京都駅からスムーズに目的地へGO!京都駅構内で迷わない6つのコツ
京都の玄関口として知られる京都駅は、日々、多くの利用客を誇る日本有数のターミナル駅。公共交通機関で訪れた観光客が最初に降り立つ場所であるとともに、徒歩圏内にホテルや商業施設などもあり、毎日多くの人が行きかいます。ただし、ちょっぴり複雑なつくりで、ともすれば地元の人でも迷ってしまうこともしばしばです。
今回はそんな京都駅を完全攻略します。これさえ覚えていればもう迷わない!京都駅をスムーズに歩くコツをご紹介します。
初動が肝心。新幹線を降りたらどう動く? –基礎編–
東京・名古屋方面から京都駅へ着き、ホームへ降り立ちます。「きょうと、きょうと」というアナウンスが響く中、眼前には京の街並みが。
【足元の案内表示もお見逃しなく。】
ホームからコンコースへはエスカレーターか階段で下ります。ここで一呼吸。
人の流れにのってなんとなく進むのではなく、周囲をよく見て、落ち着いた行動が肝要です。ここでおさえたいポイントは2つ。
コツ1 京都駅から出ている公共交通機関は主に3つ
①JR在来線・近鉄などの鉄道
②地下鉄烏丸線
③バス
目的地へ向かうにはどの交通機関がベストか、路線図や時刻表、乗換検索などであらかじめ目星をつけておくといいでしょう。
コツ2 ニデック京都タワーがある北側が「中央口」
京都駅は外へ出るための大きな出口が南北に2つあり、北を「中央口」、南を「八条口」と呼んでいます。東京駅の「丸の内口」と「八重洲口」のようなもので、駅ナカに設置された案内表示や構内図でもよく目にする名称です。
しかし初めて京都駅を訪れた方には、今、自分がいる場所がどちらの出口に近いのか、ピンとこないもの。「中央口」は、市内を巡るバス乗り場やタクシー乗り場があり、待ち合わせ場所としてもよく使われるので、何かと役立ちます。ニデック京都タワーがある方が中央口ですが、残念ながら駅構内からニデック京都タワーは見えません。だからこそ、「中央口」の案内表示を探してください。
【中央口に近づくと、奥のガラス越しにニデック京都タワーが!】
新幹線コンコースの出口に「新幹線中央口」がありますが、これは京都駅の北側「中央口」とは別物。むしろ南側の「八条口」の方へ出てしまうので注意してください。
では、ここからは経路ごとに順を追って解説していきます。まずは新幹線からJR線などの鉄道に乗り換える場合。
鉄道(JR在来線・近鉄)に乗り換えたい
京都駅から出ている主なJR線と番線は以下のとおり。嵯峨嵐山や伏見稲荷、宇治、滋賀や大阪へ行くならJR在来線が便利です。ただし、時間帯などによって番線が変わることもありますので詳しくは現地でご確認ください。
山科、滋賀方面 0・2・3番線 琵琶湖線・湖西線
高槻、大阪方面 4・5・6・7番線 京都線(東海道本線)
嵯峨嵐山方面 31・32・33番線 嵯峨野線(山陰線)
稲荷、宇治方面 8・9・10番線 奈良線
関西空港方面 6・7・30番線 特急はるか
コツ3 「JRのりかえ口(中央口)」には多機能トイレ、エレベーター完備
新幹線のコンコースからJR在来線に乗り換えるための「のりかえ口」は2つあります。
・JRのりかえ口(中央のりかえ口)
→在来線全線に乗り換えられます。
・JRのりかえ口(東のりかえ口)
→京都線(東海道本線)、湖西線、奈良線への乗り換えに便利です。
「JRのりかえ口(中央のりかえ口)」を出たところには、エスカレーターやエレベーター、多機能トイレも完備されているので、ご高齢の方や子ども連れのファミリーにはこちらのルートがオススメです。
JR線の各線には「JRのりかえ口(中央のりかえ口)」を出て、改札内の通路を通っていきます。
新幹線のコンコースから「JRのりかえ口(中央のりかえ口)」を出るとすぐ右手にあるのが8・9・10番ホーム、JR奈良線です。伏見稲荷(最寄りは稲荷駅)や宇治方面や、京阪線への乗り継ぎに利用されています。
コツ4 嵐山に向かう嵯峨野線(山陰線)は日本一長いホームの隣
30番以降の嵯峨野線(山陰線)は、嵯峨嵐山駅方面へ行く路線。しかし、そのホームは他の路線からは、やや遠いところにあります。
【かすかに見える30番ホームの特急「はるか」。まさにはるかかなた。】
京都駅には全長558mの日本一なが~いホームがあります。実際には0番ホームと30番ホームはつながったもので、お目当ての嵯峨野線(山陰線)は、その30番ホームに並行した31・32・33番ホーム。これが他のホームと比べると遠いのです!どこまで行っても辿りつかないのでだんだん不安になるほど。でも大丈夫。とにかく30番台を目指してください。
