クラフトビールで地域をつなぐ釘抜克典さん【市川市】
市川市立真間小学校の正門前にある、90年前から続く一軒の文具店。その3代目店主、釘抜克典さんは新たな挑戦を始めています。
文具店から始まったクラフトビール作り
「子どもたちの帰りを待ちながら、親が一杯ひっかけられるような場所を作りたかった」と話す釘抜さん。
真間小の交通整理をしていた時に、子どもたちが大きくなってゆく姿を見るのが楽しみで「大人になったら一緒にビールを飲みたい」とも思っていたそう。
そんな思いを仲間内で話していたところ「ビール作っちゃえばいいじゃん」との声が。
お気に入りのビールがあると店に通いつめるほど、自他共に認めるビール好きの釘抜さん。
クラフトビール醸造所(ブルワリー)作りを決意します。
2020年、クラウドファンディングで資金を集め、ブルワリーの建設へ。
文具店の仕事をしながら、夕方から週2回、大門通りにある喫茶店を間借りし、厳選したビールを提供するバーを営業。
そして、この秋ついに念願のブルワリー稼働となりました。
楽しげな大人の姿を子どもたちに
生まれも育ちも市川真間。
曽祖母の代から続く文具店は、世代を超えて多くの人たちに親しまれてきました。
「自分が地域の先輩方から育ててもらったように、地域の子どもたちを育て、さらに次の世代へとつないでいければ」と語ります。
「自分のようなヘラヘラした大人の姿を見た子どもたちが『あのおっさんが大丈夫なら自分も大丈夫』と思ってくれれば本望」
今後は文具店にちなみ、ビールの濃さをHBなど鉛筆の濃さで表した「えんぴつビール」、市川市の名所を名付けた「手児奈」や「やぶ知らず」など楽しいビールも開発予定。
少ない量(70リットル)から作れるため、地元飲食店のオリジナルビール作りも手掛けるそう。
支援してくれた人たちをはじめ、地元の人たち、販売や商品開発に協力する母校の千葉商科大学の学生たちなど、たくさんの人の思いと夢とが詰まったクラフトビール。
グラス片手に釘抜さんの躍進は続きます。
まるやブルワリー
X(旧Twitter)/@maruyabrewery