画展です。

児島塊太郎(こじま かいたろう)さんは児島虎次郎の孫にあたる「陶芸家」、児島慎太郎(こじま しんたろう)さんはひ孫の「洋画家」です。

三者の作品を一堂に展示し、「児島家」に伝わる芸術の軌跡を感じられる貴重な機会といえるでしょう。

初日に足を運びました

今回は開催初日である2025年4月5日(土)に足を運びました。

・開会式
・児島塊太郎氏・児島慎太郎氏によるギャラリートーク

が開催されていたので、そのようすを紹介します。

開会式

開会式は午後1時30分にスタート。
まずは、館長の澤原一志(さわはら かずし)さんから開会の挨拶がありました。

高梁市成羽美術館 館長澤原一志(さわはら かずし)さん

その後、来賓の挨拶などが続きます。
最後に、公益財団法人成羽町美術振興財団 理事長および作品の出品者として、児島塊太郎さんが挨拶しました。

公益財団法人成羽町美術振興財団 理事長 児島塊太郎さん

テープカットセレモニーがおこなわれ、開会式は終了しました。

児島塊太郎氏・児島慎太郎氏によるギャラリートーク

そのまま、展示室に会場を移しギャラリートークが始まりました。

まずは、2階展示室の児島虎次郎作品ですが、解説は児島塊太郎さん。
虎次郎の足跡を訪ねてヨーロッパや中国を訪問したという児島塊太郎さんは、「児島虎次郎研究家」という側面もあるようで、歴史なども交えながら作品を詳しく解説します。

「時間は大丈夫かな。ちょっと喋りすぎかな」

と、時間を忘れるほどの詳しい解説に、ギャラリーに参加した50名ほどのかたは真剣に耳を傾けます。

続いて、1階のオリエント室では、澤原一志館長にバトンタッチ。
「今回は、塊太郎さん・慎太郎さんの作品がメインなので」ということで、以下のように、簡単に解説してくれました。

「ここには小さいものばかりですが、約200点展示しています。
ゆっくり、じっくりご覧いただければ、数千年前の人類にこれだけの文化・文明があったのかと納得いただけるはずです。また、これを集めた虎次郎さんの『美意識』を感じ取っていただけたらと思います

児島慎太郎さん

次は児島慎太郎さんが、自身の作品について解説します。

・ヨーロッパで油絵を学ぶなかで、「日本人のルーツ」を意識するようになり、中国・日本(沖縄)を旅しながら作品を描いた話。
・その後、ヨーロッパ文明の発祥の地である、ギリシャのアテネで作品を描きますが、ある種重たい面もある歴史を作品に落とし込むことに疲れてしまった話

など、裏話も交えて時系列で解説してくれました。

最後は、児島塊太郎さんです。
色を出すときに苦労した話、2年に1回制作している大作の裏話などを教えてくれました。

また、普段は高梁市成羽美術館の館長室に飾られているという、《青織部大壺》の裏話も。制作時に大型であるため窯に入らず、4回窯の入口を壊しながら完成させたそうで、思い出深い作品であると話していました。

《青織部大壺》1994年

最後に児島塊太郎さん、児島慎太郎さんから挨拶があり、ギャラリートークは終了しました。

会場のようす

それでは、会場のようすを写真中心に簡単に紹介します。

児島虎次郎エリア

高梁市成羽美術館
児島家3代の芸術家
児島虎次郎エリア
児島虎次郎初期の作品
時代ごとにパネル解説があります
1回目の渡欧中の作品
第1回渡欧からの帰国後はスランプに陥っていたそう
第2回・3回の渡欧は絵画制作と美術品購入
オリエント室

児島慎太郎エリア

児島慎太郎エリア
児島慎太郎さんの作品が時系列で展示されています
日本人のルーツを探していた頃の風景画

児島塊太郎エリア

児島塊太郎エリア
大型の作品は写真パネルで紹介されています
会場全体

おわりに

倉敷で「児島虎次郎」と聞くと、芸術作品の収集家という印象が強いかもしれません。

しかし、今回足を運んで、洋画家であることはもちろん、「芸術家マインド」のようなものは子孫に引き継がれていたのだと分かりました。

児島塊太郎さんの言葉で、印象に残った言葉があります。

私は陶芸家。虎次郎と慎太郎は画家と違う道を歩んでいますが、一つ共通点があります。
それは、旅をしながら、シリーズをもちながら作品を作っていることです。

これが「児島家」なのかもしれません。

倉敷美観地区に「児島虎次郎記念館」がオープンし、児島イヤーともいえる2025年。高梁市成羽美術館で、「児島家の今」を感じてみてはいかがでしょうか。

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