【黄色の天井が目印】
一部の通路では、30番以降の嵯峨野線(山陰線)・関西空港方面の方向を示す黒色のステッカーが貼られていますので、こちらも参考にしてください。
最後に、東寺や奈良・伊勢志摩方面へ行くなら近鉄線です。新幹線のコンコースから「新幹線中央口」を出ると正面に近鉄の乗り場があります。JR在来線からは、「西口改札」を出て左に進むと着きます。
【鹿がお出迎え】
地下鉄に乗り換えたい
新幹線から地下鉄烏丸線への乗り換えはさまざまなルートがありますが、比較的わかりやすい3つのルートを紹介します。
①「新幹線八条口」経由
②「八条口東口」経由
③「地下東口」経由
①②は京都駅の南側を進むルート、③は京都駅の北側を目指すルートです。
①は新幹線コンコースからエスカレーターなどで降りて「新幹線八条口」を出て左へ進み、ファストフード店から左方向へと曲がり、地下へ降りていきます。
②は同じく新幹線コンコースの奥にある「八条東口」を出て左へ進み、ファストフード店から左方向へと曲がり、さらに地下へ降りていきます。
①と②は途中から合流し、地下鉄烏丸線京都駅の「南改札口」にたどり着きます。
この2つのルートは比較的狭く、エスカレーターやエレベーターも少ないため、荷物が多い場合や、ご高齢の方には以下の③のルートをおすすめします。
③は「地下東口」を目指すルートです。
改札内の通路を通って「地下東口」を目指します。このとき途中で左側に「西口改札」が見えてきますが、それはあくまでも「西口改札」。開放感にあふれ、人の流れも多いため思わずそちらの方へ歩きたくなりますが注意です。「西口改札」の前には地下鉄への案内表示があるので、それに沿って通路を北へ進んでください。
通路の突き当たりを右へ、エスカレーターを降りていくと「中央改札口」すなわち「中央口」です。ガラスの奥にニデック京都タワーが見えたらOK。その改札を出ずに、案内表示に従って地階の地下鉄烏丸線とののりかえ口である「地下東口」を目指してください。地下鉄烏丸線の方向を示す緑色の床面ステッカーも参考にしてください。
以上が新幹線から地下鉄への乗り換えおすすめルートです。
コツ5 地下鉄は地下にあり!
広くて人も多い京都駅では、今、自分が何階あたりにいるのか、どこが地上なのか、意識が向きづらいもの。そんな時に思い出してほしいのが「地下鉄は地下にあり!」です。特に在来線を使って京都駅へ来た場合は、各ホームから地下へ下りる階段があるので、上り階段と下り階段があったら迷わず下りを選ぶと好アクセス。「地下出口」から出ると、地下鉄の「中央1改札口」「中央2改札口」がすぐそばにあります。また、改札を出て地下鉄のりばを探し歩くより、できるだけ改札内の連絡通路を利用して目指した方が近道です。
バス・タクシー乗り場はどこ? –バス・タクシー編–
京都は東京や大阪のように電車や地下鉄が細かく張り巡らされていないため、周辺観光には鉄道と小回りがきくバスを組み合わせると便利です。
バス乗り場は、京都駅「中央口」を出た正面。ニデック京都タワーのお膝元にあります。カーブしている白っぽい屋根が目印です。南側の「八条口」にもバス乗り場はありますが、高速バスや空港バス、ホテルのシャトルバスなどが多いです。
「中央口」を出ると、バス乗り場の方向を示すオレンジ色のステッカーが貼ってあるので、こちらを辿っていくとよいです。
バス乗り場の総合案内図の近くのバスチケットセンター内には市バス・地下鉄の案内所もあります。どの路線に乗ればいいのか迷ったらここで尋ねてみましょう。
コツ6 1日乗車券を上手に使うべし
祇園や清水寺などの人気エリアへ行くバスはいつも長蛇の列。そんな人混みや渋滞を避けたい方は、電車とバスを併用するか、観光特急バスに乗るとスムーズです。そこで役立つのが1日乗車券。
中でも「地下鉄・バス1日券」は、当日中であれば何度でも地下鉄と市バス等に乗車できるカード(一部対象外路線あり)。乗り放題で、各所で小銭の準備やICカードの残高を気にしないで済むのでノンストレスで京都観光が楽しめます。清水寺や銀閣寺など主要観光地にしか停まらない観光特急バスも「地下鉄・バス1日券」が使えますよ。
「地下鉄・バス1日券」は、京都駅ビル2階の南北自由通路(改札外)にある「京都総合観光案内所(京なび)」や、バス総合案内所、バス停や地下鉄乗り場に設置された自動販売機、などで販売中。大人は1,100円、子どもは550円です
タクシー乗り場は京都駅北側の「中央口」ホテルグランヴィア京都前、南側の「八条口」にあります。目的地の方角にあわせてご利用ください。
京都駅から出ていない路線は? –その他の路線編–
