大阪・関西万博の期間中、通勤困難や物流の遅延が予想 混雑緩和にコワーキングスペース利用を
コワーキングスペース・レンタルオフィスを運営するWOOC(東京都品川区)は、大阪・関西万博の開催に合わせ、2025年4月1日から4月30日に法人を対象に入会金を無料にするキャンペーンを実施すると発表した。
コワーキングスペースを活用した企業のテレワーク導入を支援することで、万博期間中の通勤時間帯の混雑を緩和し、企業活動をスムーズに継続してもらいたい考えだ。
WOOC、関西に20拠点のコワーキングスペース「利用の際は電車を控えて」
WOOCは大阪府内15拠点を含め関西エリアで20拠点のコワーキングスペースを展開している。24時間365日利用することができ、「全日プラン」や「土日祝プラン」などがある。
コワーキングスペースには、WEB会議や食事ができるカフェブース、モニターやオフィスチェアを完備したワークブース、事務所利用できるレンタルオフィスや自分専用の半個室ブースなどさまざまなブースが用意されている。
入会金無料となるのは、全日プラン、土日祝プラン、兵庫プラン、京都プラン、関西プラン、固定席プランが対象で、対象プランは拠点によって異なる。同社は「大阪エリアでの利用の際は、電車の使用を控えてほしい」としている。
2820万人来場の万博、公共交通機関の混雑、道路渋滞が課題に
2025年4月13日から10月13日までの大阪・関西万博の開催期間中は、約2820万人の来場者が予想され、多くの来場者が大阪府内の交通機関を利用するため、公共交通機関の混雑や道路渋滞が問題視されている。
特に、朝夕のラッシュ時には、企業の通勤と来場者の移動が重なり、通勤・通学などの日常の移動に支障をきたす可能性が高まっているだけでなく、物流の遅延やビジネスワーカーの移動困難により、企業活動全般に影響がでることも懸念されている。
交通需要マネジメントの実証実験、交通量低減に効果
混雑予想を受け、大阪府と大阪市などは2024年の9月30日から10月4日の5日間、試験的にTDM(交通需要マネジメント)を実施した。
期間中はこの取り組みに登録した企業が在宅勤務や時差出勤などを活用することで、大阪メトロ中央線と御堂筋線の平日午前8時から午前10時台の利用や、平日午前の万博会場周辺の一般道路や阪神高速道路の通行を回避するように呼び掛け、交通量の変化を検証した。
大阪メトロ中央線では、TDMトライアル時(9月30日から10月4日)と「トライアル前週とトライアル後週を比較した。
コスモスクエア駅とトレードセンター前駅の降車人数の変化は、トライアル週の前半(9月30日から10月1日)は、前週・後週より降車人数が少なかったが、後半(10月2日から10月4日)は、前週・後週よりも、降車人数が多かった。
イベント利用者や大学通学者といった沿線の主要集客施設の要素を控除後は、午前8時台から午前10時台が対前週比で23%、後週比で約18%低減しており、取り組みが交通量低減に効果があることが確認された。
WOOCでもTDMパートナーに参加し、TDM期間中に企業や個人のテレワーク導入支援として関西エリア5拠点のコワーキングスペースのドロップインが、1日無料になるキャンペーンを実施した。
同社は「今回のキャンペーンが大阪や近隣のビジネスワーカーの快適な働き方提供につながるだけでなく、大阪・関西万博のスムーズな実施の一助となってほしい」としている。
WOOCの発表の詳細は同社の公式ホームページで確認できる。