源泉徴収票でわかる《リアル年収》派遣の51歳。シングルマザー。生活だけで精一杯です【FPが解説】
読者から寄せられた「年収の額」を大公開。はたしてこの年代・業種で年収が多いのか少ないのか、質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【51歳 事務職】
【年収いくら?】51歳、事務職の場合
プロフィール
51歳、女性
通信業の事務職(派遣社員)
▼現状
年収:約182万円
ボーナス:なし
労働時間:月140時間、残業はなし
家族構成:1人暮らし
【相談内容】生活だけで精一杯。子どもの大学費用はどうしたらいい?
「離れて暮らす娘の大学費用が足りません。給付型奨学金と国の教育ローンで支払っていますが、教育ローンは卒業後に返済しなくてはならないので本当は利用したくありません」
現在の年収は平均と比べると高い?低い?
質問者さんの現在の年収は、約182万円です。
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、50〜54歳の正社員以外の情報・通信業で働く女性の平均年収は約371万円*。
このことから、質問者さんの現在のお勤め先は、残念ながら平均よりもかなり低い水準と言えそうです
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
教育ローンに頼らずに大学費用を工面するための方法とは?
質問者さんは娘さんの大学費用を工面するために、給付型奨学金と国の教育ローンを利用されているのですね。
教育ローンの返済負担を減らしながら、できる限り無理のない方法を探していきましょう。
大学費用の負担を減らす方法を活用
大学独自の奨学金制度や自治体の支援制度を利用できる可能性があります。
大学独自の奨学金
成績優秀者向けの特待生制度や、家庭の経済状況に応じた授業料減免などの支援制度がある大学もあります。
大学の奨学金窓口や公式サイトで詳細を確認し、申し込み可能なものがないか調べてみましょう。
自治体の奨学金・助成制度
一部の自治体では、大学生向けの奨学金や学費補助制度を設けています。
お住まいの自治体のホームページで情報をチェックしてみてください。
企業や団体の奨学金
一般財団法人や民間企業が提供する奨学金の中には、 返済不要の給付型もあります。
応募には成績や家庭の収入条件などの要件がありますので、利用できるものを探してみてください。
お子さんのアルバイトで負担を分散
娘さんが無理のない範囲でアルバイトをすることで、通学費や生活費の一部を補い、家計の負担を軽減できます。
働くことで、少しずつ経済的な自立を進める良い機会にもなるでしょう。
奨学金を利用しなければ、娘さん自身が返済の負担を背負う心配もなくなります。
研究補助員やキャンパス内の業務など、学業と両立しやすい仕事を提供している大学もあるため、窓口で相談してみると良いでしょう。
同年代の年収平均は……
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、50〜54歳女性の平均年収は約343万円*です。
質問者さんの年収は約182万円と、年齢別の平均と比べると低い水準になっています。
*……参考:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
まとめ
・大学独自の奨学金制度や自治体の支援制度を利用できないか確認しましょう。
・娘さんにアルバイトで協力してもらうことで将来の返済負担の心配を減らせます。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。