【宮城・仙台】大満寺|癌封じの祈りと癒やしが息づく虚空蔵尊の霊場
こんにちは、東京特派員のhossieです。 今回は、癌封じの御利益で知られる大満寺(仙台市)をご紹介致します。静かな住宅街の奥に佇む仙台市太白区の大満寺は、「がん封じの寺」として全国に知られ、多くの参拝者が病気平癒や心の平安を願って訪れます。本尊・虚空蔵尊を祀る本堂をはじめ、境内には祈願札が丁寧に奉納され、特別祈祷も随時行われており、深い祈りの空間が広がっています。病と向き合う方々にとっての“心のよりどころ”とも言えるこの寺を訪ね、祈りの意味を改めて見つめ直してみませんか。
杜の都の高台に佇む──虚空蔵尊の古刹へ
仙台市太白区向山。緑に抱かれるように佇む「大満寺」は、800年の歴史をもつ曹洞宗の寺院です。山号を「虚空蔵山」と称し、その名の通り本尊には虚空蔵菩薩を祀ります。 境内は、あの「青葉城恋唄」にも歌われた広瀬川の流れと仙台の街並みを望む絶好の地。 訪れる者はまず、凛とした山門をくぐり、200段以上の石段を一歩一歩登ってゆきます。 ここはまさに心と体の迷いを祓い、仏に近づくための道のりです。
由緒は古く、奥州藤原氏が開いたと伝えられています。伊達政宗以前は、青葉山の「虚空蔵楯」に位置しており、「千躰城」とも称されていました。 城名の由来は、堂内に安置された無数の小さな仏たち──「千躰仏」。 この地に根づいた祈りの文化が、やがて「千躰」から「千代」、そして現在の「仙台」へと、地名の由来にまで影響を与えたという伝説も残ります。
仏の霊域を歩く──堂宇と千躰仏の荘厳さ
大満寺の見どころは、なんといっても朱塗りが鮮やかな「虚空蔵堂」。1659年に建立され、仙台市指定の有形文化財にもなっています。 宝形造・桟瓦葺の堂宇は、屋根の隅に施された龍や唐獅子の意匠に、当時の技巧と荘厳さが今も息づきます。 堂内に安置される虚空蔵尊は、丑・寅年生まれの守り本尊。知恵と記憶を司る仏として、学業成就や厄除けに訪れる参拝者も多く、特に十三参りでは多くの子どもたちと家族の姿が見られます。
そして、千躰堂の内陣を埋め尽くすように並ぶ千躰仏は圧巻。小さな仏像ひとつひとつに祈願主の想いが込められ、光を浴びて黄金色に輝く様は、まさに信仰の結晶といえるでしょう。 境内にはこのほか、写経や法要が行われる本堂、納骨や通夜会場として整備された至浄殿・金剛閣も整っており、地域の祈りの中心として機能し続けています。
がん封じの寺…病に悩む人々の祈りの場所
大満寺が「がん封じの寺」として知られるようになった背景には、虚空蔵尊の深い慈悲と、祈願成就の数多くの実例があります。 病に苦しむ人、家族の健康を願う人々が、全国からこの地に足を運び、特別祈願やお守りを求めて参拝します。 祈祷は予約制で、名前と願意を読み上げ、丁寧に読経が行われます。授与される「がん封じ守」や「病気平癒守」は、身に着けることで仏の加護を受けられると信じられています。 また、願いを込めて奉納する「千躰仏」も、病気平癒を願う多くの人の希望となっています。
西山道環住職の言葉によれば、「大満寺は“祈る場所”であると同時に、心のよりどころでもあります。特に病と向き合う方にとっては、心に信心安心を持って生きていくことが、必ず私たちにとって道標となります」とのこと。 まさに、物理的な治癒だけでなく、精神的な癒しを与える寺であることが伝わってきます。 心の中にそっと風が吹くような、そんな時間がここにはあります。 ふとした休日に、祈りの旅へ出かけてみませんか。
末筆ながら、記事の掲載にあたりご協力をいただいた大満寺のご住職、西山道環様に、この場を借りて御礼申し上げます。有難うございました。
アクセス・所在地
■大満寺 住所:宮城県仙台市太白区向山4丁目4-1 電話番号:022-266-6096 アクセス: ・東北自動車道 仙台南I.C から車で20分又は、仙台宮城I.Cから車で15分 ・仙台駅西口よりタクシーで約10分 ・地下鉄南北線 愛宕橋駅 西出口より徒歩10分 ・地下鉄東西線 八木山動物公園 西1出口よりタクシーで約8分 ・仙台駅西口よりバスで約15分 駐車場:有り(150台) 公式サイト:https://www.daimanji.or.jp/ 参考サイト:大満寺(仙台市)|虚空蔵尊を本尊とする癌封じ祈願の霊場
TEXT by hossie