京都の玄関口とはいえ、京都駅と直結していない路線もあります。以下の路線には電車やバスなどに乗り継いで行きます。
▶︎京阪電車
京都駅からJR奈良線に乗車し、1つ目の「東福寺」駅で京阪電車に乗り換えます。祇園や出町柳方面へ行くのに便利です。
▶︎叡山電車
京都駅からJR奈良線で「東福寺」駅で京阪電車に乗り換え、「出町柳」で下車。地上にある叡山電鉄に乗り換えて、比叡山や鞍馬山方面へと行けます。
▶︎阪急電車
地下鉄烏丸線で「四条」駅で降り、地下通路で直結している阪急「烏丸(からすま)」駅から阪急線に乗車します。嵐山・桂方面、大阪梅田方面へ行くことができます。
▶︎京福電車(嵐電)
京都市バスで「四条大宮」停で下車し、京福電車「四条大宮」駅から乗車します。太秦や嵐山方面へ行くことができます。
▶︎地下鉄東西線
地下鉄烏丸線が南北に通るのに対して、東西に通るのが地下鉄東西線。地下鉄烏丸線で「烏丸御池(からすまおいけ)」駅へ行き、東西線に乗り換えます。山科・六地蔵方面、あるいは二条城・太秦天神川方面へ行くことができます。JR在来線で山科駅や六地蔵駅に行くと、地下鉄東西線に乗り換えることもできます。
京阪電車からJR嵯峨野線に乗り換えたい!という方は京阪電車「七条」駅とJR線「梅小路京都西」駅を結ぶステーションループバスがオススメ。京都駅での乗り継ぎが不要なので、時間短縮にもなります。運賃も230円とリーズナブルです。
◇ステーションループバス|臨時列車・オリジナルグッズ|京阪電気鉄道株式会社
https://www.keihan.co.jp/traffic/other/bus/stationloopbus.html
手ぶらでラクチン♪荷物預かり&配送サービス –番外編–
京都駅から快適なルートで目的地へたどり着けたとしても、重い荷物を持って歩くのは疲れる…
大きな荷物を狭いバス車内に持ち込むのは混雑の原因にもなるし…
そんな時は京都駅にある荷物預かりサービスや、宿泊先などに送るサービスを利用すると大変便利です。京都駅に到着してすぐに大きな荷物から解放!足取りも軽やかに目的地を目指すことができます。
詳しくは、以下のサイトをご確認ください。
【京都市公式】手ぶら観光のススメ|HANDS FREE KYOTO
https://hands-free.kyoto.travel/?lang=ja
京都駅構内のコインロッカーの空き状況などについては、以下の京都駅デジタルマップを参考にしてください。(マップ表示は数秒お時間がかかります。少々お待ちください)
また、春や秋の観光シーズンでは、京都駅において、臨時手荷物配送・預かり所を開設し、手荷物の宿泊施設への当日配送及び一時預かりサービスを実施します。
⑴ 設置場所
京都駅ビル駅前広場(ホテルグランヴィア京都前)
⑵ 設置日時
令和7年11月23日(日)・24日(月休)・29日(土)・30日(日)、12月6日(土)・7日(日)の計6日間(時間:9時~20時)
※手荷物当日配送サービスの利用受付は14時まで
⑶ 利用料金
手荷物配送(京都市内):1,500円/個(事前予約1,400円/個)
手荷物配送(大阪市内):2,500円/個(事前予約2,400円/個)
一時預かり:1,000円/個(事前予約800円/個)
(4) 事前予約ページ
事前予約も可能
https://platinumaps.jp/d/kyoto-station-smart-navi?spot=538213&floor=1F
大事なポイントをもう一度おさらい
今回の京都駅取材中にも道を尋ねている人を何人か見かけました。
確かに実際には大きな荷物や何枚もある切符、家族同伴なら子どもやベビーカーにも気を配りながら人混みを進むわけですから、なかなか一筋縄にはいかないもの。そこで、最後におさらいを兼ねた究極のコツ3つを伝授いたします。
①観光に便利な市バスのターミナルがある「中央口」はニデック京都タワーが目印。
②「中央口」と「新幹線中央口」を間違えるべからず。
③地下鉄は地下にあり。
せっかく京都に来たのだから迷わず、時間のロスもなく、スムーズに目的地へ行って楽しんでいただきたい!そんな思いを込めた3つのポイントです。これを覚えて京都駅から良い旅のスタートを切ってください。
記事を書いた人:五島 望
東京都生まれ、京都在住のライター・企画編集者。
京都精華大学人文学部卒業後、東京の出版社に漫画編集者等で勤務。29歳で再び京都へ戻り、編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。紙媒体、Web、アプリ、SNS運用など幅広く手掛ける。