愛猫がうつ伏せで『ごめん寝』をするときの理由4選 お顔を隠して苦しくないの?
猫の「ごめん寝」とはどんな寝方?
猫の飼い主なら愛猫が「ごめん寝」と呼ばれる寝方をする様子を、目撃したことがあるでしょう。
ごめん寝とは猫が前足や床面に顔をうめて寝る姿で、土下座をしているように見えることからできた造語です。
ほかにも「ごめん寝コ」や「土下座寝」「すまん寝」といった呼び名があり、どの呼び名もその見た目から「謝罪」の意味が含まれているのが面白いところ。
またごめん寝の姿にはバリエーションがあり、猫によって手の位置や体勢が異なります。
たとえば顔の下に手をおいたり、体の中に折りこんでいたり。ごめん寝の姿は多くの飼い主がメロメロになるほど、魅力的でかわいい猫の一面です。
ちなみにごめん寝は苦しくありません。なかには窒息を心配する飼い主さんもいますが、基本的に猫は息苦しいと感じると自然に姿勢を変えて呼吸しやすい体勢に調整するので、心配はいりません。
人間も枕にうつぶせになって寝ると自然に寝返りをうって調節しますが、それと同じです。
『ごめん寝』をするときの理由4選
1.まぶしいから
猫がごめん寝をする理由で多いのは、「まぶしいから」です。
猫は薄明薄暮性の動物であり、薄暗い中での活動が得意。そのため昼間の明るい光が猫にとっては過剰な刺激となるので、光を遮るために「ごめん寝」のポーズで眠ります。
猫の目は人間の目に比べて光をより多く取り込む構造(タペタム)をもっているため、強い光やまぶしさを感じやすいのです。
とくに日中の直射日光や部屋の明るい照明が差し込む場所では、猫は自然に目を覆って光を避ける仕草をします。
顔を前足の間や床に押し付けることで、光を完全に遮断し、快適に眠ろうと工夫しているんですね。これが「ごめん寝」をする大きな理由のひとつです。
2.少し寒いから
猫が寒さを感じたときも、「ごめん寝」をします。
もともと砂漠地帯で生きていた猫は、暑さよりも寒さに敏感な生き物です。とくに体が小さい猫や寒がりな猫は、体温を保持するためにさまざまな工夫をします。
猫の体温は約38~39℃と人間よりもやや高めですが、それでも寒さを感じます。そのため季節の変わり目や部屋の温度が少し低いときに、「ごめん寝」のポーズをすることが多い傾向が…。
「ごめん寝」のポーズを取ることで、猫は自分の体から放出される熱を逃がさないようにしているんですね。
顔や鼻を前足の間や床に密着させることで寒さから顔を守り、体全体の熱を閉じ込めて、冷たい空気に触れる部分を減らしています。
顔やお腹といった大切な部分を覆うことで、暖かさを保ちながら、快適に眠れるようにしているのかもしれません!
3.周囲がうるさいから
周りの環境がうるさいときも、「ごめん寝」をするときがあります。
猫は聴覚が非常に発達しており、人間には聞こえない高周波の音や、遠くの物音さえも敏感に感じ取ります。
このため猫にとって騒がしい環境や突然の大きな音は、大きなストレスとなるのです。
たとえば休息や睡眠をとろうとしている時に周囲がうるさいと、猫はリラックスできず、眠りにくくなります。そんなとき、猫が取る行動のひとつが「ごめん寝」です。
顔を床に押し付けたり耳を下向きにすることで、外部からの音の流入を妨げ、落ち着いた環境を作り出そうとします。
猫は日中多くの時間を寝て過ごすため、その眠りの質を高めることは非常に重要なことで、なるべく静かな環境でより安眠できるように、猫なりに工夫しているのでしょう。
4.偶然の寝相だから
「ごめん寝」しているのが、偶然であるケースもあります。
猫は日中多くの時間を寝て過ごしますが、その寝相はさまざまです。
丸くなって寝る・伸びきって寝る・お腹を丸だしで寝るなど、猫は自由に体を動かして、快適なポジションを探しながら眠りにつきます。
「ごめん寝」もそのひとつで、特に深い意味を持たないこともあるようです。
猫がこの寝相を取るのは単純にその瞬間に体が楽だったり、居心地が良かったりするから。寝る前に体を丸めたり、伸ばしたりして自然と「ごめん寝」の姿勢になってしまうんですね。
つまり顔を隠したり、前足を折りたたんだりする意識がない場合、ただ偶然その形になったに過ぎないわけです。
そのため「ごめん寝」が見られたからといって、必ずしも特別な理由があるわけではありません。
まとめ
猫がうつ伏せで「ごめん寝」をする理由は、光や音を遮断したり、暖かさを求める行動に由来しています。猫が、静かで落ち着いた環境で眠りたいという心理を反映しているんですね。
飼い主は愛猫が快適に過ごせるよう、適切な温度管理や静かな場所を提供してあげるといった対策をしてあげましょう。