【小田原市】小田原城北工高 免許更新、映像で解説 小田原警察署で再生
小田原城北工業高校の生徒が運転免許証の更新手続きなどを説明した映像を制作し、9月下旬から小田原警察署1階のモニターで再生されている。同署では免許証更新の予約制度導入や「マイナ免許証」の運用開始など、大きく変わった制度の周知に役立てたい考えだ。
小田原署は、県の交通教育推進運動「スタートかながわ」で今年度のモデル校に指定されている同校に免許証の更新手続きなどの周知に向けた協力を依頼。署の1階ロビーに設置されたモニターで、生徒が作成した映像を流すことにした。
窓口写真交え分かりやすく
制作に取り組んだのは、同校の交通安全推進委員会で委員長を務める宮根氏綱さん(電気科3年)と副委員長の山口絢大さん(同)。2人とも免許証を取得しておらず警察署に来庁することもほとんどなかったことから、免許証窓口の見学や予約制度などに関する説明を受けたり、インターネットで情報収集してイメージを膨らませた。
映像では、県警が今年8月から開始した免許証更新の予約制度や、「マイナ免許証」について解説。小田原署で撮影した写真を交えながら、更新手続きなどを順序立てて伝えることにこだわったという。運転に不安がある高齢ドライバー向けの「安全運転相談ダイヤル(#8080)」周知に向け、同校美術部員が描いたチョークアートの制作風景も盛り込んだ。
年間5万人が更新
同署は県西地域で唯一となる免許証の即日交付署に指定されており、年間約5万人が更新手続きに訪れている。予約制の導入で混雑は緩和傾向だが、新たな制度の周知が課題だったという。
制作に携わった2人への感謝状贈呈式が9月22日に同署であり、松本光好署長は「警察署を訪れる方に1人でも多く映像を見ていただき、免許更新手続きに関する周知啓発や交通安全意識の向上を図りたい」と期待を寄せた。
宮根さんと山口さんは「自分たちが作ったものが警察署で流れているのは不思議な気持ち」と話し、「映像制作を通して交通安全を考えるきっかけになった」と活動を振り返った。