オリックスのドラ1麦谷祐介に備わるプロ意識「ファンの皆さんに明日頑張ろうと思ってもらえる全力プレーを」
期待の「8」背負い1年目からレギュラー狙う
オリックスの新人入団発表記者会見が29日に大阪市内のホテルで行われ、今秋のドラフトで指名された新人選手12人が出席した。
ドラフト1位の富士大・麦谷祐介外野手は背番号「8」に決まり、「小さいころからの夢が叶った。今この場にいられることが光栄ですし、これからがスタート。(岸田護)監督がおっしゃったように、“スーパースター”になれるよう頑張ります」と所信表明した。
大崎中央高から富士大へ進んだ麦谷は1年春からレギュラーを務め、今秋のリーグ戦では優秀選手賞、最多本塁打賞、最多打点賞、最多盗塁賞、ベストナインの5冠に輝き、リーグ優勝にも大きく貢献した。走攻守3拍子そろった即戦力外野手として期待の一番星だ。
会見では「足を使った守備走塁、広角に長打を打てる打撃も見ていただきたいですが、一番は“全力プレー”を見ていただきたいです」と持ち味をアピール。「このような背番号をもらいましたし、1年目からレギュラーになるつもりで頑張りたい」と来季からの活躍を誓った。
新人らしからぬプロ意識に、茶目っ気あるコメントも
そんな22歳にとってのスーパースターはイチロー氏(51=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)。「天才的なバッティングや、守備、走塁も含め走攻守すべてそろっているのもそうですし、そのストイックさ、野球に対する取り組みの面でも本当に尊敬しています」と目を輝かせながら語った。
ただ憧れているだけではない。その内面には新人らしからぬプロ意識が既に備わっている。「ファンあってのプロ野球だと思うので、皆さんに明日の仕事、学校がんばろうという気持ちになってもらえるような、ガッツあふれるプレー、全力プレーを見てほしい」。
一方で、初対面となった岸田監督についての印象を聞かれ「めちゃくちゃイケメンで、めちゃくちゃいい匂いがしました(笑)」とお茶目なコメントも。ただすぐに表情を引き締め「岸田監督1年目のドラフト1位なのでご縁も感じます。岸田監督になった時のドラ1は誰だったっけとならないよう、麦谷と言ってもらえる選手になりたい」と力強く語った。
清々しいほどまっすぐな受け答えをする青年の1年目の目標は新人王。「新人王を取るためには開幕スタメンが絶対マスト、同期でプロに入った選手もたくさんいる。そういった人たちに負けたくない気持ちが強い」と負けん気は人一倍。野球のプレーだけでなく、精神面においてもドラフト1位にふさわしい逸材だ。
「ファンの皆さんと一緒に大きくなりたい」
今季のオリックスはリーグ3連覇から一転、5位と苦しんだ。岸田監督も会見の冒頭で「今年は勝てなかったシーズンでした。先輩たちは目の色を変えてスタートしています。その先輩たちを全力プレーで追い抜いてほしい」とルーキーたちに発破をかけた。
麦谷がレギュラーの座を狙う外野の3ポジションは、西川龍馬が守るレフト以外は日替わりだっただけに、チャンスは十分にあるだろう。ただ、先輩たちもただでその座を渡すつもりはない。ここ2年成績を残せなかった福田周平が背番号「1」を返上し、「65」から再出発を期すなど、ベテランも若手もレギュラー奪取に燃えている。
「ファンの皆さんと一緒に大きくなりたい」と語る22歳は、そのライバルたちを押しのけスーパースターへの階段を駆け上がることができるか。ダイヤモンドを駆け回る麦谷の姿を一目見ようと、ファンが京セラドーム大阪に押し寄せる日を楽しみに待ちたい。
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記事:SPAIA編集部