岐阜ローカル鉄道でお花見~明知鉄道・樽見鉄道・長良川鉄道・養老鉄道のおすすめスポット!
岐阜県には「明知鉄道」「樽見鉄道」「長良川鉄道」「養老鉄道」の4つのローカル鉄道が走っています。いずれも車窓から四季折々の景色を楽しむことができ、お花見にぴったり。車内で地元食材を使った料理を楽しめる列車もあり、観光客の人気を集めています。
明知鉄道
恵那市の「恵那駅」から「明智駅」まで、中津川市内を経由しながら11駅を結ぶ「明知鉄道」。全長は25.1kmで、車窓に広がる長閑な田園風景をのんびりと眺めながら鉄道旅を楽しめます。
沿線には、明智駅の「日本大正村」や明智光秀が約30年を過ごしたと言われる「明智城跡」、岩村駅の「岩村城下町」や石垣が残る「岩村城跡」、全国でも珍しい桝形が6ヶ所もある町並みを満喫できる「中山道大井宿」など、歴史を感じる観光スポットが点在しています。
明知鉄道の名物は、季節ごとに岐阜の地元食材を使った料理が食べられる「グルメ食堂車」。毎週月曜日を除く毎日運行し、1987年から運行している「寒天列車」をはじめ「きのこ列車」「じねんじょ列車」「枡酒列車」「冷酒列車」など、バラエティに富んだラインナップで鉄道旅を盛り上げます。
恵那市で桜の名所と言えば、恵那駅からバスでアクセスできる「恵那峡」。期間中は夜間ライトアップが行われ、「恵那峡さくらまつり」も開催されます。また、明智駅から徒歩圏、明智川沿いにある「旧遠山邸」の彼岸桜は「遠山桜」と呼ばれ、川面へ伸びる枝ぶりが見事です。
駅から桜を鑑賞したければ「山岡駅」へ。名産の細寒天を味わえるレストランや資料館を併設する「かんてんかん」で有名ですが、駅前の桜並木が美しく、お花見スポットとしてもおすすめです。
長良川鉄道
美濃加茂市の「美濃太田駅」から郡上市の「北濃駅」まで全長72.1kmを結ぶ「長良川鉄道」。日本三大清流のひとつである長良川に寄り添うように、岐阜県の中心部を南北に走っています。
沿線には美濃太田駅の「中山道太田宿」から始まり、美濃市駅にはかつて商人の町として栄えた「うだつの上がる町並み」が、プラットホームと跨線橋が国の有形文化財に認定されている「郡上八幡駅」には、毎年夏の「郡上おどり」の時期に大勢の観光客が訪れます。
長良川鉄道の魅力は、景色だけではありません。インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインした観光列車「ながら」の内装には、岐阜県産の木材をふんだんに使用。郡上八幡ののれんや一宮のファブリックなども取り入れ、落ち着いた空間を演出しています。ランチやスイーツを堪能できるプランもあり、風光明媚な長良川沿いの景色とグルメを快適な車内で楽しめます。
「関下有知駅」や「深戸駅」、終着駅の「北濃駅」など、長良川鉄道沿線には線路沿いの桜並木が美しいスポットがたくさんあります。「梅山駅」から徒歩10分ほどの「小倉公園」や、「郡上八幡駅」から徒歩圏内の「郡上八幡城」など、途中下車して訪れたい桜名所も点在しています。路線が南北に長い路線のため、桜を鑑賞できる期間が長いこともポイントです。
樽見鉄道
大垣市の「大垣駅」から本巣市の「樽見駅」まで全長34.5kmを結ぶ「樽見鉄道」。「大垣城」などが徒歩圏内の「大垣駅」や大型ショッピングモールが目の前の「モレラ岐阜駅」、道の駅「織部の里・もとす」に併設する「織部駅」、そして「日当駅」や終点の「樽見駅」は桜の名所として知られています。毎年桜の季節になると「桜ダイヤ」が組まれ、臨時列車を運行するほど、多くの観光客が訪れます。
樽見鉄道では、春から秋にかけては地元で採れた旬の山菜を味わえる「薬草列車」、冬は旨味たっぷりのしし鍋が提供される「しし鍋列車」など、季節に合わせてユニークな企画列車を運行しています。田園地帯や根尾川沿いの景色を車窓から眺めつつ、旬の味覚を味わえます。
「樽見駅」から徒歩約15分の「根尾谷淡墨桜」は国の天然記念物に指定され、日本三大桜のひとつとして知られています。樹齢1500年を超える桜が開花した様子は圧巻の一言。毎年多くの観光客が訪れています。
また、「谷汲口駅」周辺は、お花見シーズンになると淡色に彩られた桜が満開で圧巻! 車窓から桜を眺めるのはもちろん、桜のトンネルを走り抜ける樽見鉄道は絵になり、絶好の撮影スポットとなっています。谷汲口駅からバスでアクセスできる「谷汲山華厳寺」の参道にも桜並木があり、お花見巡りを楽しめます。
養老鉄道
岐阜県揖斐郡揖斐川町の「揖斐駅」から三重県桑名市の「桑名駅」まで、全長57.5kmを南北に結ぶ「養老鉄道」。樽見鉄道も乗り入れるターミナル駅「大垣駅」や、上げ馬神事で有名な多度大社の最寄り駅「多度駅」、そして「養老駅」からは期間限定で自然豊かな養老公園へ無料のシャトルバスが出ています。公園の奥には多くの文人墨客が訪れた名瀑「養老の滝」があり、清々しい空気に満ちています。
養老鉄道では、おすすめのおつまみ弁当とお酒を車窓とともに楽しめる「ビール列車」や「冷酒列車」「枡酒列車」を運行しています。「冷酒列車」や「枡酒列車」では、大垣市が全国シェアの8割を誇る特産の木枡で、養老鉄道沿線の蔵元が醸造する日本酒を味わえます。
車窓からお花見をするのであれば「東赤坂」から「広神戸駅」にかけて桜並木と並走するエリアがおすすめ。「池野駅」の前にも大きな桜があります。また「養老公園」は、約3000本の桜が一斉に咲き誇る名所。養老の滝まで数キロの道をのんびりと歩きながらお花見ができる人気スポットです。
車窓から四季折々の美しい自然を体感できる、岐阜県のローカル鉄道。お花見シーズンは沿線上の桜並木を見て、途中下車して桜の名所を訪れて、より充実した鉄道旅を満喫できます。お花見と観光とグルメを一度に楽しみたい人は、ローカル鉄道の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
(写真:岐阜県観光資源活用課、Pixta)