子どもは勉強、大人は仕事。「集中力を爆上げ」するおうち環境の作り方
「集中力」あなたは家の中にいながら発揮することができていますか? お子さんは読書や学びの時間に集中できているでしょうか? 今日は、自宅にいながら集中力を最大化させる方法についてご紹介します。
勉強や仕事のためのスペースはある?
集中力を最大化させるうえで、もっとも大事にするべきは「没入感」です。
仕事でも、読書でも、勉強でもその一瞬に没入してしまい、他のことが目に入らなくなってしまう。この状態こそが集中できている没入状態です。
この集中状態は一説によれば1回につき15分ほどが限界で、この短い集中を何度か繰り返し、大人でも最大50分ほどで途切れてしまうと言われています。
この数値に関しては研究によって多少の前後はあるようですが、いずれにせよそんなに長い時間集中力が持続する、ということはないようです。
この短い没入状態に入り込みやすくするために、「環境」は絶大な力を発揮します。
たとえば、家だと集中できないけど、図書館の自習室ではすごく集中できる、ということはよくあります。
自習室は静かだったり、余計なものがなかったり、ということはありますが、もっとも大事なのは自習室が「仕事や勉強するための空間」であるということです。
そのため、この空間に入った瞬間に没入スイッチが自然とオンになってしまうのです。
自分の家に、勉強や仕事のためのスペースはあるでしょうか?
「いやいや、書斎とかつくるほど部屋に余裕ないよ」「子ども部屋があるけどちっとも集中しないよ」「ダイニングで仕事や勉強してるよ」なんて人も多いでしょう。
でも大丈夫です。個室じゃなくていいし、子ども部屋が集中できない理由もこのあとお伝えします。
視界のコントロールで没入を生み出す
まずは個室の空間を確保できない場合にどうすればいいか。
何よりもおすすめなのが、卓上パーテーションを利用することです。
集中力を発揮できる人は、どこにいても自分の中で没入スイッチのオンオフが切り替えられます。でも、多くの人はそうじゃありません。そこで視界を遮ることで没入スイッチをオンに切り替えます。
視界が広がり、いろいろなもの(TV、家族の姿、好きな漫画やゲーム)が目に入るたびに集中力は途切れ、再び集中するのに時間がかかってしまいます。なので、まずは視界を閉鎖的にすることで、作業への没入感を高めていきます。
また「パーテーションを広げたら勉強するんだ!」という気持ちのメリハリもできるため、より没入しやすくなるでしょう。
さらに、もしも可能であればノイズキャンセリングのヘッドホンなどを使って音も遮断します。
無音でもいいですし、集中力を高めるような環境音楽を流してもいいでしょう。いずれにせよ、没入するためには外部からの邪魔な音をできるだけ排除して、目の前の作業しか意識が向かないようにすることが効果的です。
「めんどうくさい」の力を最大限活用する
子ども部屋で集中して勉強してくれない、こっそり漫画読んだりゲームしたりしてしまう。
そんな場合はどうしたらいいでしょうか。
これは子ども部屋が勉強部屋ではなくて、リラックスできるお部屋になっている、ということです。
それ自体はべつにちっとも悪いことではありません。ですが、本棚には好きな漫画があり、手元にはゲームがあり、遊びたいおもちゃがある。
この状態ですべてを意志の力でガマンして勉強だけに集中せよ! というのは、なかなか酷なことです。
なので、勉強スペースから漫画やゲームへのアクセスをめんどうくさくするのです。
もしできるなら、ファミリーライブラリーをつくり、漫画も子ども部屋じゃなくそちらに移す。もしくは高いところに背表紙を裏にしてしまう。ゲームのコントローラーと本体を別の場所にしまうなどなど。ちょっと極端ですが、とにかく取り出すのがめんどうくさいようにしまいます。
または、子ども部屋は完全にリラックス空間にして、勉強はダイニングなどにパーテーションを使って行うなど。
勉強スペースに勉強に関係する物以外は、できるだけ置かないようにしましょう。
デスクの上は「デフォルト ゼロ」
デスクの上に好きなものをディスプレイしたくなる気持ちはわかります。
ですが、集中力を高めるためには余計なものを極力置かないことが重要です。
ディスプレイするにしても、できるだけ最小限に抑えましょう。
そして、仕事や勉強が終わったら使った道具や教材は必ず片付けます。合言葉は「デフォルト ゼロ」!
次に使うときに、物をどかしたり片付けなくてもすぐに作業に取りかかれる状態を維持します。
せっかく勉強しようと思っても、机を片付けているうちに集中力はすっかり失われてしまいます。
「やる!」と思ったら何の障害もなくサッとはじめられる。
この勢いが、集中のためのいいスタートダッシュとなります。
ぜひ、大人も子どもも集中できる環境づくりで、勉強や仕事が捗るわが家をつくりましょう!
三木智有/家事シェア研究家