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「ロード・オブ・ザ・リング×日本アニメ」が実現!東京コミコンに津田健次郎ら登場『ローハンの戦い』特別ステージ

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「ロード・オブ・ザ・リング×日本アニメ」が実現!東京コミコンに津田健次郎ら登場『ローハンの戦い』特別ステージ

『ロード・オブ・ザ・リング』×東京コミコン2024

2004年の「王の帰還」日本公開から20年の時を経て、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ最新作『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』が、12月27日(金)より全国劇場公開(日本語吹替版/字幕版同時公開※一部劇場除く<Dolby Cinema®/ Dolby Atmos®/4DX/MX4D/IMAX®>)。

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI

3部作を監督したピーター・ジャクソン製作総指揮のもと、ハリウッド超大作の監督の座を託されたのは、日本アニメーションの第一人者と讃えられる神山健治(『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』「精霊の守人」)。全米3000館以上、全世界で数万スクリーンに及ぶ拡大公開が決まっている本作が、12月6日(金)~8日(日)に幕張メッセで実施中の「東京コミックコンベンション 2024」(通称「東京コミコン 2024」)に登場した。

7日(土)のメインステージで行われたスペシャル・プレゼンテーションには、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の全脚本を手掛け、本作の製作とストーリーを担当するフィリッパ・ボウエンをはじめ、主人公ヘラと敵対するウルフの吹替キャストを務めた津田健次郎神山健治監督、プロデューサーのジョセフ・チョウが登壇。本作製作のきっかけやキャラクター解説までたっぷりトークを繰り広げ、日本から世界へ放つ『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ最新作の魅力を語り尽くした。

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』@東京コミコン
LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.

ボウエン「日本の作品でよく見受けられる忠義、名誉、勇気、裏切りなども描かれています」

いよいよ劇場公開まで1か月をきった映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。本作は全米3000館以上、さらに全世界で数万スクリーンに及ぶ拡大公開が決定し、複数の国では豪華声優陣が集結した日本語吹替版での上映のリクエストが寄せられている。そんな本作の公開を記念して、このtsび「東京コミコン 2024」にて超豪華スペシャル・プレゼンテーションを実施した。

シリーズの大ファンであり、本作でも吹替キャストとして参加したLiLiCoによる呼び込みのもと、主人公ヘラと敵対するウルフの吹替キャストを務めた津田健次郎、監督の神山健治、プロデューサーのジョセフ・チョウ、そして『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の全脚本を手掛け、本作の製作とストーリーを担当したフィリッパ・ボウエンが大きな拍手に包まれながら登壇。神山は「今日はお集まりいただきましてありがとうございます。よろしくお願いします」、ボウエンは「こうやってまた日本に来れたことをとても嬉しく思っています。日本のフィルムメーカーの方々が心から大好きになりました」、チョウは「東京コミコンに呼んでただいて光栄に思っております」、そして津田は「本日、こうやって皆さんにお会いできるのを楽しみにしていました」とそれぞれ挨拶した。

フィリッパ・ボウエン
LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.

早速、ボウエンに本作を制作した経緯について尋ねると、「ワーナーさんからピーター・ジャクソンと私の方に『『ロード・オブ・ザ・リング』のアニメーション映画を作らないか』とお話をいただきました。私たちはアニメの大ファンということもあり、映像化の可能性はあり得ると思いましたが、そこでおりてきたのが『ローハンの戦い』だったんです」と当時の経緯を説明。また「ロヒルリム人(※ローハン国に住む人々)の文化というものが日本のストーリーテリングの文化と合うんじゃないかと思いました。さらに、日本の作品でよく見受けられる忠義、名誉、勇気、裏切りなども描かれています」と日本の作品との親和性についても解説。

続いて神山健治監督へのオファーの経緯について、チョウは「ピーター・ジャクソンが解釈した世界の延長戦の作品である本作ですが、神山監督は映画もアニメもただ見るだけでなく全部頭の中で分析している。そして、かなりテクニカルで脚本家でもあるから間違いないなと。まとめて言うと“天才だから”」と絶賛。

オファーを受けたことについて神山は「ジョセフから話を聞いた時は、内心は踊りだしたいくらい嬉しかったです。でも、これをアニメーションで作り上げることがどれほど大変かということをわかっていたので、『これはすごく難しいね』って言った覚えがあります」と振り返る。また、『ロード・オブ・ザ・リング』の新たな物語を創り上げることになったことについて「恐らく今までアニメーションで騎馬隊の合戦というものを映像化したことはないと思うんですよ。アニメでこれをつくるのは不可能だと正直思ったんですが、日本のアニメを作っている人たちを代表して絶対に受けるべき仕事だと思ったので、僕がここまで培ってきたモーションキャプチャーや3DCGなどのデジタル技術などを全部使えば、最終的に手描きアニメーションでもできるんじゃないかなと感じたんです」と振り返る。

神山健治監督
LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.

