【1時間約1円】ミストファンの実力を試してみた!スポット冷房・個涼に気化熱と送風のダブル効果「SHIZUKUクールミストファン」は効果があるのか?
「嫌がらせかよ」と思うくらい暑くないですか? 北海道なのに、室温が朝から30度超えですよ。とはいえ、電気代も高いですし。そんな筆者が注目したのがミスト(霧状の水)+送風のミストファン。1時間約1円で駆動するという「SHIZUKUクールミストファン」は涼しいのか、試してみました。
暑いけど、クーラーには頼りたくない北海道民の気持ち
スポット冷房のクールミストファンとは
我が家に届いた「SHIZUKUクールミストファン」(AMF-310)。箱のサイズが約26cm×14cm×37cmと小さくて驚きました
今年も暑いですよね。筆者は北海道に住んでいるのですが、仕事部屋は朝の9時で室温が約30度。嫌がらせではないかと思うレベルの暑さなのです。もう毎年、仕事部屋にクーラーを付けようと思うのですが、クーラーも電気代も高い昨今、簡単には決断できないのです。
そんな筆者がインターネットを眺めていて気になったのが、ミスト+送風で涼しくなるというミストファン。アピックスインターナショナルの「SHIZUKUクールミストファン」(AMF-310/税込10,780円)は振動子で発生させた最大約200mL/hのミストと送風で涼感を得るしくみ。
パッケージ裏面の使用イメージもデスクの上に乗せて、比較的近い距離で使用することを想定しているようです
ちょっと驚くのが、消費電力はわずか32W(最大出力時)、1kWh(キロワット)の単価を31円で計算すると、1時間あたり1円でスポット冷房、個涼が行えるというのです。しかも本体サイズは幅約10cm×22cm×26.5cm、重さは約1.3kgだといいます。仕事用のデスクに乗せても使える大きさ。
さらに実勢価格は1万円前後。新たに仕事部屋にエアコンを取り付けようと思ったら、工事費などを含めるとやはり10万円程度からという予算感になることに比べると1/10といった印象です。初期費用1万円、1時間の電気代が1円で、この暑さを乗り切れたら大ラッキー。最悪、レビュー記事のネタになればいいと割り切って「SHIZUKUクールミストファン」を導入してみました。
到着した「SHIZUKUクールミストファン」は思ったよりも小さい
確かに涼しいのですが、想像していた以上にうるさい
「SHIZUKUクールミストファン」本体のほかの付属品はACアダプターのみ。縦置きしたPS5よりも確実に小さなサイズです
耐えがたい暑さが少しでも軽減されれば、ラッキー。最悪効果がなくても、記事が書ければ程度の気持ちで導入した「SHIZUKUクールミストファン」が到着しての第一印象は「思ったよりも小さい」です。やや頼りないくらい。
サイズ感は縦置きしたPS5の上⅓をカットした程度だと思っていただくとわかりやすいでしょう。PS5ユーザー以外にはわかりづらいですが……。広辞苑の机上版とほぼ同サイズです。どちらにしても机の上に乗る程度のサイズになっています。
本体の上部に配置された操作パネルから、ボタン操作で電源のオン/オフ、風量が3段階、ミストの量を3段階、左右首振、1H/2H/4Hのオフタイマーが設定可能です。また、上下の風向きはルーバーを手動で動かすことで調整できます。
「SHIZUKUクールミストファン」の操作系は本体上部に集約されています。ボタン4つとシンプルにまとめられているのは高評価です
「SHIZUKUクールミストファン」の操作系は本体上部に集約されています。ボタン4つとシンプルにまとめられているのは高評価です。
本体下部のタンクの給水してミスト運転を行うのですが、タンク容量は約1.5L。水位窓の水位表示のMAX位置を超えると、水漏れや故障の原因になるので注意が必要です。取扱説明書に目を通して、タンクに水を入れ、実際に運転を開始してみました。
電源をオンにして、まず驚いたのが「うるさい」のです。物理的にファンが動いているので、ある程度は仕方ないのですが、フォーンという音が絶え間なく続きます。これは、かなり気になるのです。
そして、次に驚いたのが、ミストが混ざるだけで、こんなに……と思うレベルの送風の冷たさ。ミストの混ざった送風の当たる部分は、想像していたよりもかなり涼しく、冷たくなります。数分レベルで当たっていると、その部分が冷たくなってくるほどです。こんなに涼しくなるとは思っていませんでした。
涼しさは想像以上、騒音問題を解決できるか?
