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SFC加藤ゼミ 善行団地の日常つづる 冊子制作、住民との交流も

タウンニュース

ZINEを手にする学生と加藤教授(中央後ろ)

”団地を味わい、団地を批評し、団地を創る――”。慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の学生たちが善行団地でフィールドワークに取り組んでいる。活動開始から1年。これまでの成果をまとめた小冊子を制作した。それを手に取った住民らから多くの声も寄せられ、地域の新たなコミュニケーションツールとしてさらにブラッシュアップしていきたい考えだ。

高齢化や多様化により、かつて存在した住民同士のつながりが全国的に失われつつある団地。善行団地も例外ではない。SFCの加藤文俊研究室(社会学)では、コロナ禍で宿泊を伴う活動が制限されたことなどを機に、同団地をフィールドワークの対象地に設定。学生が現場で感じたことを同団地に還元しようと、ZINE(個人や少人数による自主制作の小冊子)に班ごとの成果をまとめることにし、昨春調査を開始した。

「広場の日陰が満席だった」「住民の方にジュースをごちそうになった」など、学生が見た団地の何気ない風景や交流などを「ダンチジン」と銘打ったハガキに現地で記入。その日のうちに最寄りの郵便局から研究室宛てに投函する手法で経過を記録していき、昨年末までに80枚ほど集まった。これらを基にZINEを制作した。

現場の声に反応

班ごとに完成したZINEの内容はさまざま。清水彩也香さんの班では交流した住民との会話から着想を得て、団地内の花を見に巡る「孫と花さんぽ」を作成した。その後、「団地のことを教えてください」と記したハガキを同封し、団地内のパン屋に配架。それを見た人から「身近に色々なお店があり便利で住みやすい」「住民同士のコミュニケーションがないのがさみしい」といった反応が郵送で返信された。”花さんぽ”は季刊になっており、「完結編は連休明けにまた配架する予定」という。

小田文太郎さんの班では「手に取った人が団地をくまなく歩くきっかけになれば」と謎解きをしながら団地を歩く「善行団地クエスト」を考案。「まだプロトタイプ。今後改良を加え、英語版の発行やイベント開催ができれば」と意気込む。

学生の目と住民の声が重なり合うZINE。団地でのつながりに新風を吹かせるかもしれない。

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