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DEEP「何度でも」インタビュー――DEEPの音楽に救われたという人が一人でもいるなら歌を歌い続けたい

encore

──現在、DEEPは6年ぶりの単独ツアー『DEEP LIVE TOUR 2024 “夜明け”~Life Story』を開催中です。ツアー開始前はどのような心境でしたか?

TAKA「意外と気負いはなかったですね。いつも戻りでした。ただ、17年やっていてリリースした曲は100曲以上あるので、そこからセットリストを考えるのが大変でした。今回のツアーでは、曲のメドレーを入れているのですが、それって以前よくやっていたスタイルで。久しぶりの単独ツアーだからこそ、そういう昔やっていたこともあえて入れてみたりして…感慨深いステージになっています」

──その感慨深さはどういったところに感じますか?

TAKA「昔からのファンの人たちの顔が見えるんですよ。今でもDEEPがツアーをするとなったら集まってくれるんだなと思うとすごく嬉しくて…。“何度も使って洗濯しているんだろうな”と感じるようなちょっと端がボロボロになっている昔のツアーのタオルが見えたりして。そういう方と新しいファンの方がいるというのは、長くやってきたからこそ見れる景色だし、長くやってきたからこそ感じられる気持ちなんだと思うと、“続けてきてよかったな”って、改めて噛み締めながらステージで歌わせてもらっています」

YUICHIRO「僕は、ツアー前はなんとなく不安な気持ちがありました。“ファンの人、来てくれるのかな?”って…6年も空いちゃっているので。その間にDEEP SQUADとしての活動はありましたけど、3人での活動は本当に久しぶりなので、不安のほうが大きかったです」

──実際にやってみていかがでしたか?

YUICHIRO「ファンの方の笑顔を見て、“待っていてくれたんだな”と感じました。すごく手応えもあるし、“ツアーが出来てよかったな”と、すごく思いました。今回は4公演だけなんですが、“来年はもっと色々な街に行けたらいいな“と思えるようなツアーになっています」

KEISEI「やる前は、“このツアーはもっとラフな感じでもいいのかな?”と思っていたんです。歌はもちろんですけど、MCもメインで、曲をやって“あのときはこうだったよね〜”って話をして…ってもっとゆっくりやるような。でも今回はそうしないで、シンプルに曲をパフォーマンスする構成にしました。ラフな感じもDEEPらしいんですけど、逆にこの“締め感”が出せるのもDEEPの良さなので」

──どちらも出来る中で、今回は曲メイン構成にしたのはどうしてだったのでしょうか?

KEISEI「DEEPってアレンジをしていくよりも、シンプルに“原曲に忠実に聴かせる“ということをやってきたグループなんです。だからある意味、曲をメインで聴かせていくのが僕らの答えだったというか…元の鞘っていうか」

TAKA「毎年ツアーをやっていたら、違う形にしてもよかったんですけど6年ぶりだったので、一度立ち返って、昔にやっていたスタイルでやりたかったんです。曲メインにしたので、ライブの尺的にはいつもより短かったかも…MCでたくさん喋るのを我慢したし(笑)。それでも今回はこうしようと」

──ツアーの東京公演では、ゲストとしてDEEP SQUADのパフォーマンスがありました。

TAKA「やっぱり6人はしっくり来ますよね。“待ってました!”という感じのお客さんもいましたし、嬉しかったです」

KEISEI「6人揃うとフレッシュですよね。人数が増えるとパフォーマンスでの難しさももちろんありますけど、そのぶん迫力も出せますし、3人(宇原雄飛、RYOJI、SUZUKI)も相当成長していましたし」

──3人の成長はやはり感じましたか?

KEISEI「1人のシンガーとして見ると、“いろんな悩みもちゃんと乗り越えて、殻を破ってきたんだな“って思いました。雄飛なんて当時19歳だったけど、もう24歳ですからね」

──現在、宇原さんはTHE JET BOY BANGERZ、RYOJIさんとSUZUKIさんはWOLF HOWL HARMONYのメンバーとしても活躍しています。彼らの成長や活動はどのように感じていますか?

TAKA「一緒にステージに立って改めて、“頑張ってほしいな”、“応援したいな”と思いました。自分たちも彼らの年齢のとき、そうでしたけど、今ってがむしゃらに頑張らないといけない時期だと思うんです。だから悔いのないようにやってほしいですし、彼らが頑張れば頑張るほど、戻ってきたときにDEEP SQUADにとってすごくプラスになると思うので。DEEPは、彼らがいつでも戻って来られるように場所を守っていたいし、彼らのファンに“DEEP SQUADもいいな”と思ってもらえるような6人になれたらいいな…そう思っています」

──またライブではTAKAさんの“一人でもDEEPの音楽に救われたという人がいるなら続けたい、と覚悟が決まった”とおっしゃっていたのが印象的でした。それを感じたのは、いつ、どのようなタイミングだったのでしょうか?