ノイズをキャンセルしたら、超快適で手放せない
送風口の上にある楕円形の小さな穴がミスト吹出口。ここから吹き出す風が想像以上に冷たい。しかし、駆動音はかなり騒々しいのです
「SHIZUKUクールミストファン」を実際に使ってみてわかったことは、想像以上に顔や首、上半身にミストと混ざった風が当たると、涼しくて、冷たくて気持ちよいこと、そして、使用時に発生する騒音が予想以上であることです。
騒音問題さえ解決すれば、部屋全体を冷やす冷房ではなく、スポットクーラー的な、個涼を得る装置としては、かなり優秀だという事実。まずは、どのくらいの騒音が発生しているのかを客観的に計測してみました。
スマートフォンの騒音測定アプリを使い、風量1〜3まで、それぞれで「SHIZUKUクールミストファン」から50cmほどの距離で計測したところ。風力1で53dB前後、風力3では58dB程度の騒音が発生していました。測定距離を約50cmとしたのは、これくらいの距離でデスクの上に乗せて、顔や首筋、上半身に風が当たるように設置すると、とても涼しいため。
「SHIZUKUクールミストファン」を開けたところ。左上が本体と円筒形の振動子部分。右下が容量約1.5Lの水タンク部分です
一般的に室内で快適に過ごせる騒音レベルが40dB、50dBを超えると騒音を感じはじめ、60dBを超えると、無視できないレベルになるといいます。「SHIZUKUクールミストファン」を連続で使うと53〜58dB程度の騒音が常に耳の近くですることになります。
これは筆者にとって、ちょっとそのままでは、仕事をするのはもちろん、リラックスタイムにおいても無視できる騒音ではありません。しかし「SHIZUKUクールミストファン」をデスクの上に設置して、風量2〜3、ミスト3で左右首振をオンにして首筋を中心に当てると、かなり涼しく気持ちがいいわけです。
騒音を解決する方法を検討しました。53〜58dB程度の騒音は、騒がしいカフェ程度です。そして、この騒音を解決するために筆者は、アクティブノイズキャンセル(ANC)機能を搭載したヘッドホンを使っています。具体的には「1MORE SonoFlow SE HQ31 ワイヤレス ヘッドホン」です。
筆者が普段から愛用している「1MORE SonoFlow SE HQ31 ワイヤレス ヘッドホン」。−42dBのアクティブノイズキャンセリング効果があるとされています
比較的規則的で単調な騒音のため、アクティブノイズキャンセルが効果的なのではないかと考えました。そして、実行してみたところ、効果てきめん。歌詞のある楽曲ならほとんど気にならないレベルに、自然環境音といったものでも、さほど気にならないレベルになります。非常に快適。
アクティブノイズキャンセル付きのヘッドフォンと「SHIZUKUクールミストファン」で、筆者は想像以上に暑い夏を乗り切るための冷感・涼感を手に入れました。ただし「1MORE SonoFlow SE HQ31 ワイヤレス ヘッドホン」は比較的大型のヘッドフォンなので、装着していると暑いのです。
そのため「SHIZUKUクールミストファン」との組み合わせで、冷感・涼感をさらに高いレベルで得られるように、強力なアクティブノイズキャンセルを搭載したイヤホンを探そうと思っています。