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やなせたかしの妻・小松暢は体育会系の美少女だった ~のぶ(演・今田美桜)のモデル

草の実堂

画像 : 別れの挨拶をする花嫁(イメージ)wiki c Bundesarchiv, Bild 102-11997

朝ドラ「あんぱん」第43回では、のぶと若松次郎(演・中島歩)の祝言が行われました。

戦時中のため親族のみのささやかな式でしたが、のぶの美しい花嫁姿が披露されました。

史実でも、のぶのモデル・小松暢(のぶ)さんは、父親同士が決めたお見合いを経て結婚しています。

今回は、暢さんの出自から最初の結婚までのエピソードを紹介します。

父親はエリート商社マン

画像 : 鈴木商店本社(前ミカドホテル、1918年以前)public domain

暢さんは、大正7年(1918年)、大阪府大阪市生まれ。父親・池田鴻志さんは総合商社「鈴木商店」に勤める商社マンでした。

鈴木商店は、大正6年(1917年)に売り上げがGNPの1割を占めたほどの大企業で、世界中に拠点を持ち、貿易の他、造船、海運、保険などの事業を展開していました。

暢さんの生まれた大正7年は、まさに鈴木商店の最盛期。
父親はエリート商社マンとして東京や大阪はもとより、北は釧路、南は台湾まで赴任し、一家は各地を転々とする生活を送っていました。

後年、暢さんは毛皮の襟のついたコートを着ていたことや、釧路の思い出をよく語っていたそうです。

何不自由のない生活が一変したのは、暢さんが6歳の時でした。

父親が急逝したのです。

残された家族は、父親の故郷である高知県へと転居しました。

小学校に入学した暢さんは、担任の先生の腕にぶら下がって歌をうたうような、物怖じしない天真爛漫な子どもでした。

体育会系の美少女 暢さんの女学校時代

画像 : 宝塚歌劇団「パリ・ゼット」(1930年)public domain

小学校を卒業後、高知県立高知第二高等女学校(現・県立高知丸の内高校)に進んだ暢さんは、在学中に大阪へ移り、大阪府立阿部野高等女学校(現・大阪府立阿倍野高校)に転校します。

女学校時代は、短距離走を得意とし、「いだてん おのぶ」の名で知られる体育会系の硬派でした。

運動だけでなく音楽にも秀でており、ビアノの演奏や独唱を披露することもありました。

あるとき、妹の圀(あき)さんが宝塚に夢中になり、入団したいと言い出します。

しかし、残酷にも周りの意見は「暢さんなら入れるけど、あなたでは無理」でした。

暢さんは、色白で華奢な容姿に似合わず、強さを持ち合わせた、眉目秀麗な少女だったのです。

ちなみに後の再婚相手となるやなせたかし氏によると、暢さんは明るくてまじめ、何事にもアグレッシブできっちりとした性格だったそうです。

骨身を惜しまない努力家でもあり、やなせ氏は夫婦で正反対の性格だったと語っています。

父親同士が意気投合して決めた暢さんの結婚

画像 : 別れの挨拶をする花嫁(イメージ)wiki c Bundesarchiv, Bild 102-11997

女学校を卒業後、東京で働いていた暢さんは、小松総一郎さんと結婚しました。

高知市生まれの総一郎さんは、神戸高等商船学校(現・神戸大学)を卒業後、日本郵船に就職。機関士として働いていました。

暢さんと総一郎さんの縁組は、ドラマ同様、父親同士が意気投合して決めたそうです。

総一郎さんの父・虎喜さんは、東京外国語大学でロシア語を学び、得意の語学を活かしてシベリア出兵の際は通訳官として従軍した経歴の持ち主でした。

虎喜さんと暢さんの父親は、どこかで交流があったのでしょう。意気投合し、息子と娘の縁組を決めてしまいます。

二人が結婚したのは昭和14年(1939年)。総一郎さんが26歳、暢さん20歳のときでした。

しかし、総一郎さんは仕事柄、長い航海に出ることが多く、暢さんは留守を預かる日々が続いたようです。

また、ドラマと同じように総一郎さんには写真撮影の趣味があり、自身が愛用していたライカのカメラを暢さんに贈っています。

戦時中、民間の船は軍に管理され、船員は軍事輸送の任につきました。

軍事物資や兵士をのせた船舶は敵の格好の的となり、太平洋戦争で戦没した船は約2400隻にのぼります。

これから次郎とのぶの結婚生活は、どうなるのでしょうか。今後の放送を待ちたいと思います。

参考
越尾正子『やなせたかしのしっぽ』小学館
高知新聞PLUS+『【あんぱん〝のぶと結婚の若松次郎〟】暢さんの最初の夫はどんな人? エリート機関士・小松総一郎さん』
やなせたかし『人生なんて夢だけど』フレーベル館
やなせたかし『絶望の隣は希望です!』小学館
文 / 草の実堂編集部

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