TAKA「ここ数年です。若い頃は自分が好きな歌をがむしゃらに歌うという、ある意味、“ちょっと自己満足的なところを見せつけていただけ“という気がしていたんですけど、ここ数年で”それってプロじゃなくてもできることだな…“って思ったんです。そうじゃなくて、”お客さんの前で歌う意味って何だろう?“と考えたときに、出た答えが“誰かのために歌うこと”でした。ファンの人たちに“DEEPのこの曲を聴いて乗り越えました”とかそういうことを言ってもらえるとプロ冥利に尽きますし、それが、この世界でやっていくことの意味であり意義なんだと思いました。そのときに、“僕たちの音楽を1人で必要としている人がいる限り僕たちは歌わなきゃいけない”って思ったんです」

──それに気づいてから、歌い方とやステージングは何か変わりましたか?

TAKA「もともと思っていたことではありましたけど、やっぱりたった一人のために歌う気持ちで歌うということは改めて感じます。会場が小さいところであれ、大きなところであれ、1人のために歌う。そこにいる全員が“自分のために歌ってくれている”と思ってくれたらいいなと思いながら歌っています。それは今の僕にとって、音楽人生の1つの答えなんだと思います」

──YUICHIROさん、KEISEIさんは、そういう音楽や歌に対する意識の変化は何かありましたか?

YUICHIRO「僕は自分自身が音楽に救われて、僕も何かを伝える側になりたいと思って歌手になったので、その気持ちはぶれないんですけど、いろいろなことを経験していくことによって、歌詞をもっと深い意味で伝えられるようになってきていると思います。今回のツアーの東京公演のアンコール、「SING」という曲で泣いてしまったんですけど、それも歌詞を噛み締めてしまったからで。<かけがえない大事な人失う度に想ふ>という歌詞があるんですけど、親戚や、仲良くしてくださっていた志村けんさんのことなどを思い出して、涙がこらえられなかったです。年齢のせいもあるかもしれないけど(笑)、やっぱり経験が増えていく分、若いときよりも歌詞を深い意味で伝えられるようになっていると思います」

KEISEI「僕はコツが掴めるようになってきました。結局ノっているときの自分が一番歌がうまいんです。だからノるコツがつかめるようになってきました。よく“スイッチを入れる”とかいいますけど、そういうことなんでしょうね」

──気持ちを作っていくルーティーンなどありますか?

KEISEI「いや、ひたすら頭の中で想像しまくって楽しい気持ちにしていくっていう、力技です。とにかくボイトレに通うとか、そういうことよりも、“ノっている自分が一番うまい”ということがわかったのが一番の変化ですね」

──そんなツアー中に、こちらも6年ぶりの新作EP『何度でも』がリリースされました。表題曲はツアーでも披露していましたが、歌詞はそれぞれが自身のパートの歌詞を書くという形で作詞を手がけられたそうですが、そのアイデアはどのように生まれたものなのでしょうか?

TAKA「「何度でも」ではこれまでの17年間の生き様とか、その中で感じた思いを赤裸々に書こうという話になったので、だったら自分が歌っているところは自分で書いたほうが説得力もあるし、より伝えたいことが書けるんじゃないか?という話になって…」

──そもそも、17年間の自分たちの思いを赤裸々に綴る曲にしようということになったのはどういった理由から?

YUICHIRO「スタッフさんと話していく中で、“DEEPはこれまで活動してきて、いいことだけじゃなくて、嫌なことや苦しいことも経験してきている。そういった思いを歌にして、それを引っ提げてツアーを回るのがいいんじゃないか?”という話になったんです」

──苦しかったことも赤裸々に歌詞にするというのは難しかったですか? それともスッと書けましたか?

TAKA「いや〜、難しかったですね」

YUICHIRO「言葉にできないこともあるし…」

TAKA「そうそう、“このワードはさすがに使えないよね”とか。“このクソ野郎!”みたいに思ったことももちろんありますけど、そのまま歌詞にするわけにもいかないですし。DEEPの楽曲のイメージもあるので、そこに乗せていくのは難しかったですけど、リアルな気持ちをさらけだせていると思います」

──お互いの歌詞を見て感じたことを教えてください。

TAKA「僕はYUICHIROが書いたサビがまさに、さっき話もしたMCで言ったことで。<この声で”誰か”⼀⼈でも救われるならば…/この命⼀度きり果てるその⽇まで⼼燃やして歌い続けるそんな⼈⽣がいい>。はい、もうその通り! すごく共感しました」

YUICHIRO「ここはレコーディングギリギリまで書き直して、この言葉が出てきました。でもさっき話した「SING」でも歌っているように、この命は一度きりなので、後悔しないように僕ができることと言ったら歌い続けることだし、仕事だったり、聴いてくれる人がそれぞれ自分の何かに置き換えてもらえたらと思って書きました」

──そんなYUICHIROさんが他のメンバーの書いた歌詞で感じたことは?

