「疲れがとれた」は勘違い!? 栄養ドリンクが疲労回復の妨げになる原因に?【眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話】
栄養ドリンクは飲むほど疲れていく
「疲れがとれた」は勘違い!
栄養ドリンクで疲れ解消!と思っている人は多いようですが、実は現在市販されている栄ドリンクの中で疲労回復効果が人を対象とし科学的に実証できているものは1つもありません。現在、栄養ドリンクの多くが「タウリン」の含有量をアピールしていますが、そもそもタウリンに疲労を回復させる効果はありません。しかもタウリンは体内で必要量を合成できる成分のため、大量に摂取する必要はありません。
それでも、栄養ドリンクを飲むと、頭がスッキリして疲れがとれた気がするという声もありますが、ドリンクに含まれている大量のカフェインの覚醒作用と、微量のアルコールで気分が高揚しているだけ。疲労そのものは解消されていません。それどころか、過剰に摂取すると感情のコントロールが効かなくなったり、依存症を引き起こしたりする恐れがあるとして、安全性の調査が行われている国もあるのです。
例えば、徹夜明けのプレゼンや試験勉強など、一時的に気合を入れたいときの目覚まし剤としての効果は否定しません。ただし、頼り過ぎは禁物です。日常的に栄養ドリンクを摂取していると、その覚醒効果や高揚感で疲れが回復できたと思い込み、実際は疲労が蓄積されていく危険性があるからです。かえって疲労回復の妨げになってしまうのです。
栄養ドリンクで疲労が増えている!?
疲労回復のおすすめドリンクは?
コーヒー
コーヒーの黒い色の元になっているのはクロロゲン酸というポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持つ。カフェインの摂り過ぎを防ぐため1日3〜4杯までが適量。
日本茶
日本茶に豊富に含まれるカテキンなどの抗酸化物質が体内の酸化ストレスを軽減し疲労を防いでくれる。さらに、アミノ酸の一種であるL−テアニンがリラックス効果をもたらす。
甘酒
「飲む点滴」ともいわれ、疲労回復を促すビタミンB群をはじめ、食物繊維やブドウ糖などが豊富に含まれている。江戸時代には夏場の体力不足を補う飲み物として活躍した。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』著:梶本修身