アニメ「温泉幼精ハコネちゃん」放棄ドメインが悪用 オンラインカジノ誘導目的のサイトに
株式会社旭プロダクションは12月10日、同社が制作し2015年に放送されたアニメ「温泉幼精ハコネちゃん」に関し、公式サイトを装った偽サイトが確認されているとして注意喚起を行いました。
問題となっているのは、かつて公式サイトとして使用されていたドメイン「hakone-chan.jp」です。同社によると、現在の該当サイトは同社および製作委員会とは一切関係がないとのこと。アクセスすることで個人情報の不正取得などの被害に遭う恐れがあるため、絶対にアクセスや情報入力を行わないよう呼びかけています。
■ 一見するとアニメ公式サイト、しかし中身は……
実際に該当のURLを確認してみると、トップページは一見すると通常のアニメ公式サイトのように見えます。しかし、よく見るとメニュー項目の日本語変換が不自然であったり、本来あるべきクレジット表記が見当たらなかったりと、違和感のある箇所が散見されます。
決定的なのは「ブログ」の項目です。放送終了から10年が経過している作品にもかかわらず、直近の日付で頻繁に記事が更新されており、その内容は「オンラインカジノ」への誘導を目的としたものばかりが並んでいます。
その内の一つをクリックしてみると、オンライカジノへと誘導するランディングページにたどり着きました。
また、ドメインの登録情報を確認できる「WHOIS」を参照すると、ドメインの登録者名および公開連絡窓口の名義は日本人と思しき名前が登録されていました。住所欄にも一見実在していそうな詳細な住所が記載されていますが、番地表記が不自然であるなど、おかしい点が散見される状態です。
■ 過去には「妖怪ウォッチ」関連や「怪盗レーニャ」も被害に
実は今回に限らず、終了したアニメ作品のドメインが第三者に再取得され、アダルトサイトやオンラインカジノの宣伝サイトに変貌してしまうケースは珍しくありません。
過去には、2019年公開の映画「妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」の公式サイトドメインが2021年に第三者に再取得され、カジノ関連サイトとなっていた事例や、2010年放送のアニメ「怪盗レーニャ」のドメインが同様に悪用されていたケースも確認されています。
ドメインは契約更新を行わずに放棄すると、一定期間を経て誰でも取得可能な状態となります。かつての公式サイトが持っていた「検索エンジンの評価(SEOパワー)」を悪用する目的で、こうしたドメインが狙われることが多いのです。
近年の報道でも取り上げられているように、日本国内においてオンラインカジノを利用することは、賭博罪などの犯罪行為に当たります。また、こうして誘導された先のサイトでは、賭博行為そのものだけでなく、登録時に入力したメールアドレスや個人情報が不正に利用されるリスクも指摘されています。
懐かしい作品を検索する際は、検索結果のリンク先が正規のサイトかどうか、十分にご注意ください。
<参考・引用>
株式会社旭プロダクション公式HP「【重要なお知らせ】偽サイトにご注意ください」
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025121204.html