YUICHIRO「始まりの<掴めそうで掴めない夢>は、まさにDEEPだなって思いました。日本武道館には立てましたけど、本当はアリーナとかにも行きたかったですし…」

TAKA「DEEPって要所要所で“あと一歩”っていうときに何かが起きるんです。行けそうで行けないのがDEEPみたいな感じがあって…」

YUICHIRO「日本武道館のときも、東日本大震災が起きて延期になって…。DEEP SQUADはすぐコロナ禍になって活動しづらくなったり。あと<新しい⾵が通り過ぎてはまた去っていく>はDEEP SQUADの若いメンバーのことなの?(笑)」

TAKA「違う違う! 彼らは去ってないから!LDHから新しいアーティストがたくさんデビューして、DEEPを追い越して売れていくから、それに対して悔しく思うことを書いたの。あとは、RYO(2018年に脱退)とかもそう。COLORからDEEPになって新しくなったら、RYOが抜けて寂しくなって…っていう」

──続きの<寂しさと悔しさ抱えたまま>も含めて、まさにファンの方も一緒に感じたであろうリアルな感情ですよね。

TAKA「はい、いいことばっかりじゃなかった17年でしたから。それと、KEISEIの<⼼の叫びを今重ねよう>も好きです。今回って“歌”じゃなくて“叫び”なんです。実際キーも高くて、歌うというよりも心の声を叫んでいる感じが表現できていて良いなと思いました」

── KEISEIさんはどのような思いでこの歌詞を?

KEISEI「リリースイベントで自分たちの曲を聴いてくれている人たちの顔を見ていると、“やっぱり人生いろいろあるよな”って感じるんです。自分たちもそうですけど、みんなも年齢だけじゃなくていろんなものを重ねていて。そういう人たちの背中を…押すんじゃなくて、さするような曲にしたかったんです」

──先ほど“叫びみたい”というお話もありましたけど、歌う上で意識したことはありますか?

TAKA「キーが高いので、意識しなくても自然と情熱的になります。パフォーマンスのときは自ずと必死になるし、余裕がない感じになるので、それが曲の世界観とぴったりでよかったなって」

──それは意図的なのかと思っていました。

TAKA「いえ、自然とです。風邪を引いていたら歌えないと思います(笑)」

KEISEI「良い禊の曲です(笑)。乱れた生活をすると次の日は歌えません。“歌ファースト”の生活になります。全曲こういう曲だったら真っ当に生きられるだろうなぁ(笑)」

YUICHIRO「確かにキーは高くて大変ですけど、僕はもともとキーが高いから、気持ちよく歌える高さでもあって。気持ちよく思いを乗せられました」

KEISEI「この曲って壮大じゃないですか。壮大に歌い上げるって難しいなって改めて思いました。しかもリズムもゆったりなのですが、キーが高いと走っちゃいそうになるので、難しいです」

YUICHIRO「こういう曲、DEEPでやってそうで意外と初めてなんですよ」

TAKA「僕らがずっと歌い続けてきたK-CI & JOJOのカバー曲で「Tell Me It's Real」にちょっと近いものを感じます。歌い上げるミドルテンポの曲で…。“あの感じで日本語のオリジナル曲ができたらいいよね”ってずっと思っていたけど、なかなかうまくいかなくて。ようやくできたなという感じがします」

──2024年のDEEPは、6年ぶりに単独ツアーを開催して、新たな挑戦も込めたEP『何度でも』をリリースしました。先ほど“来年はもっとライブをやりたい”というお話もありましたが、DEEPとしての2025年の目標や想定している活動を教えてください。

TAKA「やっぱりライブをたくさんしたいです。我々は現場の男なので。コロナ禍から本数が減っちゃいましたけど、昔は年間100本近くライブをやっていたんですよ。本来DEEPはそれくらい、生で歌を届けるグループなんです。だからここからまた帯を締め直して、イベントでもいいしツアーでもいいから、47都道府県行くくらいの勢いで、細かくライブをやっていきたいです」

──グループとしてのこの先の目標や展望はありますか?

TAKA「日本武道館にもう一回立ちたいかな。20周年を迎えるときに日本武道館に立てていたらすごくいいですよね。うん、それは一つの目標です」

(おわり)

取材・文/小林千絵
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

2024年12月11日(水)発売
AICL-4677〜8/3,000円(税込)

DEEP『何度でも』

2024年12月11日(水)発売
AICL-4679/2,200円(税込)

DEEP『何度でも』

LIVE INFORMATION

2024年11月21日(木) 愛知 DIAMOND HALL
2024年12月6日(金) 東京 Zepp DiverCity (TOKYO)
2024年12月19日(木) 大阪 GORILLA HALL OSAKA
2024年12月21日(土) 福岡 DRUM LOGOS

DEEP LIVE TOUR 2024 “夜明け”~Life Story

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