釣り初心者にルアーのメバル釣り<メバリング>をおすすめする理由 実は難しくない?
あまり釣りに親しみのない人からすると、ルアーフィッシングは釣りの中でもなんだか難しそうな印象を持ちませんか?
そのような人にぜひおすすめしたいのが、メバルを狙ったルアーフィッシングである「メバリング」。コツさえ掴めば、簡単に釣れるんです。
メバリングの釣り方の紹介を通じて、メバルの魅力と釣りの楽しみ方に触れていきたいと思います。
岩礁帯に多く生息する魚「メバル」
私たちが普段「メバル」と呼んでいるのは、カサゴ目メバル科メバル属に属する魚のこと。日本近海では、主に「シロメバル」「アカメバル」「クロメバル」の3種が知られています。
「メバル」という名前は「目張る」から来ていて、その名の通りギョロッとした大きな目玉が特徴的です。
いわゆる「根魚」や「ロックフィッシュ」と呼ばれるタイプの魚で、岩礁帯に多く生息しています。
岩礁帯とは、潮の満ち引きで露出したり沈んだりする岩場のことです。
釣り初心者の方はカサゴとの区別が付きづらいかもしれませんが、ヒレや口の形を見てみると簡単に見分けられますよ。
メバルは「春告げ魚」とも呼ばれ、冬の産卵期を終えたメバルたちは活性が上がり、春先から初夏くらいにはとてもよく釣れるようになるんです。
肉食性の魚なので、スジエビやゴカイなどを餌にして釣ることが多いです。また、小魚も食べることがあります。
このことから、擬似餌を使用したルアーフィッシングの対象魚としてもうってつけなのです。
手軽な仕掛けで狙えるメバル
ルアーフィッシングというと、どのような擬似餌(ルアー)を選べばいいのか難しそう……と考えている人もいるかもしれません。
しかし、メバルは「ジグ単」あるいは「ワーム」と呼ばれるルアーを準備するだけで簡単に始められます。
用意するものはふたつ。ひとつは、「ジグヘッド」という釣り針とオモリが一体化したもの。
もうひとつは、「ワーム」という小魚などを模した柔らかい疑似餌です。
ジグヘッドを糸に結んだら、針先にワームを通していきます。これでルアーのセッティングは完了です!
基本的には、ジグヘッドは1グラムのものを、ワームは2.0インチのものを選ぶのがおすすめです。
なお、ルアーにこだわり始めるのは、釣りに慣れてからで大丈夫。見た目が好きなものを選ぶと、釣りをする時のテンションが上がるのでとても良いですよ。
夜なら表層をゆっくり巻くだけで釣れる
メバリングにおすすめの時間帯は夜です。
時期としては、産卵期前後の12月~5月。寒さが厳しすぎると反応が渋く、釣る側としてもつらいので、3月~5月くらいが特におすすめ。場所は、堤防などで始めるのが無難です。
ルアーフィッシングの場合、「タナ」を意識するのが非常に大事になります。
「タナ」というのは、水の中で魚がいる深さのことを指します。魚がどの「タナ」にいるのかを探りながら釣るのが釣果アップへの道なのですが、特に軽いルアーを使っている場合、いまルアーがどのタナにあるのかが分からなくなることが多いです。
その点、メバルは表層をゆっくり巻くだけで釣れるので、入門にもぴったりなんです。
メバルは、夜になると餌を求めて表層の方に浮いてきて、上をじっと見つめています。そのため、表層、つまり水面の少し下をゆっくり引いてくるだけで、メバルに対してルアーをアピールさせることができます。
「ゆっくり」の目安ですが、だいたい1~2秒に1回転くらい。これは使用しているリールの大きさやジグヘッドの重さなどにもよるのですが、それくらいを目安に少し速く巻いたり、ゆっくり巻いたり、ということを試してみると良いでしょう。
応用編として、「2回転したら2秒くらい巻くのを止める」というのもおすすめ。ワームが沈んでいく時にメバルが食ってくることがあります。
釣り方は簡単なのですが、メバルがそこにいなければ釣ることはできません。釣れなければその場所を見切り、次々に移動してメバルの居場所を探れるというのも、メバリングのメリットでもあります。
メバルは食べてもおいしい
メバルは、とても食味が良いことでも知られています。
アジやサバなどの大衆魚に比べればスーパーで見かけることも少ないので、メバルが食べられるのは釣りをした人の特権です。
おすすめの食べ方は煮付け。プリプリの白身がとてもおいしいんです。
筆者は刺身にして食べるのが好きです。新鮮なメバルはコリコリとした食感で甘みがあり、他の刺身とは一線を画したおいしさがあります。
ただし、メバルは成長にとても時間がかかるうえに、あまり移動をしない魚として知られています。
そのため、釣りすぎるとその場所からメバルがいなくなってしまうリスクも。ゆえに、たとえば「15センチ以下のものはリリースする」「卵を持っている個体はリリースする」などのマイルールを設定して、釣りを楽しみましょう。
リリースするか持ち帰るかの基準については個々人の裁量に委ねられますが、ひとつの基準としてジャパンゲームフィッシュ協会というNPO団体が公開しているバッグリミットというものがあります。
この基準に照らすと、メバルは「20センチ以上・10匹以内」となっています。これらを目安にしながら、自身の基準を決めていきましょう。
手軽に釣れて、食べてもおいしいメバル。将来的にもたくさん釣れるように、マナーを守って釣りを楽しみたいですね。
(サカナトライター:あとーす)