南果歩、平田満ら舞台『ハハキのアミュレット』が開幕 横山拓也(作・演出)らコメントが到着
2025年9月29日(月)可児市文化創造センターalaにて、舞台『ハハキのアミュレット』が開幕した。舞台写真ならびにコメントが到着した。
可児市文化創造センターalaが複数の公共ホールと連携しながらアーティスト・イン・レジデンスで質の高い演劇作品を創作し、可児、東京、そして全国へと発信していく<ala Collectionシリーズ>。本シリーズ16回目を数える今回は、社会問題に鋭く切り込む観察眼に加え、ユーモアとエンタテイメントを盛り込んだ緻密な会話劇に定評のある横山拓也を作・演出に迎え、同族経営の後継者問題で揺れ動く家族の葛藤を炙り出す新作『ハハキのアミュレット』の創作に挑戦した。タイトルの<ハハキ>とは、「掃く」の名詞形で、ホウキの語源。主演は凛とした強さと華やかさを併せ持つ南果歩、その兄役を熟練の演技で存在感を増す実力派の平田満が演じる。
日本企業の90%以上が同族経営といわれ、核家族化や経済の低迷による企業の弱体化が進む今、後継者問題はもはや避けられない社会課題といえる。棕櫚箒(しゅろほうき)作りを営む家族に焦点を当て、ユーモアを盛り込みながら、家族であることの生き辛さ、時と共に変化するライフスタイルと広がりゆく世代間ギャップ、それでも変わらない家族愛と生きていくことの尊さをドラマチックに描く。
横山拓也(作・演出)
可児市文化創造センターalaでの滞在製作は、東京にいると忘れてしまうような、ゆったりとした時間の流れがあって、ずっと作品のことを考えて、濃密な稽古を重ねることができました。主演の南果歩さん、平田満さんという先輩の存在が心強く、お二人をはじめ、過去、iakuに出演してくれている俳優や、若いメンバーも、みんな作品にまっすぐに向き合ってくれて、誰からともなく、稽古が活性化するアイデアや意見が飛び交うような、本当に良い稽古場になりました。いつまでも稽古していたかったくらいです。南さんと平田さんが演じる長年離れていた兄妹を中心とした家族劇。関西弁で捲し立てる丁々発止の会話劇を楽しんでいただけたらと思います。また、「棕櫚箒」という作品のモチーフとしては珍しいアイテムにも注目です。
南果歩
舞台はアナログの世界で、毎日同じお芝居であっても、今日観たお芝居は劇場に居合わせた方々だけが体感出来るもので、明日のお芝居とはまた違うんです。それは打ち上げ花火のようで、私たちは今日の花火は今日だけ、明日はまた別の花火を打ち上げます。この年代になって今回の横山さんの戯曲に出会えたことがとても幸せです。この舞台が花火の残像のようにみなさまの心に残ることを祈念しております。
平田満
可児市で初日を迎えたこの公演は、みんなのチームワークもよく、とても楽しんでいます。
関西の過疎地のお話ですが、どこでも、どなたにも心に当たるところのある、人を信じたくなるお芝居です。ぜひご覧ください!