サービス業、女性の《リアル貯金額》。余裕がなく不安……。計画の立て方を教えてください【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな総資産額を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【28歳 女性】
【貯蓄額】44歳、女性の場合
プロフィール
28歳、女性
サービス業の事務職
年収350万円、世帯収入700万円
【相談内容】将来の支出や貯金などの計画の立て方がわかりません。
「夫婦共働きですが、年収が少ないため手取りを増やして投資に回したいと考えています。しかし、どのような計画を立てれば貯金を増やせるのかわかりません。現在の貯金の振り分けが正しいのかも含めて、アドバイスが欲しいです」
相談者さんの貯金額はかなり高水準
相談者さんは夫婦共働きで、本人年収は350万円、世帯収入が700万円あります。
住んでいる地域によって物価水準は多少変わりますが、ご夫婦2人の生活であれば今のご年収でもある程度の余裕はあると推測できます。
無駄遣いもされず、堅実に過ごされているのでしょう。
20代の2人以上世帯の平均貯金額は249万円、中央値は30万円*であるため、相談者さんの貯金は平均よりもかなり高水準にあります。
*……参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年」
支出や貯金計画にはライフプランが有効
効率良い貯金の方法は、以下のとおりです。
1. 将来の支出を想定し、貯金の目的を明確にする
2. 目的ごとに貯金計画を立てる
上記の「目的」とはお金の使い道のことであり、住宅購入や教育費など支出額が大きいものを指します。
将来の支出や貯金の計画には、ライフプランの作成が有効です。
ライフプランとは、文字通り人生の計画のこと。
作成することで大きな支出のタイミングや金額、それに向けた貯金計画が立てられます。
ライフプランによる大きな支出のタイミングごとの貯金計画のポイントは、以下のとおりです。
①10年程度で必要になる資金(短期資金)
代表的な使い道は、車や家電製品の買い替え資金、その他災害などの緊急時の予備資金など。
「増やす」よりもすぐに引き出せることが重要なので、積立投資ではなく銀行預金で貯めていきましょう。
②20年前後で必要になる資金(中期資金)
代表的な使い道は、教育資金。
積立投資を少し織り交ぜ、「増やす」を意識した貯金を行いましょう。
ただし、変動が激しい株式投資信託よりも比較的安定した値動きの債券投資信託を中心に。
③30年超で必要になる資金(長期資金)
代表的な使い道は、老後資金。
「増やす」を意識した株式投資信託を中心に貯金をしましょう。
新NISAやiDeCoなどの税制優遇もフル活用を。
このように、資金が必要になる時期によって適切な貯金方法が異なります。
世貯金額の適正額を目指そう
相談者さんの貯金の内訳は預貯金が過半数を占めていますが、もう少し増やせると良いですね。
預貯金の適正額は、緊急時の予備資金として3〜6ヶ月分の生活費及び車の買い替え資金の合計額。
300〜500万円をキープできると良いでしょう。
それ以上の貯金は、投資へ回すのがおすすめです。
まとめ
・将来の支出を想定し、貯蓄の目的を明確にする。
・将来の支出や貯金計画にはライフプランが有効。
・必要となる時期に合わせて貯金方法を変える。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。