一足先に本編を視聴した津田は「やっぱり、すごいですね。飽きることなく画面に釘付けの状態で最後まで観ることができました。本当に良い作品に出演させていただいたなと思いましたね」とご満悦。LiLiCoも「背景に関しては、いまだに実写じゃなんじゃないかと疑っているんですよ」と手描きアニメーションの底力に驚嘆したようすだった。

津田「古典の良さが詰まっていて、でも現代を生きる僕たちが共感できるものもある」

原作である「指輪物語 追補編」の数ページしかないパートの映像化である『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。そんな本作のストーリーを作りあげていく過程について、ボウエンは「誰の物語であるかが大事だと思います」と前置きをしながら、「本作の主人公・ヘラは原作では名前がないキャラクターで、表記は『ヘルム王の娘』までです。ただ、この物語では彼女が誰と結婚をするのかというところから始まり、ローハンの戦いのきっかけをつくるんです。そして作品を観ていただくと分かる通り、アクション満載の戦いも彼女の視点から描かれます」と説明。

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』@東京コミコン
LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.

続いて、台本を読んだ時の感想を聞かれた津田は、「とても古典の良さが詰まっているんですが、でも現代を生きる僕たちもとても共感できるものもある。そして女性がどう生きていくかなどの現代的なテーマもうまく盛り込まれていて、頭から最後まで一気に読んでしまいました」と絶賛。また、自身が演じたウルフについては「ただの悪役ではないんです。見た感じはすごくワイルドでたくましい感じなんですけど、ちょっと弱さをはらんでいて、登場人物中で最も人間くさい。そして欠落している部分があるんですが、そこが魅力的。嫌われながらも愛されるキャラクターになるかもしれない」と考察。

ここでボウエンが、津田に対し「ウルフはヘラのことを心から愛していたと思いますか?」と質問し、津田が「愛していたと思いますよ」と返すと会場から拍手が巻き起こるという和やかな一幕も。また、アフレコ現場での様子について聞かれると「結構、丁寧に神山監督と打ち合わせしながら収録ができて、とてもスムーズでした。吹替の雰囲気も監督の意向も大事にしつつ。そして日本語吹替版も世界中で上映してくださるのは嬉しいですね」と喜びを交えながら語った。

津田健次郎
LOTR TM MEE lic NLC. © 2024 WBEI
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.

神山監督「手描きアニメでは実現不可能だと思っていた映像を、アニメーターの人たちが作り上げてくれました」

いよいよイベントも終盤、本作の注目してほしいポイントと最後の挨拶を求められると、「自分は脚本家ですが、運が良ければ自分が書いたモノがビジュアル的な名称によって映像化されるんです。今回がまさにそういうことに恵まれたわけです。『ロード・オブ・ザ・リング』はもちろん、映画がお好きな人であればぜひ劇場で見ていただきたいです。とにかくスケールが壮大ですし、津田さんをはじめ吹替版の演技が素晴らしい。音楽もサウンドエフェクトも劇場が揺れるくらいインパクトがあります。この場を借りまして日本の素晴らしいアニメーターの方々に御礼を申し上げたいと思います。この作品に魂を注ぎ込んでくださりありがとうございます。そして、この作品を通して世界に神山監督を知っていただけることも非常に誇らしく思います」とボウエン。

神山監督は「本当にたくさんのアニメーションを作ってきましたが、これほどのスケールの作品を監督するのは初めてでした。手描きアニメーションでは実現不可能だと思っていた映像をアニメーターの人たちが作り上げてくれました。本当にリアルで力強い映像になっています。そして音楽も本当に素晴らしいモノになっています。『これが映画なんだな』と自分でも驚くくらいクオリティが高く、作り手たちの情熱が反映された素晴らしい作品です。本当に観ていただきたい箇所が沢山ある。でも、どこか絞れない。とにかく一度劇場に足を運んでください。そして吹替版と日本語版の両方を観てください」と、それぞれ熱い想いをアピールしイベントを締めくくった。

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』は12月27日(金)全国劇場公開(吹替/字幕版同時公開※一部劇場